このコラムの内容は、2012年(平成24年)4月現在のものです。
政府は2011年(平成23年)12月10日に「平成24年度税制改正大綱」を閣議決定しましたが、沖縄関連税制の記載もれがあり、12月24日に早くも改正されました。この12月24日改正の改正大綱が法案となり、国会で審議して可決されれば成立となります。
ところで、「平成23年度」の税制改正大綱は、東日本大震災の影響もあり、国会で2011年(平成23年)3月末までに可決されませんでした。その後この法案は散り散りバラバラとなり
の4つに分かれています。
昨年かなり注目されていた相続税の基礎控除の削減等は、「社会保障・税一体改革素案」に含まれ、将来的に税制抜本改革で検討していくことになりました。 ややこしい税制改正の動向を下表にまとめましたので、ご参考になさってください。
ここでは、下表の「平成24年度税制改正大綱」のうち、賃貸住宅オーナーさまに関心が高いと思われるものについて解説します。
若い世代への資産の早期移転や、省エネルギー性・耐震性を備えた良質な住宅ストックを形成するために、住宅取得等資金の贈与税の非課税措置が拡充・延長されます。
居住用財産の買換え特例を受けることができる要件について、売却価額が1.5億円(従前は2億円)以下に引き下げられたうえで、2年間延長されます。
現在10種類が認められていますが、そのうち最もゆるやかな制度について、適用要件がかなり厳しくされたうえで、3年間延長されます。
年末に5,000万円を超える国外財産がある居住者は、一定の「国外財産調書」を、翌年3月15日までに税務署長に提出することが必要となります。
プロフィール
税理士法人・四谷会計事務所 パートナー税理士。世界有数の会計事務所であるデロイト・ハスキンズ会計事務所に勤務後、四谷会計事務所にて相続や不動産の譲渡・買換えなど資産税を中心に担当する。中小企業経営者や不動産賃貸経営者のよきアドバイザー。著書に「知って得するやさしい税金」(鳳書院・共著)がある。CFP®、1級FP技能士、マンション管理士、宅地建物取引士の資格をもつ。