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税金「小規模宅地等の特例」を徹底研究

税理士稲場 広宣PROFILE

このコラムの内容は、2018年(平成30年)8月現在のものです。

相続に際して、自宅や賃貸住宅の土地の評価額が大幅に減額される「小規模宅地等の特例」。今年度の税制改正で、2018年(平成30年)4月1日以降の相続等について、この特例の一部見直しが行われました。改正内容を正しく理解した上で、今後の上手な活用方法を検討しましょう。
「小規模宅地等の特例」の概要については、下部の図表を参照してください。

特定居住用宅地等の改正「家なき子」の適用範囲が厳格化

下表の「自宅の土地」を相続するケースで、持家なしの別居親族、いわゆる「家なき子」の適用要件に、下記の下線部分が追加されました。

  • (1) 相続開始前3年以内にその人、その人の配偶者、その人の3親等内の親族又はその人と特別の関係のある法人が所有する国内にある家屋に居住したことがないこと。
  • (2) 相続開始時に居住していた家屋を過去に所有していたことがないこと。

文中の「その人」とは「家なき子」の候補となる相続人等のことです。(1)かつ(2)の要件を満たす必要があるため、「親族間で贈与等により自宅家屋の名義変更をするなどして、形式的に特例の適用対象となる」という改正前の節税手法はかなり困難になりました。

ただし、持家を所有していない親族や、例えば転勤等のため持家はあるが居住できず、社宅や第三者所有の賃貸住宅等に3年超居住している親族は、「持家なしの別居親族」に該当し、改正前と同様に特例の適用対象となります。

(注)持家があっても上記の(1)(2)の要件を満たせば、「持家なしの別居親族」に該当します。

今後も特例の適用を受けるためには

改正で「持家なしの別居親族」の適用範囲は確実に狭まりました。そこで、無理に「持家なしの別居親族」になることを考えず、「同居親族」になることを検討してみてはいかがでしょうか。具体的には次のような方法が考えられます。

  • 実家を二世帯住宅に建て替えて特定居住用の 80%減額の適用を受ける。

    外ドアで行き来する分離型の二世帯住宅でも同居とみなされます。ただし、親世帯と子世帯で建物を区分登記した場合は同居とみなされません。

  • 二世帯+賃貸の併用住宅を建築する。

    一定の要件を満たせば、限度面積まで特定居住用の80%減額と貸付事業用の50%減額の適用が受けられます。

  • 同居ができない場合でも、賃貸併用住宅に建て替えて賃貸部分の敷地について貸付事業用の50%減額の適用を受ける。

「小規模宅地等の特例」による評価減の概要

図表 「小規模宅地等の特例」による評価減の概要

相続する土地 土地の評価減の割合・限度面積 相続する人の要件 改正後2018年4月1日~
自宅の土地 特定居住用宅地等80%減・330㎥
A
  • (1)配偶者(無条件)
  • (2)同居または生計一親族(保有継続・居住継続)
  • (2)持家なしの別居親族(家なき子)
    (保有継続、(1)の配偶者および(2)の同居法定相続人がいない場合)
A-(3)の要件が厳格化
賃貸住宅の土地 貸付事業用宅地等50%減・200㎥
B
親族(保有継続・事業引き継ぎ)
土地の要件が厳格化
賃貸併用住宅の土地 自宅部分の土地80%減・330㎥ Aに該当する人 A-(3)の要件が厳格化
賃貸住宅部分の土地50%減・200㎥ Bに該当する人 土地の要件が厳格化

(注)複数の宅地等について特例を併用する場合は、別途限度面積の計算があります。

貸付事業用宅地等の改正「3年しばり」の適用要件が新設

2018年(平成30年)4月1日以後に賃貸事業の用に供した宅地は、3年以内に相続が開始した場合、原則として特例の適用対象外となりました。

ただし、相続開始前3年を超えて「事業的規模」で経営をしているオーナーの場合は、3年以内に賃貸事業の用に供した宅地でも適用可能です。

(注)事業的規模についての明確な規定はありませんが、所得税の「5棟10室基準」と同じと考えられます。

今後も特例の適用を受けるためには

改正により、相続開始直前に貸家を建築して「貸付事業用宅地等」の特例を受ける節税対策には制限が設けられ、原則として「3年超」の期間に余裕を持った早めの対策が必要となりました。具体的には次のような方法が考えられます。

  • 空地や駐車場に貸家を新築する場合は、少しでも早く行う。
  • 「5棟10室基準」に手が届くオーナーは、貸家を 新築するなどして室数を増やし、少しでも早く事業的規模のオーナーになる。

上記改正の経過措置などの詳細は税理士等の専門家に確認してください。なお、相続税評価額が更地よりも下がる貸家建付地評価や家屋の評価額が自用家屋よりも下がる貸家評価は、今回改正による3年の制限は受けません。貸家の建築等が相続税対策に有効であることに変わりはありません。

税理士稲場 広宣(いなば ひろのぶ)

稲場 広宣氏 近影

税理士法人・四谷会計事務所 パートナー税理士。1985年、東洋信託銀行(現 三菱UFJ信託銀行)に入行。多忙な銀行業務の中、6年間で税理士試験に合格。金融資産運用・ローン・遺言信託などのコンサルティング、銀行経理・税務の担当など幅広い業務を経験後退職。現在、四谷会計事務所パートナーとして税務全般の業務を担当。特に不動産税務を中心とした資産税に豊富な経験実績があり、自らもアパートオーナーとして地主・オーナーと同じ視点で考える不動産の有効活用、賃貸経営の法人化、所得税・相続税の節税対策などに定評がある。パナソニック ホームズの各種セミナー、研修会等の担当講師としても活躍。

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