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パナソニック ホームズ トップ > 土地活用 > 土地活用のお役立ち情報 > 役立つ専門家コラム > 法律(2012年5月号)賃貸住宅の建て替えに関する法律知識

法律(2012年5月号) 賃貸住宅の建て替えに
関する法律知識

  • 賃貸住宅経営
  • 建て替え

弁護士 瀬古 賢二

このコラムの内容は、2012年(平成24年)5月現在のものです。

  • パナホーム株式会社は、2018年4月1日にパナソニック ホームズ
    株式会社に社名変更いたしました。
  • 掲載内容につきましては当時のままで表記されています。

賃貸借契約の
終了事由について

老朽化した建物を建て替える場合、現在の居住者との賃貸借契約を終了させ、居住者に立ち退いていただくことが必要になります。とは言え、住居は生活の基盤ですから、簡単には建物賃貸借契約を終了させることができません。

ただし、貸主側の自己使用の必要性、あるいは住まいとしてその建物が危険であって建て替えの必要性が認められる等の場合には、賃貸借契約の更新拒絶、解約が認められます。この場合、立退料の提供が正当事由の補完事由として重要な要素となります。

賃貸借契約の終了事由としては

  1. 契約違反を理由とする「契約解除」
  2. 契約期間満了に際しての「更新拒絶」
  3. 契約期間の定めがない場合の「解約申し入れ」

のケースがあります。それぞれのケースについて、具体的に見てみましょう。

契約違反による
契約解除のポイント

契約違反を理由に建物賃貸借契約を解除するためには、貸主と借主間の信頼関係を破壊したと認められる程度の強度の契約違反であることが必要です。

契約違反の代表的なものに賃料の不払いがありますが、その場合は最低でも2ヶ月分の賃料不払いが必要です。

また、このケースでは立退料の提供は不要です。

正当事由が必要な更新拒絶、解約申し入れ

更新拒絶や解約申し入れによって建物明け渡しが認められるためには、「正当事由」が必要になります(借地借家法28条)。

何が正当事由となるかは、裁判での判断に委ねられていますが、貸主側の事情としては

  • 建物の自己使用の必要性がある
  • 自己使用以外でも建て替えの必要性がある

他方、借主側の事情としては

  • 使用継続の必要性の程度
  • 代替物件を探すことが可能か

などが、正当事由の判断の基準になります。

また、その場合に、正当事由の補完事由としての立退料の提供が必要か、必要だとしてその金額はいくらが妥当かは、ケース・バイ・ケースです。

一般的に、貸主側と借主側の事情を比較して、貸主側に自己使用の必要性がどれほど強いかによって、立退料の金額が決まります。

判例に見る
老朽賃貸の立ち退き

耐震診断で「倒壊する可能性が高い」と診断されたことを理由に、賃貸借契約の解約申し入れをすることは、「正当事由有り」と認められるでしょうか?

残念ながら、耐震診断の結果が、直ちに「正当事由有り」とはなりません。建物の老朽化により耐震強度や耐火性能が不十分で、建て替えの必要があり、修繕の費用対効果に問題があるような場合には、賃借人の必要性、立退料の支払いの有無などを考慮の上で「正当事由有り」と認められる場合が多くなっています。

しかし、中には、老朽化した賃貸住宅の解約申し入れで、立退料の提供が不要とされた事案もあります。具体例をご紹介しましょう。

東京地裁 2009年(平成21年)8月28日 判決

築100年を超えた木造建物で、耐震診断の結果、「倒壊の危険有り」とされた建物を建て替えるケースでは、立退料の提供は不要で解約が認められました。

東京地裁 1991年(平成3年)11月26日 判決

築64年の木造モルタル塗りで、柱や床がシロアリや害虫に侵され、土台が腐り、建物が傾いて柱もねじれ、建物の2階部分は朽廃状態にある建物について、借主側の事情を考慮しても、立退料の提供は不要として解約が認められました。

入居者との立ち退き交渉で
困ったら

老朽化した賃貸住宅の建て替えで、オーナーさんが最も悩まれるのが立ち退き交渉だと思います。

当事者同士の話し合いが難航したら、簡易裁判所へ調停申し立てをされることが賢明です。調停では、類似の事案、相場を参考にして、話し合いでの解決策を示してくれます。

また、交渉が難航することが予想される事案は、弁護士さんに相談なさることをお勧めします。

建て替えのことならパナホームへお気軽にご相談ください!

パナホームの建て替え支援

豊かなオーナーライフをお届けする、パナホームの土地オーナーサポートシステムNEOSをご利用ください。老朽化した賃貸住宅の建て替えについても、現状の経営診断、周辺環境の特性やニーズを踏まえた事業提案、さらには豊富な経験とノウハウを生かし、円滑な立ち退きの実現についてアドバイスを実施。必要に応じて弁護士を交え、オーナーさまをしっかりバックアップします。

※定期借家制度(定期建物賃貸借契約)について
2000年(平成12年)3月に「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」が施行され、従来の賃貸借契約に加えて、新たに定期建物賃貸借契約が導入されました。定期建物賃貸借契約では、契約で定めた期間が満了することにより、更新されることなく、確定的に賃貸借契約が終了するので、「正当事由」や「立退料の支払い」の必要はありません。ただし、定期借家制度の導入前に締結された賃貸借契約については、借主保護の観点から、当分の間、定期賃貸住宅契約への切替えは認められていません。
弁護士 瀬古 賢二 せこ けんじ

弁護士 瀬古 賢二せこ けんじ

1983年、名古屋大学法学部卒業。法律特許事務所の所員を経て、1994年に「瀬古賢二法律事務所」を開設。2004~2007年まで名古屋簡易裁判所の民事調停官、2009年度 愛知県弁護士会副会長などを歴任。現在は、弁護士業の傍ら、名古屋簡易裁判所の調停委員、愛知県公害調停委員を務める。

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