住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
アパート経営において、どんな出費なら経費として計上できるのか、具体的な経費の項目を挙げて紹介します。経費を計上する際の基準は、「その費用がアパート経営に直接関係するかどうか」が判断材料になります。
不動産を所有する人は毎年納める必要がある地方税です。所有する土地や家屋、売却資産に課税されますので、以下のような計算式になります。
固定資産税:国が定めた固定資産税評価額(課税標準額)×税率(標準税率は1.4%)
都市計画税:固定資産税評価額×税率(標準税率は0.3%)
※都市計画税の有無や税率は各市区町村で異なります。
こうした国や地方公共団体へ納める租税公課(公租公課)は経費計上が可能です。ほかに、アパート経営を始めるにあたって不動産を取得した場合にかかる不動産取得税や契約の際にかかる印紙税なども経費として計上できますが、所得税や住民税はアパート経営の経費としては認められていません。
災害などに備えてアパートにかける火災保険や地震保険、損害保険などの保険料のほか、仲介手数料や賃貸管理会社への管理費、税理士など専門家へ依頼した場合の報酬も経費として計上できます。
アパートの修繕に関わる費用、あるいは給湯器など各居室設備の修理、入れ替えやメンテナンス代金なども経費として計上が可能です。
修繕費として経費計上できるのは、あくまでアパートの維持管理や原状回復のために使用した費用です。経費計上できる金額の目安は、各設備など1部屋あたりの修理や改良にかかった金額が20万円未満、修繕が3年以内に行われることなどが挙げられます。外壁工事など、規模の大きな修繕ではアパートの価値を高める費用とも取られることがあり、修繕費とみなされずに減価償却費として計上する場合があります。
時間が経つにつれて価値が下がっていく固定資産を毎年一定額、一定の割合で費用として計上するのが、減価償却費です。固定資産には国が定めた耐用年数があり、それに応じて資産価値の償却率をもとに算出し毎年経費として計上できます。計算方法には定額法と定率法がありますが、現在、不動産では毎年同額の償却費を計上する定額法で算出します。定額法よる計算方法は以下の通りです。
「かかった費用(取得価格)×耐用年数に応じて定められた償却率」
※耐用年数表と、その表の年数をもとにした償却率表は国税庁のホームページに掲載されています。
経費はアパート経営に関わる支出になりますが、減価償却費は支出を伴わないので節税効果が期待できます。
住宅ローンやアパートローンの元本ではなく、利息については経費として落とすことが可能です。
アパート共用部の水道光熱費、不動産会社とのやり取りで発生する電話代などの通信費、賃貸管理会社との打ち合わせのために移動した電車代・ガソリン代などの交通費、打ち合わせの際の飲食にかかった費用である接待交際費、不動産業界の雑誌や新聞などの購入に要した費用である新聞図書費、アパート経営のために使用した文具代や10万円未満のパソコン購入といった消耗品費も経費として計上できます。
これらの経費は、あくまでアパート経営に直接関係があるという条件がつきます。税務署からの指摘が入ることもありますので、もし指摘を受けた際は、しっかりと使用用途を説明できるようにすることも大切です。
経費計上できる支出とは反対の、「アパート経営に関係のない費用」は認められません。当然ですが、プライベートな支出は経費計上できないということです。
外壁工事など規模が大きく費用のかかるものは、修繕費として経費計上できないことがあります。そうした工事は「資本的支出」と呼ばれ、固定資産同様、減価償却費として計上します。ですので、支出した期には経費とならず、その期の節税の効果は低くなります。修繕費と資本的支出について判断に迷うようであれば税理士などに相談しましょう。
ガソリン代やパソコン、通信費、光熱費などといった、アパート経営、プライベート双方に関わる費用を経費計上する際は判断に迷うことでしょう。このあいまいな部分を解消するのが「家事按分」という方法で、アパート経営とプライベートの利用割合を出す方法です。算出方法はさまざまですが、インターネットの通信費であれば、月換算で計算した場合、業務のために使用した日数を月で割るとその按分比率が出ます。その按分率を月間のインターネット代金にかけることで算出できます。
ただし、家事按分に正解はなく、アパート経営の経費として計上した金額を最終的に税務署がどう判断するかによります。そのため、合理的な説明ができるようにしておくことが重要です。判断が難しい経費に関しては、個人で抱え込まず、まずは税理士などに相談することをおすすめします。
減価償却を除く経費は、アパート経営者から出ていく支出です。節税効果を狙うあまり、経費を無駄遣いしてしまうとかえって支出が増大し、収益が下がってしまいます。それぞれの支出が必要か、経費計上の不可をしっかり見極めることが大切です。
経費を計上するタイミングも重要です。必要経費として計上するには、減価償却を除き、その年に支払いが確定していなければなりません。支払いは翌年でも、すでに着手し、金額もある程度確定しているなら、必要経費として計上することもできます。計上するタイミングを見計らうことで節税ができ、利益につながります。
帳簿付け、領収書の保管など、日々の細々した作業も怠らないようにしましょう。不明点はすぐに税理士などの専門家に相談することをおすすめします。その報酬は経費として計上できますので、このような支出はアパート経営のプラスに働くのではないでしょうか。
【まとめ】
アパート経営において経費計上できるもの、できないものそれぞれを理解したうえで、無駄な出費は極力抑え、節税対策を行いつつ、収益アップを目指しましょう。
そして、経費を計上する際は税務署からの指摘が入る場合もあるので、それぞれの経費をしっかり把握しておくことが肝要です。さまざまな状況を見据えて、あらかじめ税理士に相談しておくことも有効です。