住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
アパート経営の最大の目的は、当然ながら利益を得ること。「利益=売上(家賃収入)-支出(費用)」ですから、利益を拡大するためには、家賃収入を増やすと同時に、アパート経営にかかる費用をいかに抑えるかが重要になります。
それでは、アパート経営にはどのような費用がかかるのでしょうか。大きく「固定費用」と「変動費用」に分けて見ていきましょう。
固定費用とは、毎月定額で生じる費用のこと。アパート経営では、管理を委託している会社への支払いなどが該当し、土地を借りている場合の賃料や、ローンを組んでいる場合の金利や手数料なども含まれます。また、建物や設備など高額な資産の経年劣化分を分割した「減価償却費」も固定費用と見なせます。
固定費用は毎月、必ず生じる費用ですから、うまく節約できた場合のコスト削減効果も大きくなります。
変動費用とは、アパートの運営状況などによって、その都度、金額が変動する支払いのこと。エントランスや廊下、庭など共用部の光熱費や、建物の修繕などにかかる費用、入居者や賃貸管理会社、不動産会社などとの連絡にかかる通信費や交通費などが含まれます。また、入居者募集のための広告宣伝費なども変動費用に当たります。
変動費用は、毎月生じるわけではないので、コスト削減効果は低いと思われがちですが、変動の余地があるからこそ、工夫次第では削減できるコストとも言えます。
アパート経営にかかる費用としては、これらの他にも、各種保険料や税金など、年単位で発生する費用もあります。これらの費用をもれなくチェックし、余計な支払いをしていないか、削減できる費用はないか、こまめに確認することをお勧めします。
アパート経営で利益を大きくするには、空室を減らして家賃収入を増やすとともに、コストを削減する、つまり費用の発生を減らすことが重要です。それでは、どのようにして費用を抑えればよいか、いくつか具体例を挙げて紹介しましょう。
管理委託費とは、賃貸管理会社に管理を委託する際に支出する費用です。家賃収入の5%ほどに設定されるのが一般的ですが、会社によっては8~10%など高めに設定されているケースもあります。
もちろん、金額に見合った質の高いサービスを提供している場合もありますが、サービス内容と金額が見合っていないと思われる場合、賃貸管理会社に値下げ交渉をしたり、他の会社に委託先を変更することで、費用を抑えることができます。一度、ほかの賃貸管理会社と比較してみることをお勧めします。
ただし、値下げは賃貸管理会社にとっては収入減となるため、対応次第では関係悪化につながる可能性もあります。一方的に値下げを要求するのではなく、賃貸管理会社の負担が減るよう不要な管理内容を省くなど、双方が納得できる条件を提示してみるとよいのではないでしょうか。
不動産ローンには「変動金利型」と「固定金利型」があります。変動金利型の場合、金利が下落すると毎月の費用負担が小さくなり、上昇すると大きくなるため、特に長期のローンを組んでいる場合は金利動向を意識すべきです。
ローンの利率は会社や商品によって異なるため、金利が想定よりも高くなった場合は、少しでも金利の低いローンを探して借り換えることが有効です。逆に、低金利が続いている場合、固定金利型だと相場よりも高い金利を払い続けることになるため、変動金利型に乗り換えることを検討してもよいかもしれません。
ただし、ローンの借り換えには一括返済や再契約の手数料などが伴います。金利の変動幅が小さい場合は、かえって損失につながりかねないため、トータルでの支払いをシミュレーションすることが肝心です。
日本はもともと地震や台風の多い「災害大国」であり、昨今の気候変動に伴い、水害などの頻度が増加しています。加えて火事や事故などのリスクもあり、アパート経営に際して損害保険に加入することは必須といえるでしょう。
とはいえ、保険会社に勧められるまま、不必要な保険料を支払っている場合は、契約内容の見直しによって費用を抑えることができます。例えば、火災保険は「特約」を付けることで補償内容を選択することができますが、雪があまり降らない地域なのに積雪の特約、アパートから河川が遠いのに水害の特約を選択しているのであれば、見直しの対象になり得るかもしれません。
もちろん、災害リスクはゼロではないので、「可能性は低くとも万一の際に備えたい」と判断するのであれば、間違いとはいえません。大切なのは、リスクと保険料が適切かどうかを、自身でしっかりと判断することです。
アパート経営において、コストを抑えることは利益の拡大に直結します。しかし、費用を抑えすぎると、時にはアパートの価値を下げてしまう場合があります。
例えば、修繕費を削減するために設備の不調を放置していては、入居者の満足度低下を招きかねません。また、広告宣伝費を削減するために借主募集の告知を減らした結果、空室の状況が続くといった事態も考えものです。
このように、コストが削減できても、アパートの質が落ちて退去、空室が増え、肝心の収入が減少するようでは本末転倒です。逐一、必要か不要なコストかを見極め、アパートの価値を維持・向上させながら、利益率を高めるよう意識しましょう。
アパート経営において、費用は必ずしもマイナスの存在ではありません。納税を考えれば、費用をうまく活用することも視野に入れておきましょう。
税額を計算する基準となるのは、「売上(家賃収入)」ではなく「所得」。「所得=売上-経費(事業を営む上で必要と認められる費用)」なので、売上が同じであれば、経費が多いほど節税できる仕組みとなります。
管理委託費や修繕費、広告宣伝費など、アパート経営に直接関係のある費用であれば、基本的に経費として計上できます。日々の支払いをしっかりと記録し、確定申告などで漏れなく計上することで、節税に役立てましょう。
【まとめ】
アパート経営では、管理委託費や地代などの「固定費用」、光熱費や通信費、修繕費、広告宣伝費などの「変動費用」に加えて、保険料や税金など多くの費用がかかります。得られる利益を大きくするには、費用を削減することが重要になりますが、コスト削減を重視し過ぎてアパートの価値を下げてしまうことは避けましょう。削減できる費用かどうかをしっかりと見極め、適切なコスト削減に努めましょう。