住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
アパート経営には、サラリーマンの副業として多くのメリットがありますが、一方で、どのようなリスクがあるかも把握しておきたいもの。まずはアパート経営のメリット、デメリットについて解説します。
サラリーマンにとって毎月、振り込まれる給与は安定した収入源ですが、現状の給与額で満足している人は意外と少ないのでは? 何かと物価が高くなるなか、子どもの進学費用や親の介護費用、自身の老後資金などに頭を悩ませる一方で、大幅な昇給はなかなか期待しづらいもの。給与以外の収入を求めて副業を検討するサラリーマンが増えるのも、無理からぬことです。副業にもさまざまありますが、アパート経営は入居者から毎月の家賃が得られ、安定した収入源にもなり得ます。
サラリーマンがアパート経営を検討するきっかけとして、よくみられるのが「親族からの相続」です。土地を相続した場合、更地のままだと高額な相続税に加え、毎年の固定資産税などもかかりますが、アパート用地として活用することで課税評価が下がり、税額を低くできます。現金を相続した場合も、土地や建物にすることで税負担を軽減できます。視点を変えれば、アパート経営は子供や孫に資産を残す際の相続税対策にもなるのです。
もちろん、アパート経営による家賃収入にも税金がかかりますが、実際に税額を決めるのは「収入」そのものではなく、収入から必要経費を引いた「所得」。後ほど詳述しますが、毎年の確定申告で必要経費をしっかり計上すれば、帳簿上では所得がマイナスになる場合もあります。このマイナス分を給与収入と相殺(損益通算)することで、トータルの税額を抑えられる可能性もあるのです。
アパート経営を始める際に、建築費用などを銀行からの融資やローンで賄うケースが多いですが、給与という安定収入があるサラリーマンは、こうした審査に通りやすいという利点があります。定年退職してから副業でアパート経営を始めるよりも、サラリーマンの立場を上手に活用して、始めた方が有利だといえるでしょう。
政府が「働き方改革」の一貫として副業・兼業を推奨しているように、サラリーマンが副業を持つことは時代の流れといえますが、まだまだ副業を禁止している会社も少なくありません。その点、アパート経営はアルバイトなどとは異なり、事業的な規模でない限りは副業とはみなされないケースが一般的。不安に思われる方は、勤務先の就業規定を確認してみてはいかがでしょうか。
アパート経営は不動産投資の一種であり、投資である以上はリスクが伴います。具体的には、入居者が見つからない「空室リスク」や、地震や水害などによる「災害リスク」などが挙げられます。
これらのリスクは、事前の市場調査や家賃保証契約、損害保険など、しっかりとした対策によって軽減することが可能です。前述したように、更地のままで土地を所有する場合にも納税額が膨らむリスクがありますので、両者を天秤にかけ、しっかりとしたリスクヘッジを行うことをおすすめします。
アパートさえ建ててしまえば、後は何もしなくとも家賃収入が得られると思われがちですが、実際には入居者の募集や契約手続き、毎月の集金、必要に応じた修繕など、さまざまな管理業務が発生します。また、毎年の確定申告に備えて日々の経費を取りまとめるなど、経理面での負担もかなりのもの。大家業は決して楽ではありません。
とはいえ、後述するように、こうした負担は賃貸管理会社など外部に委託することが可能。信頼できる業者に任せれば、本業への影響なく安定収入を得ることも期待できます。
アパート経営を成功させるには、メリットを最大化し、デメリットを最小化することが重要です。ここからは、そのためのポイントを紹介していきます。
前述したように、アパート経営にはさまざまな管理業務が伴いますが、これらは賃貸管理会社に委託することが可能です。委託可能な範囲は賃貸管理会社によりけりですが、入居者の募集は不動産会社に、清掃業務は清掃代行会社に、経理業務は税理士に任せるなど、各業務それぞれ専門家がいますので、必要に応じて使い分けましょう。
気になる管理手数料は、家賃収入の5~10%が相場といわれています。サラリーマンの場合、建物管理の専門知識が乏しいため、費用を惜しんですべて自分でやろうとすると、かえって建物の寿命を縮めてしまいかねません。日々の業務負担を考えれば、プロに任せた方がむしろお得と考えられるかもしれません。
アパート経営のリスクのなかでも、特に意識したいのが空室リスク。せっかく建てたアパートが空室ばかりでは、期待していた家賃収入が得られず、ローンの負担が増えるだけになりかねません。
空室リスクを下げるには、当たり前ですが、入居者にとって魅力あるアパートにすることが大切。家族向けなのか、単身者向けなのかなど、近隣の人口動態などを踏まえてターゲットを明確にし、そのターゲットに合った内外装や設備、家賃設定などを考慮しましょう。
サラリーマンの場合、アパート経営に熱心になるあまりに、本業に影響を及ぼさないよう心がけたいもの。経営規模が大きくなったり、定年退職を迎えたりする場合は別として、会社勤務とアパート経営を両立したいのであれば、両者をしっかり切り分ける姿勢が大切です。
日常的な業務は賃貸管理会社などに任せて、勤務中は勤務に集中し、アパート経営については勤務後や休日などを利用して検討する。これがサラリーマン大家にとって望ましいワークスタイルと言えるでしょう。
アパート経営で収入を得ている場合、サラリーマンであっても確定申告を行う必要があります。これは所得税などが「総合課税」といって、家賃収入や給与所得などを合わせた総所得をもとに計算されるからです。
サラリーマンの場合、会社が給与額などをもとに計算し、あらかじめ給料から天引きされるため、確定申告といってもよく分からないというのが正直なところでしょう。そこでおさらいすると、確定申告は税額のベースとなる「所得」を明確にするために行うもの。所得とは前述したように、収入から必要経費を引いたもので、アパート経営の経費には、毎月の管理手数料や損害保険料、ローン金利、広告宣伝費はもちろん、アパート経営に伴う通信費や交通費なども含まれます。また、建物自体の価値を耐用年数に応じて「減価償却費」として計上できますので、これらをしっかり理解したうえで、漏らさず計上することが節税の第一歩となります。
確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があり、後者の方が、手間がかかる分だけ節税効果が高くなります。青色申告を行うためには、開業後2カ月以内に「青色申告承認申請」を行う必要があります。また、10戸もしくは5棟以上の事業規模のアパート経営であれば、手伝ってもらった家族に支払う給与を「専従者給与控除」として計上することも可能ですが、同様に「青色事業専従者給与に関する届出」が必要です。
さらに、前述した減価償却費を計上する場合は「減価償却の計算方法の届出」が必要です。これら手続きをしっかりと行い、節税に活用しましょう。
【まとめ】
アパート経営はサラリーマンの副業としていくつものメリットがあります。一方でいくつかのデメリットもありますが、適正な対策を打つことで解消の余地もあります。メリット、デメリットをしっかりと理解したうえで、アパート経営を成功に導けば、サラリーマンの方々の収益向上に役立つことが期待できるでしょう。