住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
ZEHは環境にやさしく、エネルギー消費量を抑えられる住宅として注目されています。また、政府が力を入れて「ZEH」を普及させようとさまざま対策を進めています。
そのため「これから家を建てる際にはZEHにしたい」と考える方も増えてきています。そこで本記事では、ZEHの認証基準について条件や申請方法をわかりやすく解説します。補助金制度についても触れていますので、ZEHを建てるために必要なことを早めにチェックしておきましょう。
※1 掲載内容は本記事公開時時点のものであり、時間経過に伴って状況が異なっている場合があります。(2022年12月現在)
ZEH(ゼッチ)はネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを略した言葉で、年間のエネルギー消費量を実質的にゼロ以下にする住宅を示します。
日々の生活で私たちは家庭でさまざまな家電や設備を使用しており、多くのエネルギーを消費している状態です。例えば、エアコンや照明、換気システムなど住宅全体に関わるものや、掃除機や冷蔵庫などの生活家電を使用するだけでもエネルギーを消費します。エネルギー白書2022によると家庭用エネルギーは日本国内の全エネルギー消費量の約15.8%(2020年度)を占めています。
今日では、地球温暖化対策の一環としても家庭用エネルギー消費量の削減が重視されはじめ、エネルギー消費や創出について改めて各家庭でも対策が求められる時代になりました。
そこで、ZEHが注目されているのです。ZEHは、住宅の断熱性を高め、省エネ設備と太陽光発電などの創エネ設備を導入し、年間のエネルギー収支をゼロ(もしくはマイナス)にすることを目指します。エネルギーを自宅で創出しつつ、日々の消費エネルギーも節約できるため、政府でもZEHの普及を推進しており、補助金制度も導入されました。
まずは、国が目指すZEHの普及目標について詳しく紹介します。
2021年に閣議決定された「エネルギー基本計画」で、政府は以下を目標に定めました。
つまり、「2030年以降はZEHであることが新築住宅の基準」と言える状態にすることを目指しています。政府が、ZEHの普及を本気で進めていることが伝わってくるでしょう。
ZEHには明確な認証基準があり、その要件を満たした住宅だけがZEHとして認定されます。また、ZEHの建築に携わるハウスメーカーや設計事業者も、国から認定を受けた会社のみに限られている状態です。そのため、ZEHを建てられるハウスメーカーに依頼し、すべての基準を満たす住宅を建てることでようやくZEHとして認められます。
ZEHは、エネルギー消費量を抑えられるのが最大の魅力です。
しかし、具体的に見てみると、私たちの生活にもっと多くのメリットをもたらすことがわかります。そこでこの項目では、ZEHのメリットを深掘りしてみましょう。
ZEHを建てることで得られるメリットは、以下のとおりです。
ZEHでは省エネ設備と創エネ設備を同時に設置するため、日々の光熱費を大幅に節約できます。太陽光発電で創出したエネルギーに余裕があるときは、売電して収入にすることも可能です。また、国から認証を受けているZEHは、一般的な住宅よりも資産価値が高く、売却の際にも有利に評価してもらえる場合もあります。
住宅自体の快適性も向上するため、冷暖房の効きも良くなり、夏場や冬場に多いヒートショックのリスクを低減します。
また、地震や台風の多い日本では大規模な停電が起こることも珍しくありません。しかし太陽光発電や蓄電池設備を備えたZEHなら非常時も電気を利用でき、いざというときに助かります。
ZEHとして認証されるには、国が定めた基準を満たす必要があります。
しかし、地域によっては基準をどうしても満たせない場合も考えられます。そこで、ZEHを以下3つの種類に分け、それぞれで認証基準が設けられました。
種類ごとの認証基準や特徴をここでは解説します。
ZEHは、年間のエネルギー収支をゼロまたはマイナスにする住宅で、以下が認証基準です。
UA値は断熱性の高さを示す値で、8つのエリアごとに指定数値が定められています。
地域区分 | UA値 |
旭川・札幌など(1・2地域) | 0.4相当以下 |
盛岡など(3地域) | 0.5相当以下 |
仙台・つくば・東京・鹿児島など (4〜7地域) | 0.6相当以下 |
那覇など(8地域) | 指定なし |
また、エネルギー消費量の計算対象は冷暖房・換気・給湯・照明となっており、電子レンジなどの生活家電使用分は含まれません。
Nearly ZEH(ニアリー・ゼッチ)は、ZEH基準には満たないものの、大幅な省エネを成功させている住宅を指します。
具体的な基準は以下です。
ZEHとの違いは、エネルギー収支が100%にギリギリ届かないレベルである点のみで、ほかはZEHと同じように対策します。
ZEH Oriented(ゼッチ・オリエンテッド)は、都市部の狭小地など基準を満たすのが難しい環境下で建てられる住宅です。
そのため、ほかの2種類よりも少ない項目で認証されます。
ZEHやNearly ZEHで必要な「再生可能エネルギー」は不要です。必要な設備を導入して、省エネを20%実現できれば認められます。
ただし、狭小地の条件として以下を満たすことが必要です。
ZEHの建築を進めるうえで積極的に活用したいのが「補助金」です。
ZEH・Nearly ZEH・ZEH Oriented、いずれの場合でも1戸につき定額55万円の支援が受けられます。さらに、蓄電池設備を導入した場合は、1kwhにつき2万円(※)の追加補助を受けることも可能です。
※ただし、上限20万円かつ補助対象経費の3分の1以内
ZEHよりも高水準な住宅である「ZEH+」や「次世代ZEH+」なら定額100万円、「LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅」なら上限140万円とさらに多くの補助金が受けられます。
補助金を申請するためには、国が認証した「ZEHビルダー」に依頼する必要があります。
ZEHビルダーは、2020年までにZEH化率を50%以上にすると公表したメーカーや工務店が認定されており、SII(環境共創イニシアチブ)のホームページにて検索可能です。ページ内では、2020年以降の実績や目標の数値も掲載されているため、客観的な目線で評価をチェックできるでしょう。
詳細はSIIのホームページをご参照ください。(2022年12月時点)
ZEHは今後、新築住宅の常識になるかもしれません。補助金制度を活用すれば、初期費用も抑えられるでしょう。
しかし、ZEHで建てるには認証を受けた住宅会社に依頼する必要があるため、地域によっては、ZEHに対応できる住宅会社が見つからないケースも考えられます。そのため、ZEHを検討する際には依頼先の見極めや入念なリサーチが欠かせません。
パナソニック ホームズは、補助金制度の利用対象となる「ZEHビルダー」として認証されています。また、省エネ・創エネ対策はもちろん、環境にも配慮した住宅建築の実績が豊富です。
※1 ZEH補助金についてはZEH支援事業公募情報ホームページを参照ください。(2022年12月時点)