住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
神奈川県の経済を支える横浜市と川崎市。神奈川県での土地活用を考えるうえで、まずはそれぞれの人口動態や交通利便、再開発予定や独自の取り組みなどの最新事情をチェックしてみましょう。
2020年の国勢調査では、横浜市は全国20カ所の政令指定都市のなかの人口ランキングで第1位。市が発表する総人口は2022年7月1日時点で377万3,673人ですが、前年同期と比べると約5,000人の減少となっています。同市は2022年1月時点で「コロナ禍の移動制限など一時的な要因はあるものの、横浜市でも人口減少問題に直面し始めている」と分析しています。
一方、海とのどかな自然、都市機能が共存する横浜は、住みたい街を調査するランキングでも上位の常連。今後は、みなとみらい地区のさらなる発展とともに、国際化への対応や駅の魅力向上、環境問題への取り組みを進める「エキサイトよこはま22」構想による横浜駅周辺の再開発も含めて、いま以上に都市力が高まると予想されます。
交通利便性も年々高まっています。横浜駅はJR・私鉄・地下鉄など主要な鉄道が乗り入れるターミナル駅のため、交通の便に問題はないでしょう。また、2019年開業の「相鉄・JR直通線」に加え、「相鉄・東急直通線」も2023年3月に開業を控えており、横浜西部から都心へのアクセスが飛躍的に向上することで、新たな賃貸市場の誕生が期待されています。
川崎市の魅力は、何といってもその住みやすさでしょう。都会すぎず田舎すぎず、都心へも横浜へも行きやすく、武蔵小杉駅や川崎駅は商業施設が豊富で買い物も便利です。
人口動態を見てみると、2017年に総人口が150万人を突破し、現在は政令指定都市の中で6番目に人口が多い都市となっています(令和2年の国勢調査より)。2022年7月1日時点では154万2,044人で、前年同期と比べると1,091人の微増。今後の人口動態は注視が必要なものの、川崎市は大都市のなかでも平均年齢が若いという特長があり、活気ある都市として注目されています。
その背景にあるのが、「成長と成熟の調和による持続可能な最幸(さいこう)のまち かわさき」を基本構想に推進されている「川崎市総合計画」です。中長期的に人と街の幸せを実現していく施策の中には、数々の子育て支援や小児医療費助成制度なども組み込まれ、“子育てしやすい街”として若いファミリーからの人気も高まっています。
このように、横浜市と川崎市はともに独自の生活文化を育みながら進化を遂げ、今後ますます「住みたい街」「住みやすい街」としての存在感を増していくと考えられます。そして両市に共通するのが、「都内」と「横浜」2つの主要エリアに通いやすく、通勤通学にも便利なこと。また、市内の大学に通う学生も多く居住していることです。
土地活用では、単身・ファミリータイプ両方の住宅需要が十分に見込まれるため、アパート・マンション、戸建賃貸などの賃貸住宅経営はやはり魅力的な方法と言えます。ただし、前述のように少子化問題もあり、単にアパートやマンションを建てるだけでは十分とは言えません。綿密な市場調査と情報収集に基づくプランニングにより、「選ばれる賃貸住宅」を計画することが肝要です。
ここでは、横浜市・川崎市の特徴を踏まえたうえで、賢く収益を上げるための賃貸住宅経営の方法を立地別に解説します。
通勤通学者の多い横浜・川崎エリアでは、駅近の狭小地であっても賃貸住宅は可能です。その場合ターゲットは自ずと学生など単身者向けのコンパクトな賃貸住宅になります。学生を含む若い世代を入居者ターゲットにした場合は、無料Wi-Fi、エアコン、オートロック、宅配ロッカーなどの設備を完備しておくことも大切です。
近年は共働き世帯が多くなり、カップルやファミリーにとっても駅近の住宅はニーズがあります。駅前に単身者向けの住宅が多い場合は、あえてファミリー向けの賃貸住宅を建設することで希少価値が生まれ、さらに生活の効率化を図れるIoT仕様にすることで付加価値も高まります。また、リモートワークに対応にしたブースや間取りプランを求めるニーズも高まっています。
「単身のビジネスワーカーが暮らしやすい住まい」をテーマに、周辺の住宅よりも少し広めの1DKなどの間取りにして、急速に浸透しているテレワーク対応のワークスペースを確保。また、スーパーなどの商業施設が近くにない場合は、1階にコンビニエンスストアなどを誘致することで利便性も高まり、競合との差別化にもつながります。
・子育てファミリー向け戸建賃貸住宅
賃貸派のなかでもファミリー層を中心に「広い一戸建てに住みたい」という潜在ニーズは高いと言われていますが、賃貸市場において供給数はわずかしかないのが現状です。まずは周辺住民の勤務地や属性、競合の有無など市場調査からはじめ、希少性を高めるプランを検討してみる案もあります。
「休日はこだわりの趣味に没頭して過ごしたい」というビジネスパーソンに愛されているのが、大型ガレージと住居スペースが一体化した「ガレージ付き賃貸住宅」。横浜市も川崎市も駅から少し離れると自然豊かなエリアや、農地が広がるエリアも多く、広い土地を活用して車やDIYなど、趣味も生活の一部とするガレージ付き賃貸住宅のニーズが幅広く浸透していく可能性があります。
テレワークが浸透するなかで、駅から遠くてもリモートワーク環境を整えやすい戸建賃貸を選ぶ人が増加傾向にあります。また、横浜市・川崎市には首都高速や東名高速、第三京浜のインターチェンジも近く車通勤にも便利なため、「戸建賃貸」の供給が増える可能性もあります。今後は環境に配慮したEV車が増加すると考えられますので、EV用充電設備を整える、後付けできるようにしておく、など対策をしておきましょう。
多摩川に沿って広がる川崎市の魅力は、都市部において貴重な水辺空間と大きな空を堪能できること。徒歩圏に多摩川や緑地公園がある場合は、眺望が広がる屋上を多用途型のテラスとする、内装材を含めてペット対応型賃貸にしておくなど、周辺環境を存分に活かせるプランを考えましょう。
「賃貸経営をするには狭すぎる土地」や「初期費用をできるだけ抑えたい」ときは、周辺で生活する方をサポートする土地活用法を考えるのもひとつの手です。
主な例として、コインランドリーと駐車場経営があげられます。
コインランドリーは、利用者が自宅から洗濯物を持ってくる必要があるため「立地」が重要。住宅街の中心にある、または待ち時間を有効活用できるような施設が近隣にあるかなど、まずは周辺環境と住民の動線をよく分析するのがおすすめ。約10坪のスペースがあれば実現可能なので、所有する不動産ビルの1階部分をコンバージョンするのも一案です。規模にもよりますが、オーナー様ご自身で経営することも可能です。
土地の運用法が定まらないときは、コインパーキングなど駐車場にしておき、収益を得ながら次の展開を考えるのもひとつの方法。狭小地や変形地であっても車やバイクを数台駐車できるスペースが確保できれば実現可能です。賃貸住宅と比べて収益性は低くなりますが、初期費用を抑えられるため手軽に始められ、管理を専門業者に任せることで手間も省けます。月極駐車場とコインパーキングに加え、今後は若者の車離れが進んでいくと言われていることから、「駐車場シェアリングサービス」も視野に入れておくと、より周辺ニーズに合った土地活用が可能になります。
【まとめ】
横浜市と川崎市の土地活用方法について、地域の魅力を踏まえた活用事例とノウハウを紹介してきました。少子化が今後どの程度進むかは動向を見守るしかありませんが、賃貸経営においてはすでに、オーナー様自らが情報収集に努め、クリエイティブな発想にもとづく堅実な経営が必要な時代に突入しています。賃貸住宅の差別化を考えるというのは、「その街を愛する人々のより幸せな暮らしを考えること」につながっています。お持ちの土地を活用することでより良い街づくりの一助となるなら、申し分ない土地活用術なのではないでしょうか。