住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
まず福岡市の基本情報を確認しましょう。
福岡市の人口は1,632,418人(令和5年2月現在)。これは東京23区を除く全国の市町村の中で、横浜市、大阪市、名古屋市、札幌市に次ぐ5番目の多さで、近年は人口増加傾向にあります。令和2年に行われた国勢調査では、「人口増加数が多い都市」、「人口増加率が高い都市」どちらも政令指定都市の中で第1位となりました。
人口増加の特徴は、自然増減(出生・死亡の差)、社会増減(転入・転出の差)とも増加傾向にあることです。特に社会増減が増えているのが顕著で、転入者が多い人気のエリアと言えるでしょう。また、特筆すべきは、若者が集まる街であるということ。「15~19歳」「20~24歳」の年齢帯で転入超過となっています。さらに令和2年の国勢調査では、人口全体に対する若者率(15~29歳)は17.6%と、21大都市の中で第1位です。
さらに注目すべきは、平成26年に国家戦略特別区「福岡市グローバル創業・雇用創出特区」の指定を受けてスタートした都市再開発です。これは、都市の機能性を高めるだけでなく、新たな空間や雇用を生み出すことを目的とした、一大ビッグプロジェクト。
中央区天神エリアで進行中の「天神ビッグバン」では、更新期を迎えたビルの耐震性・先進性の高いビルへの建て替えが次々と行われています。当初は令和6年までに約30棟の建て替えを予定していましたが、令和4年5月時点ですでに50棟の建て替えが完了。今後も多くの建て替えが予定されています。
また令和元年から博多駅周辺を中心に開発がスタートした「博多コネクティッド」では、建て替えのほか地下鉄の延伸計画、駅前の再整備なども進行中で、景観も一変してしまうような新たな街が生まれつつあります。
このように躍動的に成長していく街には、人も集まります。若者を中心に転入超過であり、実際、前述したプロジェクトによって大きな雇用も生まれています。加えて「福岡市スタートアップカフェ」「スタートアップ人材マッチングセンター」など、起業を志す人をサポートするプロジェクトも、福岡市と地元企業が一丸となって進められています。
その成果は、福岡市が発表した、21大都市中 開業率4年連続第1位(令和3年現在)という結果に表れています。
官民一体となって進められている未来の街づくり。つまり福岡市には大きなチャンスがあるということです。
福岡市には、「東区」「博多区」「中央区」「南区」「城南区」「早良区」「西区」の7つの区があります。
エリアによって街の雰囲気や様子も変わるため、それぞれの特性を押さえてどのような土地活用ができるか検討してみましょう。
博多駅、福岡空港、博多港があり、陸、空、海の玄関口でもある「博多区」。また娯楽施設や商業施設が集まる「中央区」。どちらも福岡市の主要なオフィス街であり、屋台街で知られるように旅行客にも人気の繁華街です。都市再開発「天神ビッグバン」「博多コネクティッド」が進められている地区でもあり、今後もさらに人の動きが活発になることが予想されます。
成長著しい地区なので、オフィスビルや貸店舗といった土地活用が考えられます。実際、福岡市のオフィス市場では、令和3年には過去最高水準となる3万坪を超える新規供給があったと言われています。賃貸住宅や駐車場経営などに比べて収益性が高いので、立地など条件がそろうのであれば検討してもいいでしょう。
デメリットとしては、建物の規模によっては建築費用が膨大になること、立地条件や景気に左右されやすいということです。ただし、快適な居住性などが求められる住居用の建物より、シンプルな構造のオフィスビルや貸店舗用の建物の方が建築費用を抑えられる場合もあります。
注意点としては、供給過剰になりつつあるということです。オフィスビルや貸店舗のニーズ向上は予想されるものの、それがゆえに競合も多くなる可能性も高いです。また、テレワーク普及の影響も考えられます。今後の動向に注意しましょう。
アジアの玄関口としても知られている福岡市では、ホテル経営という選択肢もあります。コロナ禍以前、平成30年の訪日外国人旅行者数は約3,119万人で、そのうち福岡市の外国人入国者数は約309.4万人。約10%の外国人旅行者が福岡市を訪れていました。
コロナ禍以降の旅行需要も回復に向かっており、福岡空港のリニューアルも相まって、今後、外国人旅行客による経済活性化も期待されています。こうした旅行客を見込んだ宿泊施設の需要も高いと言えるでしょう。
ただし、博多区と中央区だけでも、さまざまなホテルがオープンしており、今後も更なるホテルが開業予定です。大手ホテルチェーンの参入も予定されているので、差別化に向けたアイデアが求められるかもしれません。
人の動きが活発な街なので、アパート経営という選択肢も十分考えられます。
福岡市は若者の比率が高く、世帯割合でも単独世帯が圧倒的です。そのため、単身者向けのアパート需要が高いと言えるでしょう。加えて、福岡市は人口当たりの学校数(大学・短大・高専・専修学校など)が、政令指定都市の中でも特に多く、雇用創出による若者の流入だけでなく、多くの学生たちが集まる街でもあります。
「東区」には九州大学、九州産業大学、福岡女子大学など8校が集まり、「城南区」には福岡大学があるなど、学生街としての賑わいを見せています。
そのほか「西区」「南区」「早良区」は、自然も豊かで落ち着いた住宅地が広がるエリア。特に「西区」は人口増加の著しい新興住宅地があり、ファミリー層にも注目されています。
アパート経営のターゲットは単身者か、ファミリー層か?エリアごとの特性を見極めて、専門家のアドバイスも参考にしつつ、プランを検討しみましょう。
前述した通り、「博多区」「中央区」はビジネス街であり、繁華街であるので、「住む」より「働く」街というイメージが強いエリア、「城南区」はマンモス大学・九州大学のある学生街です。
令和元年に福岡市が発表した行政区分では、1世帯当たり人員数(一般世帯人数÷一般世帯数)が、ほかの地区では2人以上であるのに対し、「博多区」「中央区」はどちらも1.6人。やはりこのエリアのターゲットは、単身者になるのではないでしょうか。「城南区」は1.97人なので、単身者/ファミリー層どちらも考えられるかもしれません。
ではファミリー層に向くのはどのエリアでしょうか。
保育施設を見てみると、認可保育所(公立保育所、私立保育所)の数が50以上の区は、「東区」と「西区」、次いで「南区」が49施設。行政区分で1世帯当たり人員数が一番多いのが2.3人の「西区」、次いで2.2人の「早良区」です(※各出張所を除く)。また、親子が無料で利用できる「子どもプラザ」は全7区にありますが、特に「西区」と「東区」には3施設と多くあります。
このような状況から、ファミリー層をターゲットにするなら、「東区」「西区」「早良区」、そして「南区」と考えることができます。
福岡市は単独世帯が占める割合が大きいと言えるので、やはり単身者向けの賃貸住宅がどのエリアにも多いのが現状です。ただし、認可保育所以外の地域型保育施設(家庭的保育、小規模保育、居宅訪問型保育など)も含めると、保育施設は「博多区」で約70、「中央区」でも約60(一番多いのが「東区」約90、次いで「南区」の約80)。そのため、博多区や中央区でも、必ずしも単身者のみがターゲットという訳ではないかもしれません。
大切なのは、いかに差別化を図るかということ。街の将来性を見据え、専門家とよく相談しながら思い切った戦略も検討する余地があるのではないでしょうか。
【まとめ】
成長を続ける福岡市は人気のあるエリアだけに、多くの競合も存在するでしょう。しかし言い換えれば、それだけチャンスがあるということ。だからこそ、多くのライバルが集まっているとも考えられます。
まずは7区の地域特性と周辺状況、未来図を見極め、明確なターゲットとライバルとの差別化、付加価値など、しっかりした戦略を立てることが必要です。