住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
1年中、雨風や紫外線にさらされている建物の外壁や屋根。経年に伴い、色あせたり、苔
やカビ、ひび割れなどが発生してしまうことも。建物の見た目にも影響が出てしまいますので、入居者に選ばれにくくなる可能性が考えられます。そうならないためには、適切なタイミングで外壁塗装を行うことが必要と言えるでしょう。
生活空間を守るためにある外壁。遮熱や防寒、防水、防風などがその主な役割と言えるでしょう。もしも外壁に亀裂などが入ってしまった場合、そこから水が入り、建物内部にカビや腐食が起きてしまう可能性があります。そうなると、建物の劣化がさらに早まる恐れも。外部からの雨風の侵入を防ぎ、経年劣化を少しでも遅らせるために必要なのが、外壁塗装です。構造面だけではなく建物の美しさも維持できるため、入居者に選ばれ、理想的な賃貸住宅経営につながります。
外壁材には木材やモルタル、金属系、樹脂系など、さまざまな素材があります。しかし、その素材がそのまま外壁材になっているわけではありません。素材に合う塗料が塗られ、あるいはコーティングされたうえで使用されるのが外壁材です。この塗料の効力低下によって引き起こるのが、色あせやカビとも言われています。一般的な塗り替えの目安は10年~15年。ただし、環境や立地によって劣化が早まることもあります。では、外壁の塗装をすべき時期を見極めるにはどうしたらよいでしょう。その見極めポイントはいくつかあります。
・ひび割れ(クラック/とくに0.3mm以上)
・色あせ
・塗膜のはがれ
・チョーキング(外壁を触ると手に粉のようなものが付いてしまう状態)
・さび(金属系の外壁)
・カビや苔の発生
以上のような現象があれば外壁塗装を検討しましょう。年数だけで判断するのではなく、実際の建物の症状をしっかり確認することが大切です。
2階建アパートの外壁塗装工事の費用は200万円とも500万円とも言われます。工事費用は、基本的に塗装する範囲によって変わるため、広ければその分費用はかさみます。この他、費用の差を生むものが塗料です。塗料にはウレタンやシリコン、フッ素などいくつか種類があり、その違いは耐久性にあります。建物の外壁材にどのような塗料が合うか、耐久年数や費用を鑑みて検討する必要があります。
2階建アパートであれば、工事期間は概ね3週間前後と言われています。その間、どのような工事が行われているのでしょうか。一般的な外壁塗装で行う作業工程を紹介します。金額の差は材料と手間の違いによりますので、作業内容を把握しておくと見積りの際のヒントになるかもしれません。
作業工程
①足場工事
鉄パイプなどで建物の周囲に足場を作り、シートなどで覆います。
②洗浄作業
補修すべき箇所などを確認後、高圧洗浄機などを使用し、外壁の汚れを落とします。
③外壁塗装工事
養生し、目地やひび割れなどの補修後、外壁塗装を行います。塗装は下塗り、中塗り、上塗りの3回が基本ですが、外壁材によって2度塗りになる場合も。
④付帯塗装工事
外壁以外の箇所を塗装。主に雨戸、雨樋、水切り、破風板など、外壁に付属する箇所を塗装します。
⑤撤去
廃材処分や足場解体を行います。
作業内容は足場工事、外壁塗装工事、付帯塗装工事、洗浄作業や廃材処分などのその他工事に分類できます。見積書では、これらの作業費の他に、管理費や交通費などの諸経費が追加されることが一般的です。費用内訳の割合は、一般的に足場代15~20%、塗料代(材料費)15~20%、作業費(人件費)20~30%、諸経費20~30%と言われています。
建物外観をメンテナンスするには、外壁塗装以外に外壁の張り替えも一案です。最近では、60年の耐久性があるタイルなどが新築アパートの外壁に使用されることも多くなってきました。外壁塗装費用と比較し、外壁の張り替えを考えてみてもよいかもしれません。
ただしタイル外壁への張り替えは、現在のアパートがその荷重に耐えられるか確認する必要がありますので、見積依頼とともにハウスメーカーなどに相談してみましょう。
外壁塗装の費用は高額です。少しでも安くしたいと考えてしまいがちですが、必要箇所の補修を省いたり、材料費を安価にしすぎて耐久性などを欠いてしまっては意味がありません。その判断材料となる見積書は重要です。作業内容を頭に浮かべつつ、必要項目を取捨選択するとよいでしょう。
見積依頼は、複数会社への相見積りが必須。そして、詳細がわかる見積書、その見積書と一緒にアパートの現在の状況や補修部分を提示してもらえると安心です。見積書・具体的な補修部分をもとに話し合いながら工事内容を決めるようにしましょう。また、地域によっては外壁塗装の助成金や補助金を申請できる場合もあります。オーナーさまご自身で地域の行政に問い合わせることも可能ですが、見積り依頼と一緒に補助金・助成金についても確認してもらうのもよいかもしれません。
外壁塗装を行う場合、どうしても騒音や塗料のにおいなどが発生してしまうため、事前に近隣へのあいさつと入居者へのアナウンスは必須です。あいさつは業者や不動産管理会社が行うことが多いですが、時間的に余裕があればオーナーさまも一緒にあいさつに行くと、より誠意を表せるかもしれません。
特に入居者に対して説明し理解を得なければならないのが、日常生活で不便をかけてしまうことです。工期は約3週間前後、その間、建物は目隠しされた状態です。外壁塗装は窓のすぐ外で工事員が作業を行うため、カーテンを開けたり外に洗濯物を干すことなど、毎日の生活に制限が生まれてしまいます。そのため、入居者への説明は必ず行いましょう。
また、エアコンの室外機をふさぐ形になってしまうこともあるため、夏や冬より春や秋の気候の穏やかな時期に行うようにするとよいとも言われています。
【まとめ】
アパートの美観を維持しつつ、経年劣化を遅らせるために欠かせない外壁塗装。10年、15年に一度と言われますが、チョーキングやひび割れ、カビなどを実際に見て触って確認できたら、年数に関わらず、早急に対処できると理想的です。見た目もグレードアップし、入居率アップにもつながる可能性がある外壁塗装ですが、その費用は高額。オーナーさまご自身が塗装内容を把握したうえで、相見積りを依頼して業者選びをする必要があります。加えて、近隣の方、入居者へのあいさつや気遣いは忘れないようにしましょう。