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リタイアしてもアパートローンは借りられる?老後のアパート経営のメリットとデメリット

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【目次】

リタイア後も条件をクリアすればアパートローンは借りられる

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アパートの建築や購入の際に利用できるローンは、事業系ローンである「アパートローン」です。「アパートローン」は、個人住宅用の「住宅ローン」と比べ、賃貸事業計画書やアパートの担保価値・収益性なども審査されるなど、契約時の審査項目が多いのが特徴。そのため、事業計画書の精度により、ローンの借入額、返済期間などの条件がオーナーさまと各金融機関で折り合わない可能性もあります。
アパートの賃貸経営は「事業」ですので、現実的な事業計画書による収益力、担保となる土地や建物の価値が重要視されます。そのためアパート経営に向けた融資の場合、契約者の就職状況を問わず一定の収入があるとみなされ、契約に年齢制限はありません。ただし、契約者にもしもの場合があった時の「事業承継者」を明確にしておく必要があります。前述したように、アパートローンは「個人」ではなく「事業」に対する貸付、という側面が強いです。そのため、契約者が変わっても事業継承するという相続計画も加味して、事業承継者を選定しておきましょう。

ただし、アパートローンと同時に契約することが多い「団体信用生命保険(団信)」は加入の年齢制限があります。もしもの場合に備え団信への契約も検討したい場合は、年齢も考慮した早めのプランニングが必要です。

リタイア後にアパート経営をするメリット

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第一の理由は、なによりも安定した収入源になり得る可能性が高いことでしょう。
しっかり計画を立てて理想的なアパート経営を継続することで、年金以外の収入源になってくれる期待も高まります。
仮にまとまった退職金がある場合は、アパートの新築費用の一助に充てることも良いかもしれません。借入金を抑えることができるため、返済期間を短縮できる可能性もあります。

第二の理由は、相続税対策としても有効だからです。
相続税は、資産の評価額に応じた税率が課せられます。現金であれば額面通りの評価額になりますが、アパートなどの建物は、経年とともに評価額が低くなります。
また、アパートが建てられている土地は、「小規模宅地等の減額の特例」を受けることもできます。あわせて土地の資産価値を計算する際には、「路線価評価額」に「借家権割合」や「賃貸割合」などを適用して計算するため、土地を相続するよりもアパートを建築しているほうが評価額を抑えることができます。
上記の理由から、現金や更地よりもアパートを建築して相続することが、相続税対策に有効となります。

また、アパートローン契約時の年齢や毎月の返済金額に問題ない場合は、前述した団体信用生命保険(団信)に加入しておくという選択肢もあります。契約者の死亡時に残債が免除される上、アパートもそのまま法定相続人が相続することが可能です。
「家族の負担にならない資産を残す」という視点から考えても、リタイア後に始めるアパート経営のメリットは大きいのではないでしょうか。

リタイア後にアパート経営をするデメリット

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メリットもあれば、もちろんデメリットもあります。

リタイア後にアパート経営を始めるなら、加齢による健康上のリスクには注意したいところ。アパート管理業務は、賃貸借契約や家賃の回収、入居者トラブルの対応から共用部の清掃、中長期的な建物のメンテナンスなど多岐にわたるため、管理業務を行う体力がいつまで続くかも大きな問題となります。賃貸管理会社に業務を委託した場合でも、オーナーさまの管理業務がゼロになる訳ではありません。ほかにも税理士とのやり取りなど、金銭面の管理も発生するでしょう。
万が一のことも考え、管理業務を任せられる家族や賃貸管理会社を選定し、委託できるよう準備をしておくのが安心です。ひとりですべてを決定するのではなく、次世代へ継がせる流れを作っておくことも必要になるのではないでしょうか。

また、家賃という所得を得るので、当然必要になるのが毎年の確定申告です。
確定申告には白色申告/青色申告という2種類があり、納税額をできるだけ抑えるなら青色申告を行うことをおすすめします。ただし青色申告を行うためには開業届の提出、毎月の詳細な出納帳の作成なども必要になります。不動産所得の場合は事業的規模かどうかで経費の範囲が変わるなど、出費の整理や計算も煩雑になりがちです。
そのため、将来の相続も見据えているのなら、やはり適切なアドバイスをもらえる税理士などに依頼するのが安心。出費はできるだけ抑えたいと考えてしまいがちですが、長期的な視野で考えれば最初からプロに依頼したほうがよい場合もあります。ハウスメーカーなどに相談し、信頼できる税理士を紹介してもらうのもよいでしょう。

アパートローン契約時に連帯保証人を立てた場合は、必ず物件の相続についても明確にしておくことが肝要です。
連帯保証人の責任は、アパートローン契約者と同等。契約者本人が亡くなった場合、連帯保証人は負債を放棄することはできません。せっかく相続税対策としてアパート経営を始めたとしても、必要以上に大きな負債を残し、連帯保証人の生活にも影響が出てしまったら、資産が「負動産」となってしまう可能性もあります。
アパートローン契約時に綿密な事業計画書を提出していても、突発的な大規模修繕が発生してしまう、空室が続いてしまい、家賃収入が減ってしまうなどの可能性がないとは言い切れません。連帯保証人を立てる場合は、きちんと説明して理解を得て、借主と連帯保証人の両者で慎重に検討しましょう。負債だけが継承されるのではなく、経営するアパートもプラスの財産となるような事業にすることが大切です。


【まとめ】

リタイア後にアパート経営を始める最大のメリットは、年金以外にも安定した収入を得られる可能性があることです。あわせて、相続税対策ができることも大きなポイントと言えるでしょう。
ただしリタイア後、すぐに相続が発生するわけではありません。まずはアパート経営を軌道にのせることが大切。土地や建物と一緒に安定した事業も継承できるよう、最初から欲張りすぎず、信頼できる専門家と綿密な長期的プランを立てるようにしましょう。

【記事監修】

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監修:曽根 恵子

株式会社夢相続 代表取締役
公認 不動産コンサルティングマスター相続対策専門士

不動産に関するプロフェッショナルとして、宅地建物取引士資格登録者/不動産鑑定士登録者/一級建築士登録者の国家資格登録者のみが受験し、5年以上の実務経験を必要とする国土交通大臣認定資格「公認 不動産コンサルティングマスター」の資格を持つ。
土地活用術などを駆使したさまざまな「相続プラン」を提案し、相続コーディネートをする株式会社夢相続を運営。書籍(著書・監修)75冊/累計67万部出版。テレビ・ラジオ出演、新聞・雑誌などのマスコミ取材も多数。
【代表的な書籍】

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「相続になっても困らない 地主・農家さんのための“負”動産対策」
(クロスメディア・パブリッシング)

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