住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
「土地信託」とは、信託会社などの不動産の専門家に自分が所有している土地を託して運用してもらい、得た収益から信託配当金を受け取ることです。投資信託の不動産版とイメージすると、わかりやすいでしょう。信託方法は「賃貸型」と「処分型」の2種類ありますが、「処分
型」は土地の売却を前提とする方法なので、ここでは「賃貸型」を前提に解説します。
土地信託のプランでは、アパートやマンション経営を行うのが一般的です。主な仕組みは次の通りで、一般的に土地信託の信託期間は10~30年程度と言われています。
1)信託会社と土地活用を任せる契約を結び、土地の所有権を一時的に移行
2)信託会社は、契約期間中に事業計画の立案から運用、管理など土地活用を遂行
3)土地所有者は信託受益権を有し、土地活用で得た利益の中から信託配当金を受け取る
4)契約期間満了後は、土地が所有者のもとに返還される(双方の合意があれば、契約を延長することも可能)
※もし契約期間中に相続が発生した場合は、相続人は土地の所有権ではなく信託受益権を相続する(信託受益権の相続は土地の相続と比べると手続きが簡便で、相続税を節税できるケースもある)。
プロに土地活用を託す土地信託であれば、プランの立案段階から専門家に任せられるので、土地活用の知識や経験がないオーナーさまでも始めやすいと言えるでしょう。利用価値のある土地を所有しながらも、具体的な運用方法がわからなかったり、自分で土地を活用する時間やノウハウのないオーナーさまにとっては魅力的な選択肢になるのではないでしょうか。
また、土地信託は新築物件に限らず、すでに建築済みのアパートやマンションも対象になります。そのため、これまでオーナーさまがご自身で管理手続き(入退去の契約やリフォーム工事可否の判断や連絡)などを行っていた場合でも、土地信託を行えばさまざまな管理業務を信託会社に任せることもできます。
「家族信託」は、家族や信頼できる第三者に自分の財産を管理する権限を委託して、自分の代わりに管理や運用などをしてもらうことです。家庭裁判所が後見人(家族以外の第三者が一般的)を選任する成年後見制度と違い、家族間だけで財産を管理できます。
高齢や病気によるリスクとして懸念されることのひとつが、認知症による資産凍結です。認知症になると意思判断能力が低下しているとみなされ、本人の財産を守るために全ての金融資産が凍結されます。資産凍結後は、たとえ家族であっても、預金の引き出しや、株式・投資信託の売買、土地やアパートの運用や売買など、金融に関わる取引ができなくなります。たとえば、すでにアパート経営を行っている場合でも、本人の資産を使用して老朽化した不動産の大規模修繕などができないなどの不具合が生じるのです。
こうした資産凍結の不具合を防ぐことを目的とした、信託法に基づく法的制度が家族信託です。
本人(委託者)が財産の管理を任せたい人(受託者)を指名して、管理権限を委託し、受託者は、委託者の意思に沿って財産の管理や運用をすることになります。
高齢になって健康に不安を感じ始めている人や、所有する土地を将来的に売却することを考えている人などは、検討する価値がある制度のひとつでしょう。相続に関する話は、家族だけでは感情的になってしまう可能性もあるので、第三者の専門家の手を借りた方が、冷静な取り決めができるとも言われています。契約という形で、誰に財産管理を任せたいのか自分の意思を明確にしておけば、資産凍結や相続トラブルなどの不都合な事態を避けやすくなるというメリットもあります。
なお、家族信託を始めるには、公正証書として信託契約書を作成することが必要です。税理士や司法書士などの専門家に相談する他、信託銀行が相談窓口になってくれるケースもあります。
アパートやマンション経営などの土地活用には検討から実行までに多くの時間と労力がかかり、利益を求める場合は、不動産に関する知識やノウハウを習得する必要もあります。不動産を複数保有しているオーナーさまであれば、管理に時間が取られてしまうケースもあるでしょう。
そんな場合に土地信託を利用すれば、土地を有効活用できるプランを第三者が考えて代行してくれるので、賃貸管理会社とのやり取りの手間や面倒がなくなります。オーナーさまも自由になる時間が生まれ、心理的な負担も軽減されるため、人生が豊かになるとも言えます。大切な財産である土地を手放すわけではないので、信託契約終了後は自分の元に資産(土地)が戻ってくる点も安心です。
ただし土地運用を任せても、ローンの返済や必要経費、税金などの金銭的負担は必要です。また、土地信託で得られた収益から、信託会社に報酬を支払う(一般的に収益の5~20%程度)必要があるので、土地信託を依頼したからと言って支出がゼロになる訳ではありません。
また、メリットもあればデメリットもあります。
一般的に土地信託は手間がかからない分、オーナーさまがご自身で土地活用をされた場合より利益が少なくなる傾向にあります。加えて、どんな土地でも信託できる訳ではありません。利益が見込みにくい土地と判断された場合は、土地信託ができない場合もあります。
運用を委託するとはいえ、一定の配当が確約されているものではありません。他にも、空室状態が続いていたり、ローン返済や税金などの必要経費が信託配当金よりも高くなってしまった場合、赤字分はオーナーさま(所有者側)の負担となります。アパート経営を行っている場合の不動産所得で生じた赤字はその他所得と通算することなどができますが、土地信託で生じた赤字の場合は不可です。
信託するメリットとデメリットを両方とも理解した上で、信託会社や信託銀行の実績を冷静に見極めることが大切です。ご自身で土地活用を行った場合に発生する手間や見込める利益とも比較し、ベストな活用方法を見つけ出せるようにしましょう。
【まとめ】
自分の大切な資産を安心して次世代に引き継ぐために、土地信託や家族信託を考えるなら、強い味方になってもらえる専門家に相談するのがおすすめです。そのため、土地信託や家族信託を考えた場合、まずは相談から始めてみてはいかがでしょうか。事前にシニアライフセミナーなどに参加したり、土地活用のプロフェッショナルなどを頼ってみるのも有効です。
パナソニック ホームズは、不動産業界ではじめて信託代理店業務を開始。オーナーさまが将来にわたって安定した経営を続けていただけるように、総合的な経営サポートシステムを備えてきめ細やかにバックアップしながら、オーナーさまの経営満足と建物の資産価値を長くお守りします。