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アパートの建築前に検討したい建築方法による税金対策

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【目次】

アパート経営で建築方法の検討が重要な理由

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まずはアパートの建築方法の種類と、建築方法の違いによる影響について紹介します。

1)代表的なアパートの建築方法とは?

アパートの建築方法にはどのような種類があるのでしょうか。アパートの建築方法は骨組みに用いる建材で分けられ、木材を用いた「木造」と、鉄骨を用いた「鉄骨造」が一般的です。鉄骨造については、さらに鋼材の厚さが6mm未満の軽量鉄骨造と6mm以上の重量鉄骨造に分けられます。重量鉄骨造はマンションなどの大規模な建物に用いられ、アパートの場合には主に軽量鉄骨造が一般的です。
●木造
●鉄骨造/鋼材の厚さが6mm未満→軽量鉄骨造
/鋼材の厚さが6mm以上→重量鉄骨造

2)アパートの立地によっては建築方法が制限される

木造で建てるか鉄骨造で建てるかは、もちろんオーナーさまが自由に決めることができます。ただし、アパートを建てる土地が都市計画法で「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」に指定された防火地域や準防火地域の場合は、火災に強く燃えにくい建材を使用しなければなりません。この場合は、木造ではなく鉄骨造で建てる必要があります。

3)耐震性に大きな違いはないが、遮音性に違いがある

木造と鉄骨造のアパートには、性能面で違いはあるのでしょうか。日本は地震大国のため耐震性についての基準が厳しく、木造と鉄骨造で耐震性には大きな違いはありません。一方、集合住宅で重視されることが多い遮音性は、気密性の違いによって鉄骨造のほうが木造より遮音性が高いといわれています。鉄骨造は、遮音性を重視する入居者のニーズに応えられるというメリットがあります。

4)国が定めた耐用年数が異なる

建築方法の違いは、建物の「耐用年数」にも大きく影響します。耐用年数とは、ここでは法定耐用年数のことを指し、国が定めた建物などの資産が使用可能な年数のこと。木造の建物の耐用年数は22年で、鉄骨造の建物は鋼材の厚さによって「3mm以下のもの」は19年、「3mmを超え、4mm以下のもの」は27年、「4mmを超えるもの」は34年と定められています。ローンの返済期間は法定耐用年数内と定められているため、アパートの建築時にローンを組んだ場合、鉄骨造のほうが返済期間を長く設定することができます。

5)耐用年数に合わせて減価償却費を計上できる

次の章で詳しくシミュレーションしますが、アパートの建築費の坪単価は木造よりも鉄骨造のほうが高く、トータルで必要な費用も大きく異なります。アパートの建築費は確定申告の際は一括で計上せず、建築費などの取得費を耐用年数で割った金額を減価償却費として計上する必要があります。減価償却費を計上できる期間は、木造と鉄骨造のそれぞれの耐用年数に準じているため、木造の場合は22年、鉄骨造の場合は鋼材の厚さによって19年、27年、34年となります。

アパート経営に課される所得税は、家賃収入から必要経費と減価償却費を差し引いた金額に対してかかります。毎年一定の金額を計上できる減価償却費は、家賃収入の利益を圧縮できるため節税につながります。アパート計画時には、建築方法によって減価償却費の計上期間に違いがあることを見落とさないことが大切です。

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アパートの建築方法ごとの減価償却費シミュレーション

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ここまで解説してきたように、計上できる減価償却費はアパートの建築方法によって異なります。ここからは木造と鉄骨造でどれくらい違いがあるかをシミュレーションしてみましょう。
減価償却費を算出する際に必要になる「取得費」には、建築費のほかに印紙代や測量費なども含まれますが、ここではわかりやすくするため建築費のみで計算します。

1)木造にした場合の減価償却費のシミュレーション

まずは木造のケース。建坪50坪の土地に延べ床面積100坪の2階建てのアパートを木造で建築した場合の減価償却費をシミュレーションしていきます。

アパートの建築費は「本体の工事費(延べ床面積×坪単価)+別途工事費(工事費の約20%)+その他諸費用(工事費の10%)」で計算します。

木造アパートの建築費の坪単価は、土地の形状や建築会社によって異なりますが77万円から100万円かかります。

平均をとって坪単価88万円で計算すると、アパートの建築費は、
本体の工事費(延べ床面積100坪×坪単価88万円=8,800万円)+別途工事費(工事費8,800万円の約20%=1,760万円)+その他諸費用(工事費8,800万円の10%=880万円)
=11,440万円(1億1440円)
となります。

木造の場合、耐用年数は22年ですので減価償却費として520万円を22年間計上することができます。
アパートの建築費(11,440万円)÷耐用年数(22年)=減価償却費(520万円)

2)鉄骨造にした場合の減価償却費のシミュレーション

次に鉄骨造のケースをシミュレーションしてみましょう。木造のケースと同じく50坪の土地に2階建てのアパートを鉄骨造で建築した場合の減価償却費をシミュレーションしていきます。

アパートの建築費は木造の場合と同じく「本体の工事費(延べ床面積×坪単価)+別途工事費(工事費の約20%)+その他諸費用(工事費の10%)」で計算します。

鉄骨造アパートの建築費の坪単価は土地の形状や建築会社によって異なりますが、80万円から120万円かかります。木造とくらべて建築期間が長く、作業工程が異なることも費用が高くなる要因になっています。

平均をとって坪単価100万円で計算すると、アパートの建築費は、
本体の工事費(延べ床面積100坪×坪単価100万円=10,000万円)+別途工事費(工事費10,000万円の約20%=2,000万円)+その他諸費用(工事費10,000万円の10%=1,000万円=13,000万円(1億3000万円)
となります。

鉄骨造の場合、耐用年数は最大34年ですので減価償却費382万円を最大で34年間、計上することができます。
アパートの建築費(13,000万円)÷耐用年数(34年)=減価償却費(382万円)

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木造と鉄骨造で経営計画を立てる上での注意点

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前章のシミュレーションでは、木造か鉄骨造かによってアパートの費用や税金面で大きな違いがあることがわかりました。ここからは、木造か鉄骨造かを選ぶ際の注意点を紹介します。

1)建築費は木造より鉄骨造のほうが高額になる

50坪の土地に2階建てのアパートを建てるというシミュレーションの結果、建築費は木造の場合は11,440万円、鉄骨造の場合は13,000万円となりました。建築費の違いは、事前に準備する頭金やローンの借入額のほか、家賃設定などにも関わってきます。アパートの経営計画を立てる際には、木造か鉄骨造かどうかを慎重に選ぶ必要があります。

2)減価償却費を計上できる期間は鉄骨造のほうが長い

シミュレーションでは、建築費を耐用年数で割った木造の減価償却費は520万円、鉄骨造の減価償却費は294万円となり、木造のほうが1年あたりの減価償却費は高額になりました。しかし、鉄骨造の減価償却費の計上期間は最大34年で、木造の22年とくらべると大幅に長くなります。鉄骨造の場合は木造より長い期間、節税効果を得られることになり、さらに、ローンの返済期間も長く設定できることから、返済の不安が軽減されやすいといえます。
非常に長い目で見た場合、木造・鉄骨造共に実際には築50年程度まで建物自体の寿命が持つ場合もあるため、木造は鉄骨造よりも早い段階で節税効果を受けられなくなるぶん不利ともいえます。

3)修繕費や維持費がかかることにも注意が必要

シミュレーションではアパートの建築費だけを取り上げましたが、アパートは建築後10年から15年の間隔で大規模修繕が必要となります。大規模修繕が必要となる間隔については、木造と鉄骨造で大きな差はありません。ただし、木造の場合は建物の老朽化にともなう修繕費を鉄骨造よりも多めに用意しておく必要があり、また、鉄骨造は木造よりも建物の維持費がかかる傾向にあるので注意が必要です。

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【まとめ】

アパートは木造か鉄骨造かによって、建築費だけでなく、確定申告の際に計上できる減価償却費の金額や期間が大きく変わってきます。アパートの建築方法は、経営計画の内容を左右するとても重要な事柄。鉄骨造の場合、建築費は高額になりますが、ローンの返済期間を長く設定でき、減価償却費も長い期間計上することができるという有利な面があります。また、鉄骨造は遮音性の高さが入居者に人気です。長い目で見ると、鉄骨造のアパートは家賃収入と経費のバランスがとれ、安定的な経営につながりやすいといえるでしょう。

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