住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
所有するアパートが30年後にどうなっているのか、未来を予想してみたことはありますか?
構造にもよりますが、建ててから時間が経過するほどに建造物は老朽化し、それに伴うリスクを抱えるようになります。老朽化した賃貸住宅経営に起こりがちなリスクは次の5つです。
まず、考えられるのがメンテナンス費用の負担増です。築年数の経過に伴い建造物は老朽化していくため、共有部の修繕が必要になります。手すりや階段、外壁などの塗り直しは大規模修繕が必要になるでしょう。
老朽化した物件は競争力が低下するので、賃料を見直す必要も生じるでしょう。経年劣化が賃料に与える影響は年率に換算すると平均で約1%と言われています。新築時に賃料10万円とした物件であれば、30年後には3万円マイナスの7万円にせざるを得ない可能性があり、それだけ家賃収入が減ることになります。そして、築年数が増えるほどに影響も大きくなっていきます。
老朽化は避けられない自然の摂理なので、リスク対策として早いうちに予算を立てて準備しておくことが重要です。負担増につながるリスクも、収入減につながるリスクも対策を先延ばしにするほど経営を圧迫させてしまいます。先を読んで、こまめな修繕、設備のリノベーション、サービスのアップデートなど、環境を好転させる対策を講じられるようにすることが大切です。
「十年一昔」という言葉があるほど、時代の移り変わりは早いものです。30年後の社会状況を今から予測しておくのは難しいので、近隣に目を配りながら、周辺環境の変化の兆しを見逃さないようにしましょう。
例えば、生活圏内にある学校の統廃合、近隣にあった企業の移転などは多くの人が住環境を変えるきっかけになります。現在住んでいる人だけでなく、将来の入居希望者の減少という影響も生むので警戒が必要になります。
物価の上昇は、日常生活だけでなく、アパートを経営する上での管理コストにも影響を及ぼします。物価が上昇傾向にあってもすぐに賃料を上げることはできませんから、コストが増えた分は負担増となります。
その他にも、長く住み続けてくれる入居者の高齢化、人手不足が進むとともに働き手として日本在留の外国人が増えているので、入居希望者が外国人になることで、新たな対応策が必要になる可能性もあるでしょう。
社会状況の変化とともに、賃貸ニーズは変わります。住み心地の良さ、相場に見合った家賃設定などを周辺のライバル物件と比較して、所有するアパートが賃貸ニーズに合致しているか客観的に判断する必要があります。ニーズが大きく低下しそうであれば、入居者に引っ越しされないような努力が必要になるでしょう。
最終的に経営上の採算が見合わなくなった場合、出口戦略の検討も必要かもしれません。
所有物件の賃貸ニーズの低下により、収支のバランスは崩れてしまいます。支出増が大きな負担になる前に、出口戦略を検討することをお勧めします。
状況次第では、リスク対策を講じても、コストや手間に見合う結果が得られるとは限りません。場合によっては抜本的な解決策を視野に入れたほうが良いこともあるでしょう。
アパート経営の出口戦略の候補となるプランは「減価償却期間内での売却」「リフォームやリノベーション」「解体して土地を売却」「建て替え」「現状のまま保有」など、いくつかのパターンが考えられます。
「現状のまま保有」の場合、当面は収入を得ることができますが、将来的には経年劣化などによる設備の陳腐化によって入居率が下がり、最悪の場合、維持管理コストのみが増加していく可能性もあります。
「減価償却期間内での売却」や「解体して土地の売却」といった売却の場合、まとまった資金を得られる点は魅力的ですが、売却まで時間や手間がかかり、その後は定期的な収入が途絶えてしまいます。
「リフォームやリノベーション」についても、築30年以上となると改修には非常にコストがかかる場合が多く、にもかかわらず今後の維持管理費の圧縮に貢献しない可能性もあります。
「建て替え」はやはりイニシャルコストがかかることが最大のデメリットですが、経年劣化に伴う各種リスクを気にせず、家族に資産を承継でき、定期的な収入を残すこともできます。
現金より建物の方が相続税で有利なのも特徴です。ただしアパートに賃借人が残っている場合、立ち退きをめぐってトラブルになる可能性があります。
不動産は長く受け継がれていく大切な財産ですから、家族に有効な資産として残せるように、相続を見据えたプランニングをすることが望ましいでしょう。建物の寿命を見極めて、手を入れながら維持するか、より価値の高い建物として次の世代に継承した方が良いかの判断も必要です。
どのプランを選ぶにしても、事前に計画を立てて早めの対策を講じることで、将来的な負担や不安が軽減されます。
気になることがあれば、不動産会社や専門家に相談してみてはいかがでしょうか。近隣の賃貸ニーズを把握する意味でも、不動産価値を見極める意味でも、客観的で専門的なアドバイスを得ることができます。
【まとめ】
30年後のアパート経営を考えるなら、資産承継や相続を見据えたプランニングが必要
アパート経営をできるだけ長く続けていくには、早めの対策が肝心です。 30年後はひとつの目安にすぎませんが、資産承継について考えるには、いいタイミングだといえそうです。
もちろんイニシャルコストとの相談にはなりますが、建て替えなど思いきった戦略をとった方が、今後を見据えるとよい選択になる場合もあります。
家族に承継する未来を踏まえて、どのような資産を残したいか判断に迷う場合は、早いうちから専門家に相談した方が安心です。
不動産は大切な財産ですから、後悔なく活用できるように、ローンの返済期間、建物の寿命などを考えながら、早めに備えていくことをおすすめします。
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