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将来性を期待される土地活用として注目されている医療施設経営。その3つの経営方法と留意点

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【目次】

将来性はある?医療施設経営の魅力

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賃貸住宅や駐車場、コインランドリーなど、土地活用にはさまざまな方法があります。
なかでも、少子高齢化という現代の世相を反映した医療施設経営は、土地活用として有効な方法のひとつかもしれません。

・将来性と社会貢献性のある医療施設経営

日本の人口の中で、非常に多い団塊の世代。2025年までにはその世代が75歳以上になり、医療ニーズの増加が予想されています。そんな中で、所有する土地を利用し医療施設を経営することは、地域貢献にもつながる活用法と言えます。
健康であれば気にすることはありませんが、体調不良になった時、すぐに診てもらえる病院やクリニックが近隣にあることは住民の安心につながります。収益事業だけではない、社会貢献事業としての面も持つ医療施設経営は、魅力的な土地活用の一例ではないでしょうか。

・医療施設の種類

医療施設にはさまざまな種類がありますが、大別すると「病院」と「診療所」に分けられ、その違いは病床数です。20床以上なら病院、無床または19床以下であれば診療所となり、クリニックは診療所に含まれます。
また、専門医療を行う診療所を複数集めた「医療ビル」や「医療モール」というスタイルも増加しています。医療ビルはその名の通り、ビル1棟すべてにテナントとして診療所や薬局が入っている施設です。一方、複合商業施設の中に診療所がテナントのような形で入る施設が医療モールと呼ばれています。 
土地活用の観点で考えた場合は、広さが十分に確保されなければならない医療モールと比べ、階数を増やすことで複数のテナントを入れることができる医療ビルのほうが良いかもしれません。

・医療施設はどんな場所が良い?

医療施設もアパート経営と同様に、利便性のある場所、人の集まる場所のほうが良いと言えるでしょう。ただし、一概に利便性だけが決め手になるわけではありません。体調不良を訴える患者を受け入れ診察するにあたっては、静かで落ち着いた場所のほうが良い場合もあります。また、同種の専門医療ばかりが集中してしまっても地域医療として良いとは言えません。まずは所有する土地の周辺に、どんな医療施設があるかを調べてみましょう。

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土地活用の視点から見る他の医療介護施設との違い

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・グループホームとの違い 

グループホームは、認知症高齢者などを対象に、自立した日常生活を行えるように支援する小規模な介護施設です。ユニットと呼ばれる少人数のグループに分かれて、役割分担しながら共同生活を行うスタイルが基本です。撤退リスクが少ないため長期的な収益が期待できますが、専用施設であるため、一度建てると他用途に転用することは困難です。

・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)との違い 

サービス付き高齢者住宅は、安否確認と生活相談サービスなど、高齢者が安心して生活できるような支援サービスを付けた賃貸住宅のことです。バリアフリー設計が基本で、居住スペースは25㎡以上という基準が設けられています。土地の規模は小さくとも事業は可能で、交通アクセスが多少悪い場所でも需要のある点がメリットです。

・診療所との違い

診療所は、病院よりも病床数が少ない(20床未満)医療機関です。医療機関としての専用設備が必要なため、バリアフリー集合住宅に近いサ高住などに比べると、建設費が高くなる可能性があります。撤退リスクが低く長期的な入居が期待できますが、他用途への転用が困難な点はグループホームと同じです。

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医療施設の経営に向く土地の条件

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・ 適切な用途地域の土地 

基本的に、日本国内の土地は都市計画法に基づいた「用途地域」で区分され、建築できる建物の種類が定められています。
診療所はどの用途地域の土地でも建てることができますが、一定以上の規模を持つ病院や老人ホームなどの介護施設は、用途地域によっては建設できないこともあります。土地活用の際は、その地に定められた用途地域を確認し、希望する施設が建築できるか可否を判断することが大切です。それぞれの用途地域の特徴と、建てられる医療施設の一覧は次の通りです。

用途地域別の一覧表

 

 

建築可否

用途地域

特徴

診療所

病院

老人ホームなど

第一種低層住居専用地域

高さ制限があり、大きな施設は建設できない。戸建てがメイン。閑静な住宅街。

×

第二種低層住居専用地域

第一種と同様の高さ制限があるが、床面積の広さが緩和されているので、コンビニや飲食店なども含まれるエリア

×

第一種中高層住居専用地域

高さ制限はないが、床面積の制限はある。生活関連施設から教育施設まで多くの建物が建ち、活気ある地域。

第二種中高層住居専用地域

第一種よりも床面積の制限が広がるので、大型店舗も建つエリア。買い物に便利。

第一種住居地域

商業施設やホテルなども建設可能。利便性が高く、にぎやかなエリア。

第二種住居地域

第一種に加えて、ボーリング場やカラオケボックスなどの遊興施設も建てられる。

準住居地域

国道や幹線道路沿いで指定されることが多いエリア。自動車関連施設、客席の少ない小劇場や映画館なども建てられる。

田園住居地域

農業と調和した住宅環境を守るためのエリア。制限内容は第一種低層住居専用地域に近い。

×

近隣商業地域

日用品の買い物に便利な商業施設が多く、利便性は高いが、人や車の往来が多く、にぎやかなエリア。

商業地域

ターミナル駅の周辺部など。建設制限が緩和されているので、大型商業施設も多く騒々しい。

準工業地域

軽工業の工場やサービス施設さまざまなが建つエリア。

工業地域

湾岸地域など。大型の工場なども建てられるので騒がしさを感じるエリア。

×

工業専用地域

工場のための地域なので、住宅は建設不可。

×

×

・ 住宅地から近い土地 

医療施設は自宅に近いエリアから選んで利用することが多いため、住宅地周辺は医療施設のニーズが高いと考えられます。すでにアパートやマンションが林立していて、賃貸住宅での土地活用が難しい場合でも、医療施設なら参入できる可能性があります。

・ 認知されやすく、来院しやすい立地の土地 

医療施設を建てるなら、狭い道路や裏路地に面した目立たない土地よりも、人の目に触れやすい場所にあるほうが認知されやすいので、経営にも有利といえるでしょう。大通りに面しているなど、交通の便が良いことも重要なポイントです。人通りの多い駅やスーパーマーケット周辺にある土地なら理想的です。落ち着いた住宅地なら、学校や図書館、公民館などの公共施設の近くだと目に付きやすく、来院もしやすいでしょう。また郊外の場合などは、自家用車を利用できないお年寄りを考慮して、バス停の周囲に開設することも有効です。

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土地活用としての医療施設経営!3つの方法とそれぞれの特徴

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医療施設経営には3つの方法があります。今回は「医療ビル」を例に解説します。

主な方法
①土地のみを貸す方法
②自己負担により建物を建築(リフォーム)し、土地+建物(もしくは建物のみ)を貸し出す方法
③事業者から建設費相当の協力金を預かり、施設建築後、土地+建物を貸し出すリースバック方式(建設協力金方式)による経営方法
 ※建設協力金は、建物の完成後に賃料と相殺する形で事業者に返済

初期費用を抑える方法や節税対策など、オーナーさま自身が求めるメリットと合致する方法を選択しましょう。

・医療施設経営3つの方法、それぞれのメリット

医療施設だけではありませんが、土地活用を始める時に考えることは初期費用、自己資金ではないでしょうか。

①土地のみを貸す方法

3つの方法の中で最も初期費用がかからない方法です。収益は地代のみとなりますが、契約期間終了後は更地にして返却してもらいますので、次の世代に相続した場合に医療施設ではなく、別の土地活用も考えることができます。

②自己資金による医療施設の建築

検査機器に耐えられる電気設備の対応が必要になるなど、賃貸住宅よりも建築費などの初期費用の負担は増えますが、土地と建物(もしくは建物のみ)を貸し出すため、収益性が高くなるのが特徴です。相続を見据えた場合は相続税の節税だけでなく、建物の減価償却費を経費にできるため、所得税負担を軽減させることがこの方法のメリットと言えるでしょう。

③リースバック方式(建設協力金方式)

施設建築のための協力金を預かることができるので初期費用が抑えられ、資金調達のハードルが下がります。しかし収益(賃料)が建設協力金と相殺になるため、②よりも収益は下がるものの、建物の所有者はオーナーさまのため、相続時を考えた場合の節税効果が期待できます。

・医療施設経営のデメリット

社会貢献度が高く、今後需要が高まると予想される医療施設ですが、施設経営を始めるオーナーさまが注意しなければならないのは、事業者が撤退する可能性もあるということです。医療ビルは、各テナントにあわせた特殊な間取りになっていることもあるため、転用が難しいとされており、これが最大のデメリットと言えるでしょう。

自己資金で建物を建築した場合、事業者の撤退によって収益がなくなり、ローンの返済に窮する可能性も考えられるため、特に注意が必要です。リースバック方式は事業者の撤退によって建設協力金の返済義務がなくなった場合、建設協力金が所得とみなされ課税される可能性もあります。

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医療施設経営で土地活用を考えるなら、実績あるパートナー選びがポイント

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医療施設の経営方法はそれぞれですが、すべてにおいて共通するのは、長期間の経営になると言うことです。ここでは、医療施設を経営する上で注意すべきこと、長く理想的な経営を続けるためのポイントを紹介します。

・永続性のある医療施設経営だけに、まずはプロに相談

前述したように、テナントとなる医療事業者が撤退することもありえます。そのため、まずは長期的な運営を見据え、信頼できる医療事業者を選ぶ必要があります。医療業界に詳しいオーナーさまであれば事業者の選定が可能かもしれませんが、稀なケースでしょう。そのため、実績あるプロのアドバイスも必須です。
社会的意義があり、収益も望める医療施設経営の相談先として、医療コンサルタント会社などもありますが、ハウスメーカーや不動産会社も信頼のおける医療コンサルタントとのコネクションを持つ場合もあります。

テナントとなる医療事業社の選定から設計、建築までを任せられるハウスメーカーであれば、その知見をもとにした助言をもらうこともできるでしょう。

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【まとめ】

超高齢社会が進む日本では、医療施設の需要は今後も高まると予想されます。ただ、専門施設だけに他の用途に転用しにくいという懸念点もあり、その土地がある用途地域によっては、医療施設の不向きな場合もあります。不動産のプロに相談することで、メリット、デメリットを考慮した上で収益性の違いや税金対策なども含めた対応策を検討できるでしょう。収益性とともに、地域への社会貢献につながる土地活用を考えてみてはいかがでしょうか。

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