住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
狭い敷地や都市部でも部屋数を確保できる3階建ては、1階を店舗で2・3階を住居にする、3階建ての一部を賃貸物件として貸し出すなど、フロアごとに使用目的を分けたり自由な間取りにしたりできるため人気があります。
また、3階建てで1階部分をビルトインガレージにする間取りもよく見られます。今回は、ビルトインガレージがある3階建てに必要な広さや、3階建てビルトインガレージのメリット・デメリットについてお伝えします。
また、実例も紹介するのでぜひ参考にしてください。
ビルトインガレージとは、建物の一部に車を格納するスペースを組み込み、ドアやシャッターを付けたガレージをいいます。
住まいづくりに広い土地を使えるアメリカなどではガレージは別棟で作りますが、ビルトインガレージなら土地が狭くても居室と駐車スペースを確保できるため、日本では人気の間取りです。
またビルトインガレージは、屋内から愛車を眺めたり手入れをしたりして楽しめるため、車好きの人からの要望も高い間取りです。
3階建てでビルトインガレージを作る場合、どのくらいの広さがあるといいのか具体的に紹介します。
ガレージに必要な広さは、車の大きさや何台車を駐車するかによって異なります。国土交通省の「駐車場設計・施工指針」によると、普通乗用車に必要なガレージの広さは、長さ6m✕幅2.5m、軽自動車なら長さ3.6m✕幅2m以上が基準となっています。
平米数と坪にすると普通乗用車は15㎡(約4.54坪)、軽自動車は7.2㎡(約2.18坪)です。これを目安に、ガレージのスペースを確保するとよいでしょう。
ガレージの広さについては国土交通省の「駐車場設計・施工指針」をもとに執筆しています。(2023年2月時点の情報)
次に3階建てでビルトインガレージを作る場合に、必要な広さを見ていきましょう。
国土交通省の「住生活基本計画」によると、4人家族の場合に必要な戸建ての居住面積水準は125㎡(37.8坪)とされています。これは居住部分のみの広さのため、ビルトインガレージの場合はここにガレージ分の広さが加わります。車1台分ならプラス10〜15㎡(3〜4.54坪)の広さが必要なので、135㎡〜140㎡(40〜42.4坪)程度が目安になるでしょう。
居住面積水準については国土交通省の「住生活基本計画」をもとに執筆しています。(2023年2月時点の情報)
ビルトインガレージのある3階建てのメリットについて見ていきましょう。工夫次第では、限られた土地を有効に活用できるでしょう。
3階建てにビルトインガレージを作れば、住宅とは別に車を格納するスペースを用意する必要がありません。土地が狭くても駐車スペースを確保できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
またガレージを作る際には、建物を建てる地域によって定められている容積率を守らなければいけません。容積率とは敷地面積に対する建物の延床面積の割合をいいます。地域ごとに都市計画法によって容積率は決められており、都市部などは敷地内の建築物の床面積の5分の1を上限として容積率の緩和を受けられるので、最初の計画以上に広い住まいにできる可能性もあります。
ビルトインガレージのある3階建てなら、居住スペースの採光を確保しやすくなります。3階建ての1階部分をガレージにするので、リビングや家族それぞれの個室は2階以上につくることになります。そのため日当たりや眺望の良い間取りを考えられるでしょう。
都市部や周囲の住宅との距離が近いエリアの場合、1階に部屋を設けても採光が難しかったり、プライバシー保護の観点から窓を開けられなかったりすることがあります。
1階をビルトインガレージにすることで、明るい居室スペースを確保でき、別棟でガレージを作るコストも抑えられます。
ビルトインガレージのある3階建てのデメリットについても見ていきましょう。
平屋や2階建てに比べて、ビルトインガレージの3階建ては建築費用が高くなります。一般的に3階建ては2階建てよりも建築費用が高くなる傾向にあります。
さらに3階建てにビルトインガレージをつくる際は、1階部分に大きく開口部を設けなければいけません。ガレージの構造上、使える梁の数には限界があります。耐震性能を高めるために補強をおこなうなど、建築費用が割高になりやすい点はデメリットと言えるでしょう。
ビルトインガレージを採用すると、1階部分がガレージになるため一般的な3階建てよりも部屋数は少なくなります。
家族全員が快適に暮らせる居住スペースが十分に確保できるか考えてからビルトインガレージを取り付けるか検討しましょう。また、ガレージを趣味の部屋を兼ねたつくりにしてもよいでしょう。
車を駐車するスペース以外に、ソファやサイドテーブルを置いたりDIYができるような作業台を設置したりすれば、その分部屋数を減らせます。
ご両親との二世帯住宅にビルトインガレージのある3階建てを選んだオーナー様は、世帯ごとに玄関やフロアを分けた完全分離タイプの間取りにされました。2階が親世帯、3階が子世帯で暮らしています。
1階には共用のビルトインガレージ、またゲストルームとして使える和室とセカンドリビング設置しました。和室とセカンドリビングは、将来のことも考えて親世帯のご夫妻が高齢になったときに暮らせるようミニキッチンもあります。
各フロアはエレベーターで行き来できるようにしてあり、それぞれの生活を尊重しながら快適な距離感で暮らせる住まいです。
3階建てビルトインガレージは、狭い土地でも部屋数を確保でき、さらに1階をガレージにできるので駐車スペースも確保できる間取りです。上階に居室をつくるため採光を確保しやすく、立地によっては良い眺望を楽しめます。
ガレージの大きさによって容積率が緩和される可能性もあるので、専門家と相談しながら理想の住まいづくりをしてください。