住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
家づくりにおいて和室の代わりとして、リビング横に畳コーナーを設けている方も増えています。
畳コーナーがリビングにあると、くつろぎのスペースやキッズスペースなど多用途に使えます。一方、畳コーナーをうまく活用できずに後悔している方も少なくありません。
そこで本記事では、畳コーナーの失敗例やメリットを解説します。後悔しないためのポイントについても紹介していますので、ぜひマイホームの設計に役立ててください。
畳コーナーとは、洋室やリビングの一角に設ける畳スペースのことです。
独立した和室をつくるにはそれなりのスペースが必要になりますが、畳コーナーであれば部屋の一部分を和室と同じように活用ができます。
和室がほしいけれど、建築条件としてスペースが足りず悩んでいる方には最適です。
また、ロールスクリーンや間仕切りなどを活用すれば、一時的に個室のように使うことができます。
家族で個々に過ごしたいときなどに、セカンドリビングとして活用するのもよいでしょう。
なお、畳コーナーは和室に比べると小さいスペースである場合がほとんどで、4.5帖以下が一般的です。
畳コーナーには、20~40cmほどの高さをつけた「小上がりタイプ」と、段差がない「フラットタイプ」があります。
小上がりタイプの畳コーナーは、ちょっと腰掛けるのにちょうどいい高さで、段差をリビングの収納として活用することもできます。そのほか掘りごたつを検討している方も、小上がりタイプが最適です。
さまざまな用途がある小上がりタイプですが、段差につまずきやすくなるため、お年寄りや幼いお子さんがいるご家庭にはあまり向きません。
一方、フラットタイプは段差の危険性もなく部屋全体の一体感が出やすいといった特徴が挙げられます。
今回はリビング横に設計した、フラットタイプの畳コーナーについて詳しく解説します。
ここからは、リビングの畳コーナーでよくある失敗例を6つ紹介します。畳コーナーを検討するにあたり、設置を後悔しないためにもぜひ参考にしてください。
リビングの畳コーナーでよくある失敗のひとつとして、狭すぎたり広すぎたりして使いにくかったという点が挙げられます。
前章で解説した通り畳コーナーは和室に比べ小さい間取りのため、使う用途によっても必要なサイズが変わってきます。
たとえば洗濯物を畳んだりする家事スペースや、子どもが遊んだり昼寝したりするキッズスペースとして使うなら、2~3帖ほどあれば問題ありません。一方、客間として利用したい場合、お布団などを敷くには4帖以上ないと狭く感じるでしょう。
畳スペースを広くとると、その分他の部屋のスペースが狭くなるので、用途に合わせて最適な広さを検討する必要があります。
リビングと畳コーナーのデザインが合わず、後悔するケースもあります。
和モダンな住宅などでは違和感なく溶け込みますが、海外の洋風なインテリアの場合は工夫が必要です。
畳は「和」の印象が強いですが、和風のインテリアでなくてもコーディネートすることは可能です。
畳は、和紙や樹脂・い草などのさまざまな材質はもちろん、半畳タイプや一畳タイプ、藍色や桜色など多くのカラーを選べます。リビングのデザインと合わせたものを選びましょう。
畳コーナーをうまく活用できず、物置状態になってしまうケースもあります。
畳コーナーは書斎やリビング・寝室とは異なり、用途が定まっていないため便利なスペースであると同時に、用途が定まっていないからこそ物の置き場所となってしまうことがあります。
リビングに面している畳コーナーの物が増えれば増えるほど、よりリビングが散らかっているように感じます。せっかくつくった畳コーナーが物置状態にならないよう、どのように利用したいかをしっかり定めておくとよいでしょう。
段差がないフラットタイプの畳コーナーは、リビングのホコリが入りやすいといった欠点もあります。
さらに畳の目にホコリだけでなく、食べかすなどが紛れ込むことも懸念されます。ホコリや汚れを放置しておくとアレルギー症状の元となりかねません。そのため、よりこまめに掃除をする必要があります。
なお、掃除に活用されるロボット掃除機と畳は素材によって相性が悪く、畳を傷つける可能性があります。ロボット掃除機は使用せず、畳コーナーのみ掃除機やホウキで畳の目にそって掃除するようにしましょう。
畳コーナーで使用する畳によっては、カビやダニに弱く、メンテナンス費用がかかるといったデメリットがあります。特に天然のい草を使用した畳は、水分に弱いためカビやダニが発生しやすいので注意しましょう。
畳コーナーをキッズスペースなどで使用する場合は、飲み物や食べ物をこぼしシミになったりカビが発生したりします。また畳の材質によっては、梅雨の時季に虫が沸く場合もあります。樹脂系の畳を採用すれば、そこまでカビの心配はありませんが、定期的なメンテナンスが必要となります。
メンテナンスとして、畳は5年に一度裏返しにして、15年に1度貼り換えが必要です。畳コーナーのデザインにもよりますが、砂壁ははがれ落ちやすく掃除をこまめにしなければなりません。さらに間仕切りや窓にふすまや障子を採用する場合、畳と同様、定期的な貼り換えが必要です。
畳コーナーに重い家具を置く場合は、畳が凹む可能性があります。畳はフローリングに比べ、上方向からの重さに弱く長時間同じ場所に重い家具を置いておくと凹んでしまうからです。
特にベッドや勉強机・タンスなどの重い家具は注意が必要です。出来る限り畳には重い家具を置かないほうがよいでしょう。どうしても重い家具を置かなければならない場合は、畳を凹ませないようにするマットなどのグッズも販売されています。出来る限り畳が凹まないようにする対策をとったり、定期的に家具の配置を変えたりするのがおすすめです。
リビング横の畳コーナーには、さまざまなメリットがあります。順番に紹介していきます。
畳の材質として利用されるい草からは「フィトンチッド」と呼ばれる物質が出ています。このフィトンチッドにはリラックス効果があり、森林浴で「心地良い」と感じるのもフィトンチッドの効果と言われています。
そのため自然のい草でつくられた畳には、同じように「心地良い」と感じる効果やストレスの緩和も期待できると言われています。
畳コーナーがリビングにあることで、家事や仕事終わりに気軽にちょっと休んだり、ごろんと寝転がって昼寝したり、癒しの空間として活用できるでしょう。
畳はフローリングに比べて柔らかいためケガもしにくく、子どもの遊び場に最適です。
フローリングに比べ畳は防音効果があり、ブロックや積み木などで遊ぶときも音を吸収してくれます。
また、子どもが遊ぶ様子を見守りながら家事をすることができます。ほかの部屋で遊んでいると、思いがけないケガや遊びをしていることもあるでしょう。目が届きやすいリビングの畳コーナーをキッズスペースにすれば、安心して遊ばせることができます。
さらに、おもちゃを畳コーナーにまとめれば、リビングが散らからず片付けなどもしやすくなります。
最近ではコンパクトな間取りを希望する方も多く、来客用の個室を設けない間取りも増えています。しかし、いざ来客に泊まってもらうことになった場合に困るケースもあるでしょう。
上記のような場合に最適なのがリビングの畳コーナーです。間仕切り扉やロールスクリーンなどで半個室のような空間にできるリビングの畳コーナーは、特別なときにしか使わない来客用の部屋としても気軽に活用できます。
また個室代わりに利用できるため、臨時で使用するワークスペースとしても使えるでしょう。
リビングの畳コーナーは、ゆっくりしたいときなどに最適な場所で来客用としてもキッズスペースとしても、利用できる場所です。
一方、畳コーナーのサイズを誤ると使い勝手が悪くなる可能性もあります。またフローリングに比べメンテナンスはもちろん、こまめな掃除が必要です。
リビングの畳コーナーを設計するうえで、使用用途を明確にして本当に必要なのかよく検討することが大切です。ぜひ本記事で紹介したポイントも参考にして、家づくりを進めましょう。