住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
オーナーさま専用サイト
お役立ちコラム
【目次】
シューズインクロークとは、玄関付近に設置され、靴を履いたまま出入りできる収納のことです。オープンタイプやクローゼットタイプなど種類も多く、最近ではおしゃれなシューズインクロークの人気も高まっています。
本記事では、シューズインクロークの種類や、メリット、デメリットについて解説します。設置する際のポイントや、おしゃれなシューズインクロークの事例も紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
シューズインクロークは、玄関付近に設置された、靴を脱がずに利用できる収納です。「土間収納」や「シューズクローク」とも呼ばれ、使い勝手がよく玄関がスッキリするので人気があります。
シューズインクロークはただ靴を収納するだけではなく、ゴルフバッグなど室内に運び込むのが大変なものや、スポーツ用品、ベビーカー、自転車など、外で使用する物の置き場など、多くの活用方法があります。一時的なごみ置き場としても利用できるほか、棚やパイプハンガーを設置すれば、さらに多用途な使い方が期待できます。
シューズインクロークには、オープンタイプやクローゼットタイプ、ウォークインタイプ、ウォークスルータイプなど、多くの種類があります。自身や家族にとって最適な設備となるよう、種類やメリット/デメリット、つくる際のポイントを知っておくことが大切です。
ここからはシューズインクロークとシューズボックスとの違いを解説した後、シューズインクロークについて詳しく見ていきましょう。
シューズボックスとは、玄関の中に設置された箱型の収納のことです。下駄箱とも呼ばれ、人が中に入れる程度のスペースのあるシューズインクロークと異なり、主に靴を入れる用途に使われます。
シューズボックスのメリットは、限られた玄関のスペースでも収納スペースを確保できる点です。シューズインクロークの場合、家を設計する段階でスペースを確保しておく必要がありますが、シューズボックスは玄関内のスペースを利用するのでその必要がありません。
シューズボックスの高さによっては、上に置物や花を飾ることもできるほか、鍵などの小物収納スペースとしても使えます。しかし、シューズインクロークと比較して収納量が限られます。前述したゴルフバッグやスポーツ用品などの大型の物を収納するためには、他にスペースを確保する必要がでてくるでしょう。
シューズインクロークには、オープンタイプとクローゼットタイプ、ウォークインタイプ、ウォークスルータイプがあります。ここでは4つのシューズインクロークの種類について、特徴を見ていきましょう。
オープンタイプのシューズインクロークは、収納を壁で仕切らず、土間と収納がすべて見えるつくりとなっています。
壁がないぶん圧迫感がありませんが、収納内部が見えるので、片付けが得意な人向けのタイプといえるでしょう。オープンタイプはマンションのリフォームで土間を設ける際に多く採用されています。
クローゼットタイプは名前のとおり、収納全面にクローゼットのように扉がついているので収納内部が見えません。
シューズクロークよりも収納量があるだけでなく、引き戸にすれば物を出し入れする際にも邪魔になりません。次に紹介するウォークインタイプやウォークスルータイプよりもスペースをとらないので、ある程度の収納量を確保しつつスペースはおさえたい場合におすすめです。
ウォークインタイプのシューズインクロークは、1ヶ所の入り口からクロークの中に出入りできるタイプです。出入口以外の3面の壁すべてに棚をつけられるので、後述のウォークスルータイプより収納量を確保しやすいといえるでしょう。
ウォークインタイプは靴以外にも傘や自転車、ベビーカーなどの置き場として活用もできます。外で使用する物が多く、玄関付近をすっきりとさせたい場合に使い勝手の良いタイプといえるでしょう。
最後に紹介するウォークスルータイプは、ウォークインタイプと同じく、クロークの中に出入りできるシューズインクロークです。出入口が玄関側と居住スペース側の両方にあるので、荷物をクロークに置いてそのまま靴を脱いで家の中に入るといった動線が確保できます。
ウォークスルータイプのシューズインクロークを家族用玄関として利用すれば、玄関側には靴が一足も出ていない状態にできます。ウォークスルータイプは、すっきりとした玄関をつくりたいと考えている方にも向いているでしょう。
シューズインクロークのメリットには、以下の3つがあります。
順番に見ていきましょう。
シューズインクロークのメリットは、汚れや濡れを気にせずに収納ができる点です。もしアウトドア用品やキャンプ用品、子どもの外遊びの道具といった外で使う物を屋内に収納する場合、汚れが気にならない程度までしっかりと綺麗にしなければなりません。
玄関付近に設置して、靴を履いたまま利用できるシューズインクロークであれば、そこまで汚れに対して神経質になる必要がないため、汚れや濡れを気にせずに収納ができます。ただし汚れや濡れはニオイやカビ、湿気の原因にもなるため、収納する物のケアは必要です。
玄関をすっきり見せられるのも、シューズインクロークのメリットです。シューズインクロークは大きな収納スペースに靴をはじめ、玄関まわりのさまざまな物をしまえるため、玄関を常に綺麗な状態に保てます。
急な来客があっても慌てて片付ける必要がなく、特に扉などで隠せるシューズインクロークであれば、多少収納が乱雑になっていたとしても、扉を閉めるだけでお客様を迎え入れられます。
屋外で使うものを置きやすく、出しやすい状態にしてくれる点も、シューズインクロークのメリットです。たとえば子どもの公園遊びの際の水鉄砲や砂遊びの道具、自転車で使用するヘルメットなどは、屋内に置いておくには汚れているものの、外に置いておくと風雨で傷みやすくなります。
公園遊びや自転車用品ごとにまとめ、シューズインクロークの中に収納スペースをつくれば、使いたい時にすぐに使える状態で取り出すことができて便利です。また捨てる予定のゴミの一時置き場や灯油缶の保管場所、防災グッズや備蓄品などを置いておく場所としても最適です。
汚れや濡れを気にせずに収納ができ、玄関をすっきり見せられるメリットのあるシューズインクロークですが、以下のようなデメリットがあります。
順番に見ていきましょう。
シューズインクロークの設置には、玄関だけの場合より広いスペースが必要になるので、その分費用もかかります。
ただし前述したとおり、シューズインクロークには大きく分けて4つのタイプがあります。費用面だけでなく、家族の収納したい物や動線なども考えて、最適なシューズインクロークを選択するといいでしょう。
シューズインクロークのデメリットは、ライフステージが変わって不要になる可能性があることです。前述しましたが、シューズインクロークは汚れや濡れを気にせず収納ができるため、三輪車やベビーカーなどを収納する目的で設置する方も多いでしょう。
しかし子どもの成長により持ち物が変化し、シューズインクロークを持て余してしまう可能性もあります。シューズインクロークを設置する際は、現在の使用方法だけでなく、将来ライフステージが変わった際もどのような用途で使っていくのか、最初から想定しておくことが大切です。
玄関スペースが狭くなることも、シューズインクロークのデメリットです。家を建てる土地のスペースによっても異なりますが、シューズインクロークを設置するには、ある程度の広さを必要とします。
スペースがあまりない状態でシューズインクロークを無理につくってしまうと、玄関が狭くなったり、他の部屋の間取りに影響したりして、暮らし始めてから後悔することにもなりかねません。シューズインクロークをどうしても設置したい場合は、設置できるスペースやタイプをしっかりと考えましょう。
湿気やカビ、匂いに悩む可能性がある点も、シューズインクロークのデメリットです。メリットの面で汚れや濡れを気にせずに収納ができると前述しましたが、収納するものをある程度きちんとケアしておかなければ、湿気やカビに悩まされる恐れがあります。
特に濡れたままの雨傘やレインコートなどを十分に乾かさずに収納したり、ひどく汚れたままの靴をそのままにしておくと、いやな匂いが居室に流れ込んでくる可能性があります。シューズインクロークには濡れたものや汚れたものも収納できますが、ある程度のケアは必要なことを覚えておきましょう。
物置状態になりやすい点も、シューズインクロークのデメリットです。シューズインクロークはゴミの一時置き場として、というように不要な物も置いておける便利なスペースですが、ただの物置きになってしまう懸念があります。
本当にしまいたい物があるのに収納できない状態になってしまっては、元も子もありません。特にオープンタイプのシューズインクロークの場合、来客からも収納物が丸見えになってしまいます。ただ物を詰め込み物置きのような状態にならないよう、目隠しなどの対策も検討しましょう。
シューズインクロークに何を収納したいのかは家庭によって異なるため、どのシューズインクロークがおすすめなのかは、一概には言えません。今から紹介するポイントを考慮して、自身や家族に合ったシューズインクロークを検討しましょう。
シューズインクロークをつくる際にまず考えるべきポイントは広さです。シューズインクロークに必要な広さは玄関にプラスして1.5〜2帖程度と言われていますが、大型のものの収納や、クローゼット内での作業を想定している場合は、3帖程度あると安心でしょう。
収納物がそれほどない場合は、オープンタイプやクローゼットタイプにすると玄関のスペースを狭めず、圧迫感を抑えられます。オープンタイプは、収納物が来客に見えてしまう可能性もあるため、必要に応じて目隠しができるカーテンやロールスクリーンなどを後付けできるよう考えておくのがおすすめです。
内装や設備も、シューズインクロークをつくる際に考えるべきポイントです。たとえばデメリットでも挙げた湿気やカビ、においは、換気ができるように窓を付ければ、ある程度防げます。
前述したオープンタイプのカーテンフックなどに加え、他のタイプでも、扉を付ける際は引き戸にして収納する際に玄関のスペースを狭めないようにすることや、中の棚を可動式にするなど、内装や設備について考える点は多くあります。ベビーカーや自転車の収納をする目的でシューズインクロークを設置する場合は段差をなくしたり、何か作業したい場合はコンセントや照明を付けたりするなど、必要に応じて最適な設備を検討しましょう。
シューズインクロークについてタイプやメリット、デメリットを紹介しましたが、ここからは実際のシューズインクロークの事例を2つ見ていきましょう。シューズインクロークを検討する際に参考にしてください。
1つ目の事例は、シューズインクロークの入り口に手洗いコーナーを設置したお宅です。こちらのお宅は2階にLDKを設置していますが、1階にも「子どもリビング」と称した玄関から続く土間空間があります。
子ども達は家に帰った際には手洗いが必須。玄関を入ってすぐ横のシューズインクロークに設置された手洗いコーナーを利用すれば、子どもたちは真っ先に手の汚れを洗い流せます。そのあとは、子どもリビングに置かれたソファで寛いだり、階段に設置されたピアノを奏でたりと、スムーズに自分の時間を楽しめるでしょう。
2つ目は、個室として使える土間スペースを実現した住宅の事例を紹介します。平屋の玄関すぐ横に設置されたシューズインクロークは、窓を設置して採光もあり、コンセントも備わった快適空間です。
ウォークインタイプのシューズクロークに当てはまりますが、ご主人の仕事や趣味の作業場として使っているのが特徴で、引き戸を閉めれば個室としても使えます。靴のまま入れ、動線も良い作業場は、使い勝手の良い空間といえるでしょう。
シューズインクロークは靴のまま出入りできる玄関付近に設置された空間です。子どもが小さければベビーカーや三輪車、成長に合わせて自転車やスポーツ用品、ゴミの一時置き場にも利用でき、使い勝手は良いでしょう。多少の汚れや濡れであれば気にせずに収納できる点や、玄関をすっきり見せられる点がメリットですが、将来の使い方についても考えておかなければ、ある時期を境に不要になってしまうことがあるかもしれません。
また収納量はとにかく多い方が良いと考えて設置したものの、玄関スペースが狭くなってしまったり、湿気やカビ、においに悩まされたりしてしまうことも考えられます。シューズインクロークを設置する際は、間取りや用途をよく考えて設置することが大切です。
本記事で紹介したシューズインクロークをつくる際のポイントや、シューズインクロークの事例を参考に、自身や家族にとって最適なシューズインクロークを検討し、家づくりを進めてみてください。