住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
床の高さをずらして設けられた「スキップフロア」と呼ばれる空間は、生活スペースとして利用できるだけではありません。床下を収納スペースとして活用でき、収納力の高い快適な住まいを実現できるでしょう。
本記事では、スキップフロアの特徴や床下を収納スペースにするメリット、スキップフロアに向いているケースなどを紹介します。間取りの実例も参考にしながら、スキップフロアの魅力を最大限引き出した快適な住まいを手に入れましょう。
スキップフロアは、階数を増やさなくても、そのままの縦のスペースを活かして新たな空間を手に入れられるのが魅力です。増えた床面積を生活スペースとして利用するのはもちろん、床下を収納スペースとして活用することもできます。
スキップフロアには基本的に廊下が不要で、空間を仕切る壁や扉なども設けません。そのため気軽に取り入れられるのもメリットです。床の高低の段差や短い階段のみで緩やかに他の階と繋がるため、空間の立体感と開放感を演出します。実用的な上におしゃれな空間となるでしょう。
スキップフロア自体を収納スペースとして活用するのも一つの方法ですが、床下のスペースを活用するというアイデアもあります。
床下に収納スペースを設けると、どのようなメリットがあるのか詳しく解説します。
スキップフロアをつくった際、床下を収納スペースとして有効活用できます。
スキップフロアが高い位置であれば、床下の空間が広くなり、例えば大きなクローゼットなどを設けられます。無駄になってしまうかもしれないスペースを有効活用できることは大きなメリットでしょう。
2階建て住宅はもちろん、収納スペースを確保しにくい平屋や、狭小住宅などの空間に限りがある場合にも重宝します。
ある程度の広さの収納スペースが欲しい場合、屋根裏に作るという選択肢もありますが、収納スペースが高い位置にあるとモノの出し入れが面倒になったり換気の問題が生じます。独立した収納部屋を設けるにはある程度のスペースが必要になりますし、収納家具を配置するには用意する手間や費用がかかるでしょう。
その点スキップフロアを活かした収納スペースは、リビングなど生活空間に隣接しているため気軽に利用できます。掃除用具など頻繁に使うものはもちろん、大切な書類など頻度の少ないものでも、必要なった時にサッと取り出せるのは便利ではないでしょうか。
クリスマスツリーやひな人形、冬のコートやブーツなど、かさばりやすい季節アイテムの収納場所としても活躍するでしょう。
天井の高さが1.4m以下の空間は、床面が延床面積に含まれないため固定資産税が有利になる場合があります。
固定資産税の負担を少しでも軽減したい人は、スキップフロアの下を天井の低い収納庫として導入することをぜひ検討してみましょう。
ただし、延床面積に含まれない空間を合算した面積が、設置階の床面積の1/2以下であることが条件です。また、ロフトとしてスキップフロアを設ける場合は、直下の天井が高さ2.1m以上である必要もあります。
自治体によって条件が異なる場合がありますので、詳細は建築予定地の自治体ホームページなどを確認してください。
土地や建築予定地の条件によっては、スキップフロアのメリットをより活かして快適な住まいが実現できるでしょう。その条件を紹介しますので、ご自身の家づくりと照らし合わせながら確認してみてください。
狭い敷地や傾斜がある土地に家を建てる場合、間取りに制限が生じやすいでしょう。スキップフロアを取り入れると限られたスペースを有効活用できるほか、開放的な空間を演出して室内の圧迫感を軽減できるでしょう。
斜面に家を建てる場合は、地下室や擁壁(壁状の構造物)を取り入れる間取りが一般的です。しかし、あえて斜面を活かしてスキップフロアを設けることによって、土地の高さを活かした設計ができます。土留めや土盛りなど、地面を平らにするための大掛かりな工事が不要になるため、建築費用を抑えることにもつながるでしょう。
建築予定地が防火地域や準防火地域、斜線制限のある地域に該当する場合も、間取りの自由度を高める手段としてスキップフロアが重宝します。
「防火地域」「準防火地域」とは、都市計画法によって指定された、火災のリスクを回避する目的で制限が設けられた地域のことです。主に駅前や幹線道路沿い、建物が密集するエリアなどが指定されています。
もし当てはまる場合は、建築基準法にのっとった家づくりをしなければなりません。
住宅の延床面積や階数によってルールは異なりますが、いずれにせよ間取りが制限されるため、理想の家づくりを叶えるためにはスキップフロアの設置が有効です。
廊下や壁がなくとも設けられるため、建築基準法を守りつつ希望の広い居住スペースや収納量を確保できるという利点があります。
隣接する建物あるいは道路の、日当たりや風通しを確保する目的で定められた「斜線制限」に該当する場合は、建物の高さに制限があるため、場合によっては上部に傾斜を設ける必要があります。スキップフロアであれば傾斜を活かした設計もできます。
こちらはデザインやインテリアにこだわった、スキップフロアのある住まいの実例です。片流れ屋根の勾配天井を活かし、平屋のLDKに中二階のスキップフロアが設けられています。
木の風合いを感じる床や建具、ブラックの収納扉に合わせた色合いのインテリアによって仕上がった、統一感のある空間が特徴です。
また、アイアンの柵や階段に張られたモザイクタイルなど、細部までこだわったデザインがおしゃれ空間の実現に一役買っています。
床下は全面が収納スペースになっており、収納力の高さが期待できるでしょう。大きな収納スペースのある、おしゃれなスキップフロアを設置したい人はこちらの事例をぜひ参考にしてください。
スキップフロアには、開放感のある空間を演出しながら縦のスペースを有効活用できるという魅力があります。室内を広々とした印象にしたい人はもちろん、間取りに制限があり床面積を増やしたい場合にも最適です。
床下部分は収納スペースに利用できますので、デッドスペースを活用したり間取りの自由度を高めたりしたい人は、ぜひスキップフロアの設置を検討してください。
本記事で紹介した間取り実例も参考にしつつ、理想の住まいを完成させましょう。