住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
吹き抜けは開放的で明るい空間を実現できる魅力的な間取りですが、3階建て住宅に取り入れる場合は、2階建てよりも採光や風通しの良い、開放的な空間にするために、タテの空間設計の工夫が必要不可欠です。
そこで本記事では、吹き抜けのある3階建て住宅のメリットや注意点を建築実例とともに紹介します。大切なポイントを押さえて、快適に過ごせる吹き抜け付きの3階建て住宅をプランニングしましょう。
天井や屋根の一部もしくはすべてを抜いて、上下階につながりをもたせた空間のことを「吹き抜け」といいます。大きな開口部から効率的に採光や外気を取り込むことのできる吹き抜けは、住宅密集地などで暗くなりがちな3階建て住宅との相性が抜群です。
3階建て住宅は平屋や2階建て住宅に比べて高さがあるため、高窓や天窓から自然光を取り入れることができ、室内全体が明るく開放的になります。住宅密集地に3階建て住宅を建てる場合は、吹き抜けを設置することで日当たりの問題が解消されるでしょう。
吹き抜けのある3階建て住宅の建築実例を、こだわりのポイントともに紹介します。
写真も参考にしながら、間取りのヒントを見つけて今後の家づくりに活かしましょう。
まず紹介するのは、2階リビングの上部に大きな吹き抜けが設けられた3階建て住宅の建築実例です。3階の窓やガラスブロック越しに入り込む自然光で、2階のLDKが明るく開放的な空間になっています。なお、1階は手芸教室用のサロンスペース、2,3階が住居スペースとなっています。都市部の立地でも緑や眺望を楽しめるようにと設置された屋上は、一部が芝生で緑化された素敵なプライベート空間です。空の下で自然を感じながらティータイムを楽しんだり、愛犬のドッグランの場所にもなっています。
自宅にいながら自然をたっぷり満喫したい人は、こちらの実例を参考にしながら吹き抜けや、屋上の設置を検討してはいかがでしょうか。
リビング上部の大きな吹き抜けと屋上が気持ちのいい住まいの建築実例を見る
次に紹介するのは、2階のリビング上部に広がるダイナミックな吹き抜けが印象的な3階建て住宅です。日当たりの良い2階部分に吹き抜け付きのLDKを設けることで、家族の団らんスペースに明るい日差しが入り込み、快適な空間になっています。
キッチンから見える位置に吹き抜けが配置されているので、開放的な気分で家事をこなせるのも魅力の一つです。
家族が趣味の音楽を存分に楽しめるようにと、1室は防音仕様が施されている点も見逃せません。防音工事はリフォームでも対応できますが、費用や工期を考えると新築の段階で採用しておくのが最良の選択でしょう。
ダイナミックな吹き抜けが3階とつながる住まいの建築実例を見る
こちらの3階建て住宅では、2階リビングに2か所の吹き抜けが設けられています。
シースルー階段を活用した吹き抜け空間と、ダイニング上部の吹き抜けです。2階リビングは仕切りも取り払ったことで、開放感のあるおしゃれな雰囲気になりました。吹き抜けによって、3階の居室で過ごす子どもの気配を感じやすいというメリットもあります。
なお、今回紹介した3つの実例では、いずれも自然光や外気を取り込みやすい2階や3階にLDKが配置されています。3階建てでは特に1階は日が入りにくい傾向があります。吹き抜けのある3階建てをプランニングする際は、2階リビングや3階リビングを検討するといいでしょう。
吹き抜けとシースルー階段で明るく伸びやかな住まいの建築実例を見る
3階建て住宅に吹き抜けをつくることで、日々の暮らしがより豊かになります。
具体的なメリットを紹介しますので、吹き抜けの設置を検討中の人はぜひ参考にしてください。
3階建ての住宅は住宅密集地に建てられることが多く、プライバシーの問題から窓を設置しにくいという欠点があります。特に15坪以下の狭小住宅の場合は、居住空間の狭さに圧迫感を覚えるかもしれません。
このような、空間の閉塞感や圧迫感を和らげてくれるのが吹き抜けの存在です。上下階がつながって天井が高くなることで、視界が縦に広がり、開放的で広々とした印象の空間になるでしょう。
3階建て住宅はフロアごとに用途を分けた空間づくりができる一方で、独立性が高まり、フロア間のつながりが希薄になりやすいデメリットがあります。吹き抜けを設置することによって階層にゆるやかなつながりが生まれ、各フロアで過ごす家族の気配を感じやすくなります。
家族間のコミュニケーションを大切にしたい場合は、吹き抜けに面した廊下に書斎やキッズスペースを設けるという選択肢もあります。作業をしながら別のフロアにいる家族へ声掛けができるため、階段移動の手間を省くことにもつながるでしょう。
吹き抜けに天窓や高窓を組み合わせることによって、3階の高窓や天窓から取り込んだ自然光を1階や2階に効率良く届けることができます。立地条件に関係なく採光を確保できるのは、吹き抜けならではの大きなメリットです。
住宅密集地においては、外部からの視線を気にすることなく自然光や外気を取り込めるのは大きなメリットです。
吹き抜けには多くの魅力がありますが、設置の際に注意すべき点がいくつかあります。
押さえたポイントを設計に取り入れ、吹き抜けのある快適な3階建て住宅を手に入れましょう。
吹き抜けと3階建て住宅に共通するデメリットとして、上下階の温度差が生まれやすいことが挙げられます。暖気は上昇し、冷気は下部に溜まるという性質があるため、夏場は3階部分が暑くなり冬場は1階部分が冷え込みやすくなるでしょう。
各フロアにエアコンを取り付けるという選択肢もありますが、エアコンでは大きな空間の室温を一定に保つことが難しく、光熱費が高額になる恐れがあります。
対策として、高断熱性・高気密性の住まいをプランニングするとともに、室内の空気を循環させるためのシーリグファンの設置を検討しましょう。あわせて全館空調を取り入れることにより、快適な室温を長時間保ちやすくなります。
フロアがつながっているという構造上、吹き抜けにはニオイや音が他の階に伝わりやすいというデメリットもあります。換気扇の設置や防音工事を施すといった対策で、ニオイや音が広がりにくい空間づくりを目指しましょう。
また、静かに過ごしたい寝室や書斎は、吹き抜けから遠い場所に配置するのも有効な対策です。
吹き抜けを設けることによって、必然的に吹き抜け上階の床面積が小さくなります。敷地の広さが限られている場合、居室や収納のスペースや数が制限されるかもしれません。
吹き抜けを設置する際は、必要な居室や収納の数やスペースを確保したうえで設計を進めることが重要です。小さな子どもがいる家庭では、成長にともない荷物の量が増えることも留意しておきましょう。
吹き抜けは、採光や風通しの問題が懸念される3階建て住宅と相性の良い間取りです。
室温管理やニオイ・音への対策、居住スペースや収納スペースを確保したうえで、吹き抜けのある快適な3階建て住宅を設計しましょう。
間取りやデザインに行き詰まった際は、本記事で紹介した間取り実例をぜひ参考にしてください。