住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
駐車場のサイズは、車両の種類に応じて変わり、将来の車両の買い替えや増車に対応できるよう十分なスペースを確保することが求められます。また駐車場は自宅の一部であるため、周囲とのバランスも考慮することが必要です。
この記事では、自宅駐車場のサイズや設計基準について詳しく解説します。自宅に駐車場を検討している方はぜひ参考にしてください。
国土交通省が示す寸法基準は、駐車場設計において重要な指針です。寸法基準は、下表のとおりです。
対象車両 | 長さ | 幅員 |
軽自動車 | 3.6m | 2.0m |
小型乗用車 | 5.0m | 2.3m |
普通自動車 | 6.0m | 2.5m |
小型貨物車 | 7.7m | 3.0 |
大型貨物車およびバス | 13.0m | 3.3m |
国土交通省が示す寸法基準については、国土交通省|駐車場設計・施工指針についてを基に執筆しています。(1994年9月時点の情報)
上記基準は法律に基づいており、地方公共団体が駐車場を整備する際の目安となります。自宅用の駐車場に関しては、一般的に「幅2.5~3.0m × 長さ5.5~6.0m」のサイズが推奨されています。
さらに、駐車場の設計には車両のサイズに応じた幅や長さのほか、ドアの開閉や通行スペースも考慮しなければなりません。たとえば普通車の場合、少なくとも幅2.5mを確保する必要があると言われています。
駐車場のタイプによって必要な寸法は異なり、各種駐車方式の寸法やポイントを押さえておくことが重要です。ここでは、駐車場のタイプ別で変わる寸法について解説します。
縦列駐車は、一列に並んだ車の間に停める方式で、基本的にはバックで駐車するため、駐車スペースの長さは自分の車の1.5倍程度を確保することが推奨されます。たとえば、全長4.5mの車の場合、約6.75mのスペースが必要です。
また、幅は扉の開閉のためにプラス1mを目安にし、1.8m程度確保しましょう。
複数台を縦列駐車する際は、台数分の広さが必要です。計画的なスペースの確保を検討するようにしましょう。
並列駐車は、道路に対して平行に車を停める方式です。この方法は前面道路が狭い場合でも設置可能ですが、長さを広めに確保することで停めやすくなります。具体的には、車の長さの倍以上の間口と、車の幅に90cm以上の余裕をもった奥行きが必要です。
たとえば、全長4.5mの車の場合、間口は9m、奥行きは車幅2mに90cmを加えた2.9m以上が理想です。
直角駐車は、道路と直角に車を入れる一般的なスタイルです。この場合、前面道路の幅は4m以上、駐車場の左右には合計90cm以上のスペースが必要です。
もし前面道路が4m未満の場合や大型車を駐車する場合は、バックの切り返しがスムーズにできるようにするためにも、幅を1m以上広げるとよいでしょう。
たとえば軽自動車の場合は、全長が約3.4m、幅2.5m以上確保します。
駐車場の設計には、利用する人々の利便性や安全性を確保するための配慮が必要です。ここでは、駐車場設計で考慮すべきポイントを紹介します。
複数台の車を並列駐車する際は、各車両の間に通行用スペースとして60cmを確保することが必要です。たとえば2台の普通車を停める場合、車体の幅(約1.7m)に加え、両サイドと車の間に60cmのスペースが必要となり、合計で約4.4mの幅が必要です。
前面道路が5mより狭い場合、駐車場の設計には特に注意が必要です。狭い道路では、車がカーブを描きながら駐車するため、駐車場の間口を広くすることが求められます。具体的には、車の回転半径を考慮し、通常の駐車場幅よりも広めに設定するようにしましょう。
たとえば、間口を3mから4m程度にすることで、スムーズな出入りが可能です。
車椅子利用者のための駐車スペースは、スムーズな出入りを考慮し、通常よりも幅広いサイズが必要です。具体的には、車椅子が転換できるよう介護者が付き添える1.4m以上の乗降用スペース幅を加え、全体で3.5m以上を確保することが推奨されます。
また、周囲には障害物がないようにし、バリアフリーな環境を整えることが重要です。
斜面に駐車場を設置する際は、車両の安定性を考慮することが重要です。スロープ状のアプローチを設けることで、斜面と駐車場の接続部をスムーズにし、車両の負担を軽減できます。さらに、傾斜に応じた適切な勾配を設定することが求められ、通常は10%以下が望ましいとされています。
雨水の流れを考慮し、排水設備を整えることや、景観に配慮したデザインも重要なポイントです。
敷地の形状による制約は、駐車場設計において重要なポイントです。たとえば、細長い敷地やL字型の敷地では、通常の駐車スペースを確保するのが難しいため、縦列駐車を採用するとよいでしょう。
駐車場の設計では、将来的な車の買い替えや買い足しの可能性を考慮することが重要です。たとえば、現在はコンパクトカーを使用していても、家族が増えれば大きな車が必要になるかもしれません。
また子どもが成長することで、追加の車が必要になる可能性もあります。こうした変化に対応できるよう、駐車スペースを余裕をもって設計することが求められます。
駐車場の床面には、砂利、コンクリート、レンガなどの素材が使われますが、耐久性やコスト、メンテナンス性が異なります。ここでは、駐車場の床面の素材について解説します。
砂利敷きは、施工費用を抑えたい方に人気の選択肢です。たとえば、1台分の駐車場をつくる際、約10万円で済む場合があります。また、色合いを選べるため、見栄えの面でも工夫が可能です。
しかし砂利が跳ねて車体に傷がつくリスクや、定期的な補充が必要な点には注意しなければなりません。さらに、砂利の移動や沈下が起こりやすく、メンテナンスも必要です。
コンクリートは耐久性が高く、長期間使用しても変形や破損が少ないのが特徴です。汚れも簡単に水で洗い流せて、メンテナンスが楽になります。ただし、施工費用は20万円以上かかることが多いです。
一方、インターロッキングはデザイン性に優れ、色や形を選べるため、家との調和が図りやすいです。しかしコストは高いほか、職人の技術によって仕上がりに差が出ることがあります。
駐車場の床面にレンガやタイルを選ぶと、デザイン性を高められます。たとえば、異なる色や形のレンガを組み合わせることで、個性的なパターンを作成できます。
しかし、耐久性に関しては注意が必要です。特に、車の重さが集中するタイヤの周辺は砕けやすくなるため、コンクリートや砂利と組み合わせるなど、見た目と機能性を両立させる工夫が求められるでしょう。
駐車場の床面に人工芝を採用することで、外観に緑のアクセントを加えることが可能です。人工芝は天然芝と比べて手入れが簡単ですが、車重による衝撃には弱い点があります。そのため、駐車スペースにはコンクリートや砂利などの異素材を組み合わせて使用することが推奨されます。
たとえば、駐車エリアの周囲に人工芝を敷き、その中心にはコンクリートを配置することで、美しさと機能性を両立させることが可能です。
駐車場にはオープンタイプ、カーポート、ビルトインガレージなどがあります。ここでは、駐車場のタイプについて解説します。
オープンタイプの駐車場は、費用が格段に安いのが大きなメリットです。舗装素材によりますが、安ければ約8万円から設置可能で、数十万円で済むこともあります。
柱を立てないため、土地を広く使えるのも魅力です。しかし、雨風や鳥の糞にさらされるため、車の保護には注意が必要です。
カーポートは、屋根があるため車を鳥糞や紫外線から守ることができ、ガレージよりも費用が安めです。後方支持タイプや背面支持タイプを選ぶことで、デザイン性も高められます。
しかし、柱が少ないオープンな設計では安定性が欠けることがあり、風や雨の影響を受けやすいため注意が必要です。両側支持タイプを選ぶことで安定性を向上させることが可能ですが、横からの雨や土埃は防げない点に注意が必要でしょう。
ビルトインガレージは、車を外部から守り、シャッターを設置することで防犯対策にもなります。愛車を近くで感じられるため、作業スペースとしても活用できるのが魅力です。
しかし施工費用は約150万円以上と高額で、排気ガスや騒音の問題が生じる可能性があります。また住居が2階以上になるため、移動が不便に感じる可能性もあります。なお、耐震性も考慮する必要があるでしょう。
注文住宅の駐車場設計では、車両の種類に合わせて十分なスペース確保が重要です。国土交通省の基準に従い、車種に応じた寸法を考慮し、縦列や並列駐車、直角駐車などのタイプに応じた調整をしましょう。また、周囲とのバランスやバリアフリー対応を考慮し、将来的な車両変更にも対応できる設計が求められます。
車両を安全に駐車できる駐車場の計画を、マイホーム計画と同時におこない、過ごしやすい環境を整えましょう。