国土交通省平成21年度第1回「高齢者居住安定化モデル事業」で
パナホームによる3件の提案が採択
2009年8月
パナホーム株式会社(本社:大阪府豊中市、社長:上田 勉)では、このたび、国土交通省による平成21年度 第1回「高齢者居住安定化モデル事業」で、当社による3件の提案(単独提案1件・共同提案2件)が採択されました。
当モデル事業は、今年度に創設されたもので、先導的な高齢者向けの住宅に関する技術・システム等の導入や高齢者向けの生活支援・介護サービス等が効率的・効果的に提供される住まいづくり・まちづくりのあり方について、広く国民に提示し、技術の進展に資する事業を、国が公募し、建設工事費等の一部を補助する制度です。
今回、4月から5月にかけて公募があり、全118件の提案が評価の対象となっておりましたが、このたび、評価機関である財団法人 高齢者住宅財団・株式会社 福祉開発研究所により26件のモデル事業が採択され、7月27日に、国土交通省および財団法人 高齢者住宅財団のホームページで公表されました。
当社では、高齢者賃貸住宅「サンリスタ守口」(ISO9001取得)や介護付有料老人ホーム「ケアビレッジ千里・古江台」(ISO9001取得)で培ってきたノウハウをベースに、全国各地で1000棟を上回る医療介護建築の実績をはじめ、戸建住宅やリフォーム事業における、さまざまなノウハウを生かして提案。地域における連携も考慮しつつ、当社独自の先導的な事業提案としました。
■採択提案の概要
[1]千里ニュータウンにおける居住継続安心システム
- 【提案者】
- パナホーム株式会社 <単独提案>
- 【事業の種類および提案の方法】
- (1)住宅および高齢者の居住の安定確保に資する施設の整備 −システム提案−
- (2)高齢者の居住の安定確保に関する技術の検証
- 【概要】
- 当社が、千里ニュ−タウン(大阪府吹田市・豊中市)において、高齢者の住民を対象とする会員組織を設立・運営し、コンサルティングサービスを提供しながら、戸建住宅のバリアフリー改修をはじめ、高齢者賃貸住宅や介護に対応した戸建住宅の新築に対応します。
また、当社が運営する介護付有料老人ホ−ム「ケアビレッジ千里・古江台」(大阪府吹田市)を拠点として在宅医療・介護の出張サ−ビスを提供するほか、ケアプランやファイナンシャルプランを提案できる「エイジングコ−ディネ−ター」が、パソコンによる“エイジング電子カルテ”を用いて、医療・福祉や資産活用も含めた相談サ−ビスを提供します。
さらに、千里ニュ−タウンにある50以上のNPO団体と当社が連携を図り、地域にある700棟以上の空き家の有効利用等について取り組むことで、高齢者が安心して居住できる住環境の創出を進めていきます。
この提案では、戸建住宅事業をはじめ、リフォーム・賃貸住宅・介護福祉施設の各事業部門で培ったノウハウを有機的に連携させ、高齢者の生活拠点となるハード(建物)を整備しながら、医療・介護や資産活用に関するソフト(サービス)を提供。住民が、いつまでも安心して住み続けられる街づくりをめざします。
- 【評価機関による概評】
- 介護住宅・賃貸住宅・介護施設を有機的に連携した、持続可能なト−タルマネジメントシステムとして評価されました。また、「NPOとの連携による700棟以上の空き家の有効利用、NPO団体の活性化、エイジングカルテの効果に期待したい」と、街の再生に貢献する総合的な事業提案に対しても評価をいただきました。
ケアビレッジ千里・古江台
- ●「ケアビレッジ千里・古江台」について
- 2005年10月にオープンした、当社の設計・施工・自社運営による介護付有料老人ホーム。デイサービスセンターや診療所等も併設し、介護の必要な高齢入居者に安心と信頼あるサービスを提供します。
- 所在地:大阪府吹田市古江台5丁目3−7/構造・階数:軽量鉄骨 柱・梁ラーメン構造(一部 鉄筋コンクリート造)・2階建/延床面積:2930.54m2(886.48坪)/居室数:51室/入居対象者:満65歳以上の要介護認定者/契約形態:賃貸方式(定期借家契約20年)
[2]介護報酬債権担保付借上げスキ−ムを活用した、ケア付賃貸住宅事業システム
- 【提案者】
- 一般社団法人 移住・住みかえ支援機構(JTI)/パナホーム株式会社 <共同提案>
- 【事業の種類および提案の方法】
- (1)住宅および高齢者の居住の安定確保に資する施設の整備 −システム提案−
- (2)高齢者の居住の安定確保に関する技術の検証
- 【概要】
- 高齢者向けケア付賃貸住宅の運営事業において、JTIが建物所有者と介護事業者の間に介在し、介護事業者の介護報酬債権を担保することにより建物所有者への家賃支払いを保証します。このスキームは、介護事業者の信用力を補完し、高齢者向けケア付賃貸住宅の整備の促進が図れるビジネスモデルを構築しようとするものです。
JTIが関与することにより、サービス提供能力は高いが信用力が十分でない介護事業者が関与できる機会が高まり、優良なケア付賃貸住宅の建築が促進されることや、物件に対する入居者の信頼が向上することで、建物所有者による建築資金の調達が容易となるメリットが生まれます。
- 【評価機関による概評】
-
「介護事業者と建物所有者の間に、JTIが入ることで家賃保証を行い、ケア付賃貸住宅を促進するスキ−ムは、事業推進上、汎用性、モデル性があるもの」と評価されました。
また、「サービスの質が高いNPO等との連携に期待したい」として、全国展開が可能な先導的モデルとしての評価をいただきました。
小規模多機能+高齢者賃貸住宅(イメージ)
[3]セントラルビレッジを核にした『真和志地区』医療福祉循環構想
〈セントラルビレッジセンター〉による『あんしん』の仕組みづくり
- 【提案者】
- 医療法人 寿仁会/パナホーム株式会社 <共同提案>
- 【事業の種類および提案の方法】
- (1)住宅および高齢者の居住の安定確保に資する施設の整備 −個別提案−
- (2)高齢者の居住の安定確保に関する情報提供および普及
- 【概要】
- 高齢者人口の密度が高い沖縄県那覇市において、医療法人寿仁会が、デイサービスセンターや診療所、保育所を併設する全130戸の中規模・多機能高齢者対応施設「セントラルビレッジ」を開設。入居者はもちろん、地域の住民や子供を持つ勤労世帯にもサービスを提供し、世代を超えてさまざまな人々が利用できる仕組みを構築します。
また、地域に居住する65歳以上の高齢者を対象とする会員組織「セントラルビレッジセンター」を設立・運営し、スタッフである「シニアライフコーディネーター」が、会員の心と体、住宅、資産等の悩み・問題に対し、医師やケアマネージャー、弁護士、税理士等とのネットワークを活用しながらコンサルティングを行います。
- 【評価機関による概評】
- 「介護保険に相談支援サ−ビスを付加した会員組織の構築について、機能の組み合わせとしての先導性」が評価されました。また、「シニアライフコ−ディネ−ター、双方向システムの十分な活用を期待したい」との評価をいただきました。
■中規模・多機能高齢者対応施設「セントラルビレッジ」
高齢者賃貸住宅・グループホームなどの施設を核に、地域交流センター、診療所や保育施設などを併設した複合型施設。スタッフの住居なども整備し、「あんしん」に繋がる就業環境も創出。
■「セントラルビレッジセンター」による「あんしん」の仕組みづくり
高齢者のさまざまな悩みの相談に応じる「シニアライフコーディネーター」が専門家との連携を図る。
- 【ご参考】
- 国土交通省ホームページ
- http://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000019.html
- 財団法人 高齢者住宅財団ホームページ
- http://www.koujuuzai.or.jp/