住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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2010年7月23日
パナホーム株式会社(本社:大阪府豊中市、社長:藤井 康照)では、東京大学・株式会社 日建設計・海法圭建築設計事務所との産学共同研究とパナソニックグループ連携による『CO2±0(ゼロ)住宅』の研究棟が、このたび当社の本社工場(滋賀県東近江市)内に完成。2011年度中の商品化を目指し、実証試験を開始いたします。
『CO2±0(ゼロ)住宅』研究棟 外観
パナソニックの創業者である松下幸之助は、人間が生活していく上で住まいというものは、一番大切なものであるという信念から、当社の事業をスタートしました。創業者が「日本の家」の言葉と山と川の絵を描いた色紙には、地域の気候風土を踏まえながら、自然を享受し、快適にくらせる住まい、これこそがパナホームであるという思いが込められていました。
パナソニックグループの住宅会社として、パナホームは、創業者 松下幸之助の家づくりにかけるこの思いを原点に、環境革新に取り組んでまいります。
(中略)私たちは、地球環境との共存を求めて、持続可能な社会の構築に向けての新たな価値を生み出していく必要があります。事業活動に伴うCO2排出量の削減や循環資源への貢献、生物多様性などの新たな取り組みを、研究・開発、営業・設計、調達・生産・物流・施工、アフターサービス・リフォームに至る、家づくりの全てのプロセスでエコを考えたビジネススタイルを実践してまいります。
パナソニックグループの総合力を結集した「CO2±0(ゼロ)の環境革新住宅」の創出により、快適でエコなくらしをお届けし、お客さまとの生涯おつきあいの中で、様々な住生活のソリューションにお応えしていきます。
(「エコライフレポート2010」トップメッセージより)
上記に加え、
“安全・安心”“健康・快適”なくらしの創出で、
「CO2±0(ゼロ)の環境革新住宅」を実現してまいります。
『CO2±0(ゼロ)住宅』は、パナソニックグループの総合力を結集し、「家まるごと」で一歩先のエコを追求する住まいとして開発を目指します。
『CO2±0(ゼロ)住宅』は、優れた建物の気密・断熱性能をはじめ、日射熱取得や蓄熱、熱融通性能の「活エネ」による“パッシブ技術”と、「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」を実現する各種の設備・仕様による“アクティブ技術”の活用で、季節や生活シーンに応じた最適な“エネルギーマネジメント”を行い、CO2±0(ゼロ)のくらしを実現します。
実証試験は、住宅エネルギー検証、産学共同研究、パナソニックグループ連携の観点から、3年間の検証・評価を進めてまいります。
その間、2011年度中には、ソーラー発電またはW発電(ソーラー発電+エネファーム)による『CO2±0(ゼロ)住宅』の商品化を予定。この住まいでは、パナソニックグループが推進する環境配慮製品「グリーンプロダクツ(GP)」制度において、業界№1の環境性能を実現する“ダントツGP”を目指します。
また、2012年以降については、建物本体の性能や自然エネルギー活用の技術を進化させ、住宅全体の環境性能のさらなる向上を進めてまいります。
実証試験では、4人家族(夫婦と子供2人)を想定し、実際の家族が居住した上で、日常生活における創エネルギーと消費エネルギーの収支を検証・評価します。
「創エネ」「蓄エネ」「繫エネ」「省エネ」「活エネ」の技術テーマにおけるエネルギー収支を“家1棟まるごと”で検証し、エネルギー削減効果を評価します。
全回路の消費電力を1分間隔で計測できる「家まるごとエネルギー計測システム」により、データを取得するとともに、モデルデータとの比較検証を行います。
また、初年度に取得した電力消費のパターンをデータベース化し、次年度以降のデータと比較することで、エネルギー削減効果を定量的に検証します。
さらに、電気エネルギーのほか、空調エネルギーや給湯エネルギーについても測定を行い、年間を通したエネルギー消費量や効率を検証・評価します。
東京大学 前(まえ)准教授、株式会社 日建設計、海法圭建築設計事務所との産学共同研究では、自然活用による快適性の確保や省エネルギーな空気環境の創出について検証を行い、最適なプランニング等の“パッシブ技術”について研究を実施します。
1階LDKの床下、2階寝室の壁面には蓄熱材を設置。四季を通じて蓄熱効率について検証を行い、最適な配置箇所や採用量についても研究します。また、熱の取り込みに大きく関わる開口部の大きさや配置についても、設計手法の確立に向けた研究を行います。
※1:開口部から取り込んだ日射熱を蓄熱し、その輻射熱や空気の対流を利用して部屋の暖房に利用する方法。
メイン居室の空調熱を他室へ融通させ、快適性と省エネの実現を図る「熱融通」のテーマにおいては、1階LDKの空調熱を洗面室へ搬送するプランや2階南面の開口部から取り入れた太陽熱を融通するプランで効果・効率の検証を行います。
1階リビングに設置した、窓枠いっぱいに開放できる「フルワイドサッシ」や、2階階段室の通風窓・天窓の換気量を計測。換気量の実測値を通風シミュレーションの解析結果と総合的に検証し、建物の立地環境に応じた最適な開口部の大きさ・配置の計画について研究します。
また日射遮蔽においては、日射遮蔽効果と外観イメージとのマッチングに配慮したスダレ式の遮蔽材により、昼間の日射遮蔽効果や冷房負荷低減について検証します。
「ライフィニティECOマネシステム」 ※2や「(仮称)AC/DCハイブリッド配線システム」、「DC分電盤(試作品)」等、パナソニックグループの設備・仕様について、導入効果を検証します。
※2:パナソニック電工株式会社の登録商標です。
リビングの薄型プラズマテレビの画面で、家全体のエネルギー使用状況が把握できる「ライフィニティECOマネシステム」を採用。エネルギー使用を可視化することによる省エネルギー意識の啓発について、実生活を通じて検証を行います。
全室にLED照明を採用。LDKには従来の蛍光灯も設置し、LED照明の照度や消費エネルギーをシミュレーションするとともに、省エネルギー性能の比較を行います。
また、リビングには、次世代の面光源として有力な有機EL照明(試作品)も設置し、照度や快適性についての検証も行います。
直流電源のバックアップ蓄電機能を備えたDC分電盤(試作品)によるDC対応LED照明(試作品)への電力供給について効果検証を実施します。
屋外にリチウムイオン蓄電池を設置し、ソーラー発電電力の蓄電により、宅内への供給を予定しています。
2階の1室には、冷蔵庫の断熱素材として採用されている「真空断熱材(VIP)」を採用。真空断熱材と従来の断熱材を組み合わせて使用することにより、北海道等で要求される基準以上の断熱性能を実現します。実証試験においては、冬季の日射熱取得による無暖房化を中心に検証を実施します。
2011年度に商品化する『CO2±0(ゼロ)住宅』では、「省エネ」「活エネ」でCO2排出量を1.5トン[1990年築の在来木造住宅(4.5トン)に比べ約65%削減]にし、この1.5トンをソーラー発電システム(3.8kw)やエネファームによる「創エネ」で、約35%相殺することで、収支上ゼロのくらしを実現します。
当社は、2009年に打ち出された、パナソニック「エコアイディアハウス」(東京・有明)での「CO2±0(ゼロ)のくらし」のコンセプトを具現化させ、一般住宅での普及を加速させてまいります。
所在地 | 滋賀県東近江市中岸本208番地(パナホーム株式会社 本社工場内) |
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建物 | 軽量鉄骨造2階建 |
延床面積 | 135.0㎡(40.8坪)<1階:67.5㎡(20.4坪)・2階:67.5㎡(20.4坪)> |
実証試験および 商品開発計画 |
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<用語解説>