住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
ワークス 020
ダイナミックな吹抜けを設えたスタイリッシュなLDK。
オーナーさまは「夫婦二人の家だから車2台分の駐車場、客間1つとLDK、水まわりがあればいいから」と、細かなことは全面的にお任せという方でした。最初にオーソドックスな案を出してご意見をいただき、その中で“こうだったらいいな”とさりげなくお話されたことがありましたので、優先順位をつけてプランを再考しました。敷地が高低差のある細長い南向きの土地だったこともあり、玄関を敷地の奥に配置し、1階はLDKを広く取って客間を兼ねた和室を設え、2階に水まわりを設けるプランをご提案したところ、「これ面白い」と言っていただき即採用が決まりました。
狭いながらもどう広く見せるかという部分と、上質でありながらシンプルでかつ細部までこだわっている点が今回の設計の特徴です。間取りでは玄関と和室の一体感、関係性にこだわりました。玄関を入った正面に坪庭が見え、和室を開放することで玄関により広がりが出るところ、訪れた人をおっと驚かせるようなところです。堀座卓を用いて座った時に坪庭だけが切り取られた状態で見えるように工夫した『空間の見せ方』、そこに実用性を加えて、ご夫婦で食事を楽しんだり、来客とお酒を飲んだりできるように考えた『空間の使い方』をご提案し、オーナーさまにも共感をいただきました。
インテリアでは一つひとつの素材にこだわり、玄関収納と床の間、ダイニングの造作家具は全部寸法を決めてから同じ鉄錆調の大判タイルを使ってデザインし、気品が漂う住空間に仕上げました。早い段階からインテリア担当と連携し、オーナーさまご夫婦と営業の5人で何度も打ち合わせをしたり、あちこちのショウルーム見学に出かけたのは強く印象に残っています。外構も、敷地の三方に塀を設けアプローチにタイルを使うなど、植栽を含め徹底的にこだわりましたね。私たちを信頼して考えに同調してもらえたことは嬉しかったですし、この住まいは私たちの誰が欠けても実現しなかったと思います。