成田・羽田空港から電車で一本、押上（スカイツリー前）駅近くの好立地に2019年春、5階建の宿泊施設『SOLA HOTEL』がオープンしました。名前の由来は、スカイツリーの足元に広がる「東京ソラマチ」と、屋上テラスからの眺望。大空を背景に間近に眺めるスカイツリービューは、『SOLA HOTEL』最大の魅力です。

ホテルの経営が長年の夢だったというオーナーさまは、数年前に中古ビルを購入され、内装をリニューアルして最初は民泊として運営。今回はそれを建て替え、新たに長期滞在向けのホテル経営を計画されました。ご相談を受けた当社が設計・施工で最も工夫したのが、約30坪という敷地の生かし方です。15cmきざみで鉄骨を動かすことにより、やや斜めに変形した角地を最大限に生かしつつ、立体感のある建築でホテルとしての外観感性を高めました。外壁は2色の光触媒タイル「キラテック」を貼り分け、やさしい和のイメージに仕上げています。

「ホテルの外壁をメンテナンスするには、かなり前から予約をストップして、その期間は営業停止にしないとお客さまに迷惑がかかります。セルフクリーニング効果のあるタイル外壁は、初期投資は高くても長い目で見ると営業的にもいいと考えました」とオーナーさま。和をモチーフにした客室プランや内装、エントランスで靴を脱いで上がる日本旅館スタイル、特注の客室サインや照明の演出、各室に完備された食器やカトラリーに至るまで、『SOLA HOTEL』にはオーナーさまのセンスとこだわりが息づいています。

「私自身、旅行が大好きなんです。これまでに40ヵ国くらい旅して、お城に泊ったことも個人経営の小さなホテルに宿泊したこともあります。逆に海外から日本に来たらどんな部屋に泊まりたいかなと考えてつくりました」。経営をスタートして想定外だったのは、国内からのお客さまが多かったこと。東京の観光スポットにありながら家族とゆったりくつろげるホテルは、日本人にも求められているようです。