住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
「北摂エリア」とも呼ばれる豊中市や吹田市、摂津市、高槻市など大阪府北部エリア。大阪市中心部への通勤・通学に便利なことから、住宅街が広がる地域です。その中でも、暮らしやすさに必要な良好な交通事情や商業施設がそろう豊中市は、兵庫県内では伊丹市・尼崎市に隣接する、北摂エリアの中核です。
豊中市と吹田市にまたがるのが、大阪万博が開催された1970年完成の日本初となる大規模ニュータウン「千里ニュータウン」です。街の中心駅である、北大阪急行線の千里中央駅から新大阪駅まではおよそ13分、大阪有数の繁華街、梅田駅までは約20分。
電車は国道423号線「新御堂筋」と並走しており、車通勤にも便利ですが、渋滞することも考えると、日常では電車での移動がメインになるでしょう。2024年3月には、北大阪急行線が箕面方面に延伸する予定ですので、さらに交通の利便性が上がることが予測されます。
また、千里中央駅にはもう一つ、大阪中央環状線と並走する大阪モノレールが通っています。北大阪急行線が南北に走るのに対して、こちらは豊中市を東西に走る路線。蛍池駅では大阪梅田と宝塚を結ぶ阪急宝塚線に乗り換えることもでき、終点は大阪空港駅です。そのため、日常生活のみならず、出張やレジャーなどで新幹線や飛行機などを使用する際の利便性も高いと言えます。
加えて名神高速道路、中国自動車道の豊中ICもあることから、車での長距離移動にも差し支えがありません。移動手段だけをとってみても、豊中市の便利さがうかがえます。
豊中市には大小さまざまな商業施設があります。その多くは駅直結、あるいは至近な場所にあり、千里中央駅の駅前にあるデパート「千里阪急」や「SENRITO よみうり」、家電量販店、阪急宝塚線駅近辺には「エトレとよなか」「サンパティオ」「桜塚ショッピングセンター」などの商業施設が点在。駅からやや離れた場所でも「イオンタウン豊中庄内」「イオンタウン豊中緑丘」があります。
その他、「千里中央公園」「千里東町公園」「千里西町公園」「服部緑地」など、広い敷地を持つ公園が多いのも特徴でしょう。服部緑地には、日本民家集落博物館や野外音楽堂、乗馬センターなどのレジャー施設もあります。加えて、春には桜が美しい「三ツ池」など、自然を感じられる場所が身近にあることも、人気の所以かもしれません。
このように住環境が充実している豊中市は、教育にも力を入れていると言われています。
小中高校の数は平均的ですが、行政ではインターネットの導入や語学、防災などについての教育も指導方針に取り入れ、幅広く子どもたちが学べる環境を整える努力を行っています。航空会社のパイロットやCA、整備士を招き、実際の仕事の現場の声を聞いたりマナーを学ぶことで、子どもたちのキャリア形成につなげるなどユニークな教育を展開する市内の中学校も存在。
豊中市によると、「令和5年度(2023 年度)全国学力・学習状況調査」の結果、中学校の数学・英語はすべての領域において全国平均と比較して正答率が高い結果が出たと発表されており、子育て中のファミリー層も安心できるエリアと言えるでしょう。
加えて大阪大学豊中キャンパスや大阪音楽大学もあり、全国から学生が集まるエリアでもあります。前述した通り、交通・生活面で利便性の高い地域だけに、ファミリーだけでなく、ワンルームや1Kといった学生や単身者向けのアパート需要もあると考えられます。
ただし豊中市では、戸数に応じた駐車スペースの確保が必要です。たとえば、20戸数以下の場合は、戸数の1/3以上の台数分の駐車スペースを確保する必要があります。専有面積40㎡未満の単身者住居の場合は、戸数の1/4以上の駐車スペースが必要となるため、自家用車を所有している可能性が高いファミリー層をターゲットとするか、もしくは単身者をターゲットとするかは、近隣環境と所有する敷地面積を鑑みて検討するのが良いかもしれません。
豊中市の人口は、大阪府内で大阪市、堺市、東大阪市についで4番目。吹田市と僅差ではありますが、北摂エリアではトップで、転入と転出もほぼ同数です。
2023年に行われた国勢調査では、豊中市の人口は399,270人。市の人口の中で最も多いのは40~54歳で約20%。25~39歳では約16%。働き盛りの世代が1/3を占めており、活気のある街だと推測できます。また、20年にわたり人口約40万人をキープしていることから、人が離れない、もしくは転出と転入数に大差がなく、豊中市が住みやすい街として人気であるとも言えるでしょう。
豊中市が子育て世代に人気がある理由のひとつに、0歳から義務教育終了まで受けられる児童手当(月1万~1万5千円)の他、18歳までが対象となる「子ども医療費助成制度」「ひとり親家庭医療費助成制度」など、子どもの医療費助成制度が充実していることがあるでしょう。
住宅確保に配慮が必要な人への居住支援を行う、「豊中市居住支援協議会」という団体もあります。住宅確保に配慮が必要な人の民間賃貸住宅入居を目指し、豊中市と不動産事業団体、福祉事業団体がタッグを組み、住宅に関する相談や情報提供などの支援を行う団体です。
住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅「セーフティネット住宅」として豊中市に登録を行うと、国から改修費の補助や融資を受けられる可能性もあるため、アパート経営を予定している場合、社会貢献の視点から問い合わせてみるのも良いかもしれません。
利便性もよく商業施設もあり、教育環境も整った豊中市。行政によるサポートもあり、生活しやすい地域であると読み解けます。幅広い層の需要が考えられますが、大阪市中心部へのアクセスを考えると、若年世代にも人気が高い街であると言えるかもしれません。
では、若年層にターゲットを絞ったアパート経営を行う場合はどのようなアイディアがあるでしょうか。
市の西部を走る阪急宝塚線沿線は、古くから大阪市近郊の住宅地として開発され、市の北東部に位置する千里中央駅周辺はニュータウンとして整備されました。そのため昔ながらの商店街や公団住宅などが残りつつも、生活に必要な施設が集約され、幅広い年齢層に受け入れられるエリア。特に、子どもをのびのびと遊ばせることができる公園・緑地付近の賃貸住宅は、より子育て世代に魅力的に映るでしょう。
子育て世代にとっては、先々子ども部屋が必要になる可能性もあるため、2DK以上のゆとりのある間取りを希望される方が多いと言われています。そのため戸数は限られてしまうかもしれませんが、長く住んでもらうことを優先して考えるのも一案です。
ゆとりある間取りはもちろん、階数によってはベビーカーが乗れるエレベーターや宅配便などの受け取りに便利な宅配ロッカーを設置する、駐車場を完備するなども良いでしょう。
豊中市内には複数の大学もあり、またエリアによっては豊中市外の大学へ通学する学生が住む可能性も十分考えられます。学生だけでなく、社会人単身者もターゲットとなるでしょう。特に、大阪大学豊中キャンパスがある大阪モノレール沿線や、新大阪・梅田に直通する北大阪急行沿線の場合は、大学生やビジネスパーソンは意識したいターゲット層。
モニター付きインターホンの他、宅配ロッカー、無料インターネット環境、浴室乾燥機、24時間のゴミステーションなど、利便性の良い設備で差別化できるよう工夫したいところです。また、部屋選びに関する調査では、単身者でもキッチンの充実度を挙げる声もあります。コンパクトな間取りでも、入居者にストレスを感じさせない設備を整えられると良いでしょう。
【まとめ】
豊中市は北摂エリアの中核都市、大阪のベッドタウンとして人気の街です。
交通の利便性が高く通勤・通学に至便で、さまざまな商業施設も充実しており、子育て支援をはじめ、さまざまな支援制度もあります。
幅広い世代が暮らしやすい人気エリアでのアパート経営に安心せず、しっかりした近隣環境分析や明確なターゲット設定を行うことが、長期で理想的なアパート経営を行う秘訣となるでしょう。