住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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不動産の相続や売却、あるいは土地活用を始めようとした際、ハウスメーカーや金融機関から「登記事項証明書(登記簿謄本)を取得してください」と言われて戸惑った経験はないでしょうか。
登記事項証明書は、その土地や建物が「誰のものか」「どんな権利がついているか」を公的に証明する非常に重要な書類です。しかし、いざ取ろうとすると「全部事項と現在事項のどちらを選べばいいの?」「どこで取るのが一番安くて便利?」「住所を入力してもエラーになる」と迷ってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、取得した証明書を確認せずに放置していると、昔の住宅ローンの抵当権が残ったままになっていたり、名義が先代のままであることに後から気づき、いざという時の売却や土地活用に大きな支障をきたす恐れがあります。
本記事では、登記事項証明書の基本的な取得方法や見方から、混同しやすい権利証との違い、安全に不動産の手続きを進めるために必ずチェックすべき注意点まで、分かりやすく解説します。
【目次】
不動産の売買や相続、土地活用を検討する際に必ず目にするのが「登記簿謄本(登記事項証明書)」です。しかし、初めて手にすると専門用語が多く、どこに何が書かれているのか戸惑う方も少なくありません。
本記事では、登記簿謄本の基本構成である「表題部」「権利部(甲区)」「権利部(乙区)」それぞれの読み方を、具体的な項目ごとにわかりやすく解説します。取得方法や費用、不動産取引・土地活用で確認すべきポイントまで網羅していますので、ぜひ参考にしてください。

登記簿謄本とは、法務局(登記所)が管理する不動産登記簿の内容を証明する公的書類です。土地や建物の所在・面積・所有者・担保権などの情報が記載されており、不動産取引や融資審査の際に必須の書類となります。不動産登記法に基づき、誰でも手数料を支払えば取得できます(不動産登記法第119条)。
かつて登記簿が紙(バインダー方式)で管理されていた時代は、その写しを「登記簿謄本」と呼んでいました。現在は全国の法務局でコンピュータ化が完了しており、電子データから出力した書類は正式には「登記事項証明書」と呼ばれます。記載される内容・法的な効力は同じであり、実務上は今でも「登記簿謄本」と呼ばれることが一般的です。本記事でも便宜上「登記簿謄本」の表記を使用します。
登記事項証明書には主に4つの種類があります。「全部事項証明書」はすべての登記内容(過去の履歴を含む)が記載されたもので、不動産取引では最も多く使われます。「現在事項証明書」は現在有効な情報のみ記載されたもの。「一部事項証明書(何区何番の証明書)」は特定の区(甲区・乙区)だけを抜粋したもの。「閉鎖事項証明書」は閉鎖された登記記録を確認するためのものです。通常の不動産取引では「全部事項証明書」を取得すれば問題ありません。
区分 | 記載内容 | 主な確認ポイント |
表題部 | 土地:所在・地番・地目・地積 建物:所在・家屋番号・種類・構造・床面積 | 物件の基本情報・面積・用途 |
権利部(甲区) | 所有権に関する事項(所有権保存・移転・差押え・仮登記など) | 現在の所有者・過去の所有権の移転履歴 |
権利部(乙区) | 所有権以外の権利(抵当権・根抵当権・地上権・賃借権など) | ローン残債の有無・担保設定状況 |
共同担保目録 | 同一の債権を担保するために設定された他の不動産の一覧 | 担保に入っている他の物件 |

表題部には、その不動産が「どこに、どのような状態で存在するか」という物理的な状況が詳しく記載されています。土地と建物で記載される内容が異なるため、それぞれの項目を正確に読み解く必要があります。
一方、「構造」は、建物の主な部分の構成材料、屋根の種類、階数に基づいて記載されます。不動産登記規則第114条では、構成材料による区分として「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」など、屋根の種類による区分として「かわらぶき」「スレートぶき」「陸屋根」など、階数による区分として「平家建」「2階建」などが定められています。そのため、登記事項証明書では「木造かわらぶき2階建」「鉄筋コンクリート造陸屋根5階建」のように、構成材料・屋根・階数を組み合わせた形で記載されます。
権利部(甲区)には、「その不動産の所有者が誰で、いつ、どのような経緯で所有権が移ったのか」という所有権に関する歴史が時系列で記載されています。上から順番に古い情報が並び、一番下に書かれているものが「現在の状況」を示します。
権利部(乙区)には、「所有権以外の権利」が記載されます。実務上で登場するほとんどが、銀行などの金融機関が設定する「抵当権(ていとうけん)」や、企業が設定する「根抵当権(ねていとうけん)」といった担保に関する権利です。
順位番号による優先順位: 1つの不動産に複数の銀行から抵当権が設定されている場合、左側に書かれた「順位番号」が若い順(1番、2番…)に、万が一の際の弁済を受ける優先権があります。新たな融資を受ける際、金融機関は自社が何番目の順位になれるかを非常に重視します。

登記簿謄本(登記事項証明書)の取得方法は主に3つあります。
①法務局の窓口
全国どの法務局でも、どの地域の不動産の証明書でも取得可能です。申請書に所在地と地番(または家屋番号)を記入して提出します。手数料は1通600円です。
②オンライン請求
法務局の「登記・供託オンライン申請システム」から請求でき、郵送で受け取る場合は1通520円、最寄りの法務局で受け取る場合は1通490円と窓口より安くなります(2025年4月1日改定後の手数料)。平日の午前8時30分から午後9時まで利用可能です。
③郵送による請求
法務局所定の申請書に手数料分の収入印紙を貼付し、返信用封筒を同封して郵送します。手数料は窓口と同じ1通600円です。なお、「登記情報提供サービス」を使えば、法務局に行かずにオンラインで登記情報を閲覧することもできます(1件331円、証明書としての効力はなし)。
取得方法 | 手数料 | 受取時間 | 特徴 |
法務局窓口 | 600円/通 | 即日 | 地番不明でも職員に相談可 |
オンライン(郵送受取) | 520円/通 | 数日 | 自宅で完結 |
オンライン(窓口受取) | 490円/通 | 即日〜翌日 | 最安・窓口より割安 |
郵送請求 | 600円/通 | 1〜2週間 | 遠方の法務局にも請求可 |
登記簿謄本の取得には住所(住居表示)ではなく「地番」が必要です。住居表示は建物の場所を示す番号で、地番は土地一筆ごとに法務局が付与する番号であり、両者は異なる体系です。地番を調べるには、法務局に電話で問い合わせる方法が確実です。また、法務局に備え付けの「ブルーマップ(住居表示地番対照住宅地図)」で住所から地番を調べることもできます。ブルーマップは住居表示を黒字、地番を青字で重ねて表示した住宅地図です。
このほか、登記情報提供サービスの地番検索機能は無料で利用できます。固定資産税の納税通知書にも地番が記載されていますので、手元にあれば確認してみましょう。

不動産の売買前には、登記簿謄本で以下の5点を必ず確認しましょう。
(1)売主が登記上の所有者と一致しているか。
(2)差押え・仮登記・処分禁止の仮処分が登記されていないか。
(3)抵当権が設定されている場合、引渡しまでに抹消される条件になっているか。
(4)地目が取引目的に合っているか(農地の場合は農地法の許可が必要)。
(5)地積(面積)が実測値と大きく異なっていないか。
相続した土地や遊休地の活用を検討する場合も、まずは登記簿謄本の確認が第一歩です。特に、相続登記が済んでいるかどうかは重要です。2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しなければ正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象となります。この義務は法改正以前に発生した相続にも適用され、施行日(2024年4月1日)から3年以内、つまり2027年3月末までが期限です。相続登記が未了のまま土地活用を進めることはできないため、早めに手続きを済ませましょう。
また、表題部の地目が「田」や「畑」(農地)の場合、賃貸住宅を建てるには農地転用許可(農地法第4条・第5条)が必要です。農地のままでは金融機関が抵当権を設定できないため、融資が受けられません。土地に古い抵当権や地上権が残っている場合も、賃貸住宅の建設や売却に支障をきたすことがあります。登記簿謄本の内容を確認した上で、信頼できるハウスメーカーや不動産の専門家に相談し、土地の条件に合った適切な活用プランを検討することをおすすめします。

登記簿謄本を取得して権利関係や建物の状態が確認できたら、次は「その不動産を今後どうするか」を具体的に考える段階です。 たとえば、表題部を見て「実家やアパートの築年数がかなり古い」、甲区を見て「親族との共有名義になっている」、乙区を見て「古い抵当権が残ったままになっている」といった課題に気づくケースは少なくありません。これらを放置すると、将来的な建物の老朽化リスクや固定資産税の負担増、相続時のトラブルなどに発展する恐れがあります。登記簿の確認は、こうしたリスクにいち早く気づき、対策を打つための第一歩なのです。
登記簿から読み取った情報を基に、「そのまま維持するのか」「売却するのか」「賃貸住宅などに建て替えて収益化するのか」を判断するには、法律や税務、建築などの専門知識が求められます。特に、古いアパートの建て替えや、相続した空き家・遊休地の活用においては、建築基準法(建蔽率や容積率など)の確認や、税金対策を含めた長期的な収支シミュレーションが欠かせません。
パナソニック ホームズでは、土地の条件や権利関係の整理から始まり、オーナーさまお一人おひとりの状況に合わせた土地活用・賃貸住宅経営プランをご提案しています。 大手ハウスメーカーならではの耐久性に優れた高品質な建物(多層階住宅Vieunoなど)のご提案はもちろん、税務・法務の専門家ネットワークを活かした相続対策、さらには完成後の賃貸管理までをトータルでサポートいたします。 「登記簿は取ってみたけれど、この土地をどう活かせばいいかわからない」「相続した古い家やアパートの扱いに悩んでいる」という方は、ぜひ一度、パナソニック ホームズの「土地活用相談」をご利用ください。
登記簿謄本(登記事項証明書)は、「表題部」「権利部(甲区)」「権利部(乙区)」の3部構成となっており、土地・建物の基本情報から、現在の所有者、過去の履歴、抵当権などの担保設定状況まで、その不動産のあらゆる情報が網羅されています。
不動産取引や相続においてこれらの情報を正しく読み解くことは非常に重要ですが、登記簿の取得はあくまで「現状把握」に過ぎません。本当に大切なのは、そこから見えてきた権利関係や建物の老朽化といった課題に対し、将来に向けてどのような対策(売却、建て替え、土地活用など)を講じるかです。
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