住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
マイホームの間取りにおいて、重要視される要素のひとつが「子育てのしやすさ」です。
家族が増えると、毎日の生活リズムや家事の流れも大幅に変化します。そのような環境下であっても、柔軟に対応できる間取りを設計しておくと、長期間住んでも快適なマイホームを維持することが可能です。
そこで本記事では、子育てがしやすい間取りについて、設計のポイントや事例をわかりやすく紹介します。
子育てをしていく上で「こんな間取りだと困る」と感じるものがあるかもしれません。
よく挙げられるお悩みと要望は以下のとおりです。
子どもが増えると部屋での過ごし方や使い勝手も変わり、ストレスとなってしまうケースも少なくありません。そのため、子どもの成長に合わせて、間取りや各部屋の使い方も柔軟に変化させていく必要があります。
どうしたら子育てがしやすい間取りになるでしょうか。ここからは、おすすめの間取り設計を3つの視点で解説します。
まずは、家族で過ごすメインの場所となるLDKコーナーです。
子どもが乳幼児〜未就学児だとなかなか目が離せず、家事が思うように進まないと感じることも多いでしょう。
そこで、子どもを見ながら家事ができるLDKにするのがおすすめです。例えば、回遊性のあるカウンターキッチンを設け、料理をしながら子どもと会話したり、子どもに手伝ってもらったりできるスタイルがよいでしょう。
子どもにとってもキッチン内で炊事をする親には話しかけにくいと感じる場合もあるため、オープンタイプにするだけでコミュニケーションのハードルを下げられます。また、キッチンとリビングがひとつながりになっていると、キッチンからも子どもの様子をチェックすることが可能です。乳幼児期はすぐに抱っこや授乳ができ、就学後は宿題やゲームをしている姿も見守れます。
リビング内の設計アイデアとして、和室を取り入れるのもおすすめです。和室は子育て用のキッズスペースとして大変役立ちます。
とくに、夜泣きや夜間授乳がある乳幼児期には、寝室で寝かしつけるのが難しいときもあるかもしれません。また、ほかのきょうだいと寝室を一緒にしている場合には、起こしてしまう心配もあります。そのようなときに、夜間用の仮眠スペースとして使えるのが和室です。
畳張りの和室ならフローリングより柔らかいため、子どもが遊ぶときも安心して見守ってあげられます。
また、リビングと和室の間に壁を作らずオープンにできるような仕切りを設置すれば、リビング全体も広々とした空間にできるでしょう。子どもが成長したあとは、客間や親世代の団らんスペースとしても活用できます。
子育て世代のよくある悩みとして「窓が少なく部屋が暗い」といった問題が挙げられます。しかし、明るくするために窓を増やせばよいというわけでもありません。窓が多いと、その分壁面が少なくなります。
つまり、家具を置ける場所が減ってしまうのです。本来であれば収納棚を置ける部分に窓があったら、収納スペースを別の場所に設けなくてはなりません。
そこで、ものが増える子育て中は、十分な収納スペースを確保するため、壁面の面積も考えながら窓の配置を考えます。子育てをする上でどんな家具や収納棚を設置する必要があるのかをよく話し合いながら、壁面の比率や室内のレイアウトを検討するのが大切です。
子育て世代が慎重に考えるべき間取りのひとつとして、子ども部屋も挙げられます。現時点では子ども部屋がなくても問題ない状態でも、将来的には子ども部屋は必要です。また、子ども部屋の作り方や過ごし方は、子どもの年代によっても大きく変わります。
まずは、子ども部屋をどのような目的で作るのかを世代に合わせて明確にしておくことが重要です。
例えば、就学前〜小学校低学年頃までは、まだまだ親の手助けが必要で子どもだけでは身の回りのことを整えるのは難しいかもしれません。そのため、最初の子ども部屋は宿題をする場所や勉強道具をしまう場所として活用することを想定して設計します。
子どもが成長してひとりで寝たり、着替えたりできるようになってからは、寝室も込みの個室として空間を整えてあげるのがよいでしょう。思春期以降は、勉強場所や着替えスペース・寝室などの機能に加え、趣味を楽しむ空間やプライベート性も確保できる個人の部屋として、親が干渉しすぎない空間になるようにします。
子どもの部屋の広さは、一部屋につき6畳程度が一般的だとされています。子ども部屋に必要な家具として机やクローゼット・ベッドがあり、これらを除いて3〜4畳程度あればのびのびと過ごせるでしょう。
6畳程度のスペースを確保するのが難しい場合は、ロフトベッドの活用もおすすめです。ロフトタイプなら、縦の空間を有効活用できます。また、背の低い家具でそろえたり、部屋が正方形に見えるように家具の配置を工夫したりして、実際の面積より広く見えるテクニックを使うのもよいでしょう。きょうだいがいて子ども部屋を複数に分けたいときは仕切りを入れたり、ベッドや机を区切りに使ったりして、空間を分割する方法もあります。
6畳以上取れる場合でも、子ども部屋は無理に広く取る必要はありません。居住スペースから可能な範囲で確保し、工夫しながらレイアウトすることで快適な空間に仕上げられます。
子ども部屋の照明環境にもこだわりましょう。
成長期の子どもにとって暗い部屋は危険が多く、室内で転倒したり、視力が低下してしまったりする可能性もあります。一般的に、小学校低学年まではまだ着替えがひとりでできない子が多いため、部屋が暗いと着替えもなかなかうまくいかないかもしれません。
そのため、なるべく明るく安全であることを意識しながら照明は選びましょう。おすすめなのは、シーリングライトです。シーリングライトは天井から吊り下げるタイプで、室内全体を明るく保つことが可能です。また、デスクライトも一緒に設置すると、勉強時に手元が見やすくなります。いずれも、LEDタイプで、触っても壊れにくい素材のものを選んでおくと安心です。
子ども部屋をおしゃれに見せたいからと、派手な装飾のものやガラス素材といった壊れやすいものを選ぶと、かえって子どもの危険を増やします。安全かつ明るいものを最優先にして選びましょう。
最後に、子育てがしやすい間取り設計にこだわって建てられた住宅の事例を2つご紹介します。
こちらは、LDK内に子ども用の勉強コーナーを設けた事例です。
キッチンの壁面収納の一角にゆとりのあるデスクを設置し、調理中や片付け中でも子どもの様子を見守れるようにしました。デザインは、LDKの雰囲気と合わせてシックで上品な印象に仕上がっています。
キッチンもアイランド型を採用し、よりコミュニケーションを取りやすい設計です。
こちらは、リビングをダウンフロアにして、その一角にキッズスペースを設置しています。
リビング内に中二階空間を作り、階段下にできたスペースを利用してキッチンから子どもの様子を見守れる空間を作成しました。
リビングのダウンフロアに加えてキッチンはアイランド型のため、より一層開放感を得られる設計です。
子育てのしやすさを重視した間取り設計は、家族の共用スペースと子ども部屋のレイアウトを中心に慎重に決めます。
完成後に「こんなはずじゃなかった」と悩みを増やしてしまわないためにも、LDKに必要な要素や、子ども部屋の目的は入念に話し合っておくのが大切です。
コンセプトや使い方をしっかりと決めて、子育てにぴったりな理想の間取りを実現しましょう。