住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
二世帯住宅は、親世帯と子世帯の生活空間の共有度合いによっていくつかのタイプに分かれます。それぞれ特徴があるので、親世帯と子世帯でよく話し合ったうえで、どのタイプが適しているか検討する必要があります。
今回は、完全分離型の二世帯住宅について詳しく紹介します。二世帯住宅を検討している方はぜひ参考にしてください。
完全分離型の二世帯住宅とは、親世帯と子世帯の生活空間が完全に分かれているタイプです。リビングや寝室はもちろん、玄関やキッチン、浴室なども各世帯専用のものが設けられており、それぞれが独立して生活できる環境が整っています。
それぞれの世帯間のプライバシーを確保したい場合に適しており、生活空間をフロアで分ける横割りと、壁で左右に分ける縦割りがあります。どちらのタイプも屋内でお互いの生活空間を行き来することはできないようになっています。
横割りタイプは上下分離型とも呼ばれ、建物の階ごとに生活空間を分けるタイプです。建物の中で世帯間の行き来はできず、いったん外に出て各世帯の玄関から出入りする必要があります。
このタイプは、1階を親世帯用にすれば階段の上り下りがなく、足腰が衰えてきても快適に暮らせます。ただし、このタイプは上の階の物音や振動が下に響きやすいので、子世帯に小さな子どもがいる場合は遮音対策が必要かもしれません。親世帯が元気なうちは2階に住んで、階段の上り下りが辛くなってきたら上下を入れ替えることも考えられます。
縦割りタイプは、1軒の家を壁で縦に仕切って生活空間を分けるタイプです。横割りタイプよりも独立性が高く、親世帯も子世帯もすべての階を使える特徴があります。
縦割りタイプではどちらの世帯の玄関も1階に設置できます。また、世帯間で上階の騒音や振動にストレスを感じることもありません。
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完全分離型二世帯住宅は、それぞれの世帯のプライバシーを確保しやすく、税金面の優遇などのメリットもあります。詳しく解説します。
完全分離型の二世帯住宅では、世帯ごとにキッチンや洗面所、浴室などの生活空間や設備があるので、お互いのプライバシーを確保しつつ、それぞれの生活リズムで暮らすことができます。
たとえば、起床・就寝、食事、入浴などの時間が違っていても、お互い気をつかうことなく自分たちのリズムで生活することができます。ふだんはお互いのプライバシーを大切にしながら、時には親のケアをしたり、子どもを預かってもらったり助け合うことができます。
また、将来両親が亡くなった場合、親世帯が使っていた部分を賃貸に転用することも可能でしょう。
完全分離型に限らず、二世帯住宅は税制面で優遇措置が受けられます。50平米以上の二世帯住宅を新築する場合、不動産取得税が一戸あたり固定資産税評価額から1,200万円控除できます。
二世帯住宅の場合は、2倍の2,400万円が控除されます。(長期優良住宅は2,600万円まで)また、240平米までは固定資産税の3年度分(長期優良住宅は5年度分)が適用されるため、税金の支払いが大幅に軽減されます。
小規模宅地等の特例は、完全分離型の二世帯住宅に適用されます。この特例は、一定面積までなら相続税の評価額も8割減額できます。つまり、330平米までが対象です。
さらに、共有登記・区分登記のどちらかの場合は、親世帯も子世帯も住宅ローン控除の適用対象です。
一方、完全分離型の二世帯住宅にはデメリットもあります。
完全分離型の二世帯住宅は、部屋や設備を2つづつ設ける必要があるので広い敷地が必要です。また、完全分離型は実質2棟分の家を建てるのに等しいので、他のタイプの二世帯住宅に比べると費用がかかります。
新築で二世帯住宅を建てる場合、地域型住宅グリーン化事業という補助金があり、140万円程度が助成される制度があります。ただし、この制度は子育てを家族の支援を目的とした条件が設定されているため、完全分離型が助成対象にならないケースもあります。このように、同じ二世帯住宅でも、タイプの違いで適用できる補助金も変わる場合があることを覚えておきましょう。
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完全分離型の二世帯住宅は、それぞれの世帯のプライバシーを確保できる一方で、コミュニケーションが取りにくくなる可能性もあります。
お互いのプライバシーを尊重しつつも、適度なコミュニケーションをとりながらほど良い距離感で暮らすのが理想です。たとえば、週末1日は一緒に夕食を取るようにしたり住居は別でも庭を共有したりするなどしてみてください。
完全分離型の二世帯住宅で、それぞれの世帯が気持ちよく暮らすために押さえておきたいポイントを紹介します。
二世帯住宅で起こりやすいトラブルのひとつが、水道代やガス・電気代や電話代などの支払いに関するものです。
完全分離型の二世帯住宅でも、光熱費などはあらかじめメーターを分けておかないと二世帯分まとめての支払いになります。まとめて支払う場合でも、後で揉めないように、よく話し合ってあらかじめ負担割合を決めておきましょう。
完全分離型二世帯住宅で、プライバシーを重視しすぎるとコミュニケーションが取りにくくなることがあります。
そもそもまったくコミュニケーションを取らないなら、二世帯住宅にする必要がなくなってしまうため、ある程度プライバシーを確保しつつ、親世帯と子世帯でコミュニケーションが取りやすい工夫をしましょう。
お互いのプライバシーを尊重するなら、玄関やアプローチは各世帯が顔を合わせない位置に設置するのがおすすめです。また、庭を共有する場合は、庭からそれぞれの個室が見えない間取りにしましょう。
その上で、適度なコミュニケーションが取れるようときどき食事を共にしたり外出したりしましょう。
完全分離型の二世帯住宅は、2つの世帯それぞれに玄関をはじめとして水回りの設備や居室を設けた作りの住宅で、各世帯のプライバシーを確保しながら暮らしたい家族におすすめです。
1階〜2階以上の階ごとに分ける横割り方式と、1軒の家を縦に分割する縦割り方式があります。完全分離型の二世帯住宅なら、税制面の優遇もあり親世帯と子世帯のライフスタイルを確保しながら暮らせますが、住み始めたあとのランニングコストに関してはあらかじめ話し合っておく方がよいでしょう。
完全分離型の二世帯住宅のデメリットや注意点も踏まえて検討してください。
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まず、建築コストが高くなることが挙げられます。二つの独立した住居を建てるため、通常の一世帯住宅よりも建築費用がかかります。また、敷地面積が限られている場合、駐車スペースや庭などの共有スペースが狭くなる可能性があります。さらに、完全に分離されているため、家族間のコミュニケーションが減少し、孤立感を感じることもあるかもしれません。これらの点を考慮し、家族のライフスタイルやニーズに合った設計を検討することが重要です。
価格は建物の規模や仕様、地域によって異なりますが、一般的には4,000万円から6,000万円程度が目安とされています。完全分離型は玄関やキッチン、バスルームなどをそれぞれの世帯が独立して持つため、建築コストが高くなる傾向があります。また、土地の費用や外構工事、諸経費なども考慮する必要があります。具体的な価格は、希望する間取りや設備、地域の建築費用相場によって大きく変動しますので、複数の建築会社に見積もりを依頼し、比較検討することをお勧めします。
二世帯住宅で親が亡くなった後の対応は、住まいの所有形態や家族の状況によって異なります。親の住んでいた部分が空き家になるため、まずはそのスペースの活用方法を考える必要があります。例えば、親の部屋を賃貸に出して収入を得る、または他の家族が住むなどの選択肢があります。また、相続の問題も発生するため、遺産分割や相続税の支払いについても考慮しなければなりません。事前に親と話し合っておくことで、スムーズに対応できるでしょう。
二世帯住宅が固定資産税の軽減対象になるかどうかは、住宅の構造や用途、自治体の制度によって異なります。一般的に、二世帯住宅であっても一つの住宅として評価される場合は、通常の住宅と同様の固定資産税が課されます。ただし、自治体によっては、一定の条件を満たすことで固定資産税の軽減措置を受けられる場合もあります。具体的な条件や軽減措置の有無については、各自治体の税務課に問い合わせることをお勧めします。