住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
二世帯住宅を検討する際、間取りは大きなポイントになります。この記事では3階建てという選択肢についてメリットや気をつけるべき点を紹介していきます。
3階建ては二世帯住宅におすすめできるポイントが多数あります。
3階建て住宅は都市部などの限られた敷地でも広い居住スペースを確保できます。近年都市部では土地の価格高騰が激しく、家族全員が十分な生活空間を持てるだけの床面積を確保しようと思うと、予算内で探すのは困難なケースが増えています。たとえば、30坪の床面積を2階建てで実現しようと思うと1階あたり15坪が必要ですが、3階建てであれば1階あたり10坪で済むため、用意するべき敷地面積は2/3に減少します。
3階建てを選択肢に入れることで、予算を抑えつつ好立地を検討できるようになるのです。
プライバシーの面においても、3階建ては平屋や2階建てと比べて有利です。二世帯同居の場合、家族それぞれの価値観の違い、生活リズムや行動時間の違いがストレスにつながるケースが多く見受けられます。プライバシーを確保するために、特に寝室やトイレ・浴室といった水回りを別に設けることで、家族それぞれにとって快適な間取りを実現しやすい特徴があります。仕事部屋と生活空間を明確に分けたりすることが容易なため、生活にメリハリがつけやすく、子どもがいる世帯での在宅勤務や自営業などにも適しています。
採光のしやすさや眺望のよさも3階建て住宅のメリットです。都心だと住宅が密集している地域も多く、2階建てでは採光が不足しがちですが、3階建てにすることで解決できる場合もあります。屋上やバルコニーは物干しスペースとしての利用はもちろん、3階建てならではの眺望を提供してくれます。川沿いなどは特に見晴らしも良く、生活のための利便性以外にも日々の満足感の向上や、家族のコミュニケーションが活発になることも期待できます。
また、2階をリビングにした場合には、吹き抜けの設置や採光窓を設けることでメインの居住空間に十分な日光を取り入れることも可能です。
3階建ての二世帯住宅の間取りのタイプを3つご紹介します。同居する家族みんなが快適に暮らせるような、理想の間取りの参考にしてください。
すべてのフロアを共同で使用するのが完全同居型です。家の中に境界線を設けずに、同居する形で親世代と子世代で一つの家族として一緒に暮らします。コミュニケーションが深まりやすく、お互いの状況も把握しやすいので、できるだけ一緒に過ごしたい家族におすすめです。生活に必要な設備も1世帯分でコストを抑えられるというメリットがあります。一方で二世帯の間に活動時間帯などのライフスタイルに違いがある場合は、使い勝手が良くなかったりストレスを生む可能性もあります。
完全に居住スペースを分けるのではなく、時間や用途に応じて世帯同士が柔軟に関われるようにするには部分共用型がおすすめです。居住スペースをそれぞれの世帯で持ち、トイレや浴室などの水回り・キッチン・リビングなど、その家庭にとって共有したいスペースを決められます。1階に親世帯、3階に子世帯、2階がLDKや水回りなどの共有スペースなど、フロアごとの役割を持たせられるので、3階建ては部分共有型に適しています。プライバシーを保ちつつも互いの動きがある程度把握できるので、介護や子育てを前提とした二世帯同居にも適しています。キッチンや水回りを世帯ごとに分ける場合は、完全共用型に比べると設備の費用がかかるといったデメリットもあります。
完全同居型とは逆に親世帯と子世帯の居住スペースを完全に分離したのが、完全分離型です。3階建ての場合はフロアが多いことによって役割付けが容易であることから、親世代が1階、子世代が2階と3階というタイプが多くみられます。この割り付けであれば親世帯の階段の上り下りの負荷が少なく済みます。親世代が眺めの良い3階を望んだ場合は、将来を見据えてホームエレベーターをつけるという方法もあります。
二世帯分の各種設備を整える必要があるため、最もコストがかかりますが、世帯ごとのプライバシーを守るという点では最も適しているといえます。
二世帯住宅を建てるにあたり考慮すべきことはさまざまなものがありますが、特に3階建てを検討する際に気をつけたいポイントを見ていきましょう。
二世帯住宅として実際に住み始めてみると、プライバシーやライフスタイルの面で想定していなかったストレスが生じたり、収納や利便性において間取りの不満を感じてしまう可能性もあります。このようなトラブルを避けるためにも、3階建ての間取りは生活動線の確保が非常に重要です。二世帯それぞれの具体的な生活様式を思い浮かべ、間取り図に洗濯や炊事といった具体的な生活動線を書き込みながら、住みやすい配置を複数パターン検討してみましょう。
また、長く暮らして年齢を重ねていくうちに家の中で必要なスペースが変わる可能性もあるので、リフォームしやすい間取りにしておくのも大事なポイントです。結婚や出産、定年退職などのライフステージの変化は生活スタイルが変化するタイミングになります。怪我や病気などで生活動線を変える必要が生じることもあります。3フロアをどのようにすれば有効に使えるのか、居心地のよいコミュニケーションをとることができそうか、自分たちが快適に暮らせる間取りを家族で話し合いながらじっくりと考えるようにしましょう。
日当たりの良さは生活の満足度に直結しやすい部分です。特に住宅密集地においては、下の階の採光には設計上の工夫が必要です。たとえば、室内に吹き抜けを設けると、上階で取り入れた日光が下の階に届きやすくなります。他にも中庭を設ける、天窓や高窓を設けるなどの方法があります。
敷地面積が小さいことで生じやすい問題として、収納スペースが不足しがちな点があります。二世帯でそれぞれに荷物がありますから、その面でも収納スペースは大切です。ちょっとしたスペースを活用して、全体で必要な収納スペースを確保しましょう。例えば、床下収納を設ける、ロフトや小屋裏収納を設ける、小上がりをつくって小上がり収納を設ける、壁にニッチを設けるなどです。階段の踊り場に本棚を設けると見せる収納スペースも作れます。このように、階段が多い3階建て特有の工夫も可能でしょう。
3階建てならではの特徴は二世帯住宅としての住居に適した面が多くあります。それぞれの世帯が思う理想の暮らし方を叶えるためには「どのように暮らしていきたいか」が反映された間取りであることが大切です。住みやすい二世帯住宅を建てる際は、3階建てという選択肢も視野に入れておくことをおすすめします。