住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
マイホームはこれから先何十年も暮らす大切な場所です。
子どもたちが巣立って夫婦二人になり、体の衰えもありライフスタイルは変わってきます。
そのため注文住宅を建てる際には、今の生活はもちろん、老後も過ごしやすい間取りにすることが大切です。
そこで本記事では、老後を考えた2階建て住宅の間取りについて解説します。
間取り例なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
若い世代とは異なり、老後のライフスタイルは大きく変化します。体力面や体調面での変化と、家族構成が変わるからです。
体調面での変化として、足腰が弱くなります。そのため、少しの段差でつまずいたり階段の上り下りが負担が大きくなったりします。たとえば、洗濯物をベランダで干していた場合、重い洗濯物の持ち運びが重労働になるでしょう。
また転倒すれば大ケガをする可能性が高く、骨折などで入院しなければならないかもしれません。さらにトイレが近くなり、夜頻繁に起きる方もいるでしょう。
老後の家族構成は、新築を建てたときと異なり子どもたちが巣立ち夫婦2人での生活が始まります。
定年退職すれば家で過ごす時間が長くなるでしょう。今まで子どもたちが使用していた部屋は空き部屋となり、物置のようになってしまうことも少なくありません。
このように老後のライフスタイルは、新築の設計をしたときとは大きく変わります。
その結果、現状のライフスタイルでは快適だったのに、老後になったら不便な家になる可能性があるのです。
老後も快適に暮らすためには、老後の暮らしに大切なポイントを押さえなければなりません。本章では、老後になっても快適に暮らすための間取りポイントを解説します。
階段の傾斜は、緩やかにしましょう。
年齢を重ねるにつれて、筋力が弱まり足が上がらなくなってくるからです。足が上がらずすり足の状態になりやすいため、階段の傾斜が急だと転びやすくなります。
階段の傾斜以外にも、階段の幅や手すりを検討すると、高齢になっても階段の上り下りが安心です。階段の幅は建築基準法以外にバリアフリー法のサイズもあるため、参考にすると良いでしょう。手すりを設置すれば、上り下りしやすくなります。
階段の傾斜を後からリフォームで緩やかにしようと考える方は少なくありません。しかし、お住まいの間取りや構造によっては、リフォーム自体が難しく高額になりやすいといったデメリットがあります。
できれば、新築時に安心して上り下りできる階段にすると、老後も安心でしょう。
トイレは1階と2階、両方に設けるのがおすすめです。高齢になると、寝室からトイレが近いと安心できます。
夜間多尿や高血圧などの症状により、70歳以上になると夜に2~3回排尿する確率が20~30%あると言われています。もしも、2階が寝室で1階にしかトイレがない場合、毎回1階へ下りるのは大変です。
そのため1階・2階どちらにもトイレを設置するのがおすすめです。
リフォームの場合、2階にトイレを増設するのに40〜100万円程度かかります。老後以外にも、朝忙しい時間帯にトイレを待つ必要がなくなったり、家族が胃腸炎などを患ったときに隔離しやすかったりして便利です。予算と間取りに余裕があれば、ぜひ検討してください。
設計の段階から、バリアフリーを意識して設計しましょう。
はじめからバリアフリーの住まいであれば、老後歩くのが困難になったときでも快適に過ごせます。
具体的には、以下のポイントを押さえておきましょう。
上記全て含んだバリアフリー仕様にすると、その分、費用も高額になります。そのため予算に合わせた設計をおこなうようにしましょう。
リビング隣に多目的部屋を設け、老後に寝室として転用すれば、2階を使用しなくても生活ができます。また、リビングと一体型にすることも可能です。
リビング横の多目的部屋は、老後だけでなく若い頃も活用しやすいといったメリットがあります。たとえば、子どもたちが小さい頃は遊ぶスペースやお昼寝スペースとして使えます。そのほか、友人や家族・親戚が泊まったときの客間としても利用可能です。
扉を開けば開放的なリビングとしても活用できるため、老後のことも考え設置するとよいでしょう。
部屋の扉や玄関ドアは、引き戸がおすすめです。
引き戸にすれば、体に負担が少なく車いすでも開閉しやすくなります。高齢になると筋力は衰え、ドアを開け閉めするだけでも負担になります。特に車いすの場合は、開き戸で車いすがぶつかり後退しないと開かないなど不便です。引き戸であれば、スムーズに出入りすることができます。
もし「今は開き戸にしたい」と考えているのであれば、引き戸にリフォームしやすい間取りにしておくと安心です。
将来リフォームを行う前提で、新居を設計することをおすすめします。
今後生活していくうえで、子どもが大きくなり巣立っていくためライフスタイルはどんどん変化していきます。ライフスタイルが変化すれば、その分リフォームをしてライフスタイルにあった家にしたいと考えるからです。
新築を検討する際は、耐力壁ができる限り外側になるような構造や工法を選ぶのがおすすめです。
特に部屋のサイズを大きくしたいなどの大規模なリフォームは、構造によって難しいことがあります。間仕切り壁に筋交いが入っている場合もあり、壁を外せないことがあるからです。
耐力壁が外側にあれば、間取りの変更がしやすくなります。ライフスタイルが変わってリフォームをしたいと考えていたのに、思い通りのリフォームができないといったことがないよう、リフォーム前提の構造や工法を選定するようにしましょう。
老後を心配すると、2階建てではなく平屋にしたほうがよいのではと悩まれる方もいるでしょう。そこで本章では、2階建てと平屋の比較を見ていきましょう。2階建ての平屋の比較は、下表の通りです。
2階建て | 平屋 | |
土地 | ・狭い土地でも十分な延べ床面積の確保が可能 ・狭い土地なら都心部でも見つかりやすい | ・広さが必要なため、土地探しに時間がかかる ・郊外になる可能性は高い |
費用 | ・平屋よりはコストを抑えられる ・メンテナンス費用は高くなりがち ・狭い土地で建てた場合、土地にかかる固定資産税は抑えられる | ・基礎面積が広いため建築費は高額になりやすい ・メンテナンス費用は抑えられる ・土地の面積が大きくなるため、土地にかかる固定資産税が高くなる |
動線 | ・階段があるため複雑になりやすい | ・ワンフロアのためスムーズな動線が可能 |
利便性 | ・近郊に建てられれば利便性は良い | ・郊外の場合、利便性が悪い |
防犯面 | ・階層があるためプライバシーが守られやすい ・防犯性の高い間取りが作れる | ・ワンフロアのため侵入されやすい ・周りの目線が気になる場合がある |
安全性 | ・浸水時に2階へ逃げられる ・避難が遅れる傾向あり | ・水災には注意が必要 |
上表の通り、それぞれの特徴や良さがあります。老後の生活と今の生活のどちらもイメージして、重視したいポイントを考えましょう。
重視したいポイントが決まれば、2階建てか平屋どちらのほうが良いか検討できますので、ぜひ参考にしてください。
本章では2階建てで、老後のことを考えた間取り例を紹介します。
こちらの住まいは、ご夫婦がずっと安心して暮らせるように、生活スペースを1階に集約してスムーズな動線を実現し、室内のバリアフリー設計を徹底しています。
外観はベージュのキラテックタイルが街並みと調和し、優美で洗練あれた炊いた区間あふれる外観を演出しています。
また、リフレッシュ空間としてフィットネスルームや、本格的な防音設計のカラオケルームなど、暮らしを楽しむ空間を各所に設けています。
こちらの住まいでは、閉鎖的だったキッチンの壁を取り払い大きなLDKに変更し、廊下との段差をなくしバリアフリーにしています。
窓には電動シャッターを取り付けたため、毎日の開け閉めの負担が軽減され、防犯性もアップしました。
洗面脱衣室やキッチンの扉は開き戸から引き戸へ変更したため、老後の負担も軽減されています。1階の客間を洋室に変更し、1階だけで快適に過ごせる空間が仕上がっています。
築20年の住まいをバリアフリー設計にリノベーションした間取りです。
リビング横の和室はフローリングにリフォームをおこない、吊り引き戸で大開口できる扉を設置しています。
そのためリビングとの境界線がなく、大きなひとつなぎの部屋としても活用可能です。
フローリングに変更したリビング隣の洋室は、クローゼットも配置し1階だけで過ごせる空間を実現しています。
トイレは全自動おそうじタイプを採用したため、家事の負担が軽減されています。できるだけ段差をなくし、安心して暮らせる住まいへと変わりました。
バリアフリーと介護のしやすさを実現した2階建ては、玄関や浴室など必要な箇所に手すりを設けています。
特に浴室では浴槽付近だけでなく、浴室の入口など随所に手すりを設けました。また介護がしやすいように寝室を1階に設け、庭から直接でられるようプランニングされています。
もちろん今まであった段差もできるだけ解消し、皆が過ごしやすい住まいが実現しています。
老後は子どもたちが巣立ち、体の衰えも現れてくるため、今までと同様の生活が難しくなってきます。そのため新築を建設する今だけでなく、老後の暮らしやすさも考えた家づくりを検討することが大切です。
老後に暮らしやすくするには、トイレの設置や居室スペースの検討、引き戸の検討をする必要があります。今回紹介した間取り例を参考に、家づくりを進めてみましょう。