住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
吹き抜けは明るく、広々とした空間を実現できることから人気があります。
しかし、吹き抜けを設けることによって予算がオーバしてしまったり、理想の間取りが実現しにくくなったりなど、問題点が出てくるかもしれません。
本記事では、吹き抜けの相場価格やメリット・デメリット、設計後に後悔しないためのポイントを解説します。吹き抜けを採用した住宅の事例も載せていますので、吹き抜けのある住まいをご検討の方はぜひ設計時の参考にご活用ください。
注文住宅で吹き抜けを設置する場合の費用相場は約50〜250万円程度と、設計内容や施工会社によって大きく異なります。
吹き抜けは、2階部分に床がない分だけ安くなるイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、床がない分強度を保つための対策が必要になるため、床がないからといって安くなるものでもありません。また、天井部分に天窓をつける施工をする場合も足場設置などで費用が割高になるでしょう。
ただし、吹き抜けの広さや天井の高さによってはコストを安く抑えられる可能性もあるため、設計方法や施工会社によって費用は大きく変動すると考えておきましょう。
【実例付き】吹き抜けのある間取りのメリット・デメリットは?について詳しくはこちら
一般的に、吹き抜けをつくると冷暖房の効きが悪く光熱費が高くなるイメージがあります。
吹き抜けを設置した場合は暖かい空気が高いところへ上昇するため、夏場は2階や天井に近い場所ほど暑く、冬場は床に近い1階部分が寒くなってしまいます。その状況を避けるために冷暖房を長時間稼働させたり、通常より高いもしくは低い温度設定にしたりすると光熱費が高くなってしまうかもしれません。
また、空気を循環させるためのシーリングファンや床の温度を一定に保つ床暖房などの設置を採用するケースも多く、それらの設置によって電気代も上がります。
光熱費や電気代の上昇を抑えるには、住宅自体の断熱性や気密性を高めることが大切です。
吹き抜けの設置費用は、天井の高さや住宅の広さによって大きく変わりますが、費用を抑えることは可能です。
ここでは、吹き抜けの費用を抑える方法をご紹介します。
吹き抜けを大きく設計すると、当然ながらその分建築費用も高くなっていきます。また、吹き抜けの分だけ2階の床面積が小さくなり、居住スペースが削られてしまいます。
吹き抜けを設けつつ、十分な居住スペースを確保するために住宅自体も大きくすると、建築コストも上がってしまうでしょう。
そのため、費用を抑えたい場合は居住スペースと吹き抜けのバランスを調整し、吹き抜け空間を広く取り過ぎないように気を付けてください。
吹き抜けに窓を設けることで採光を確保し、明るく開放感のある空間をつくることができます。
しかし、窓が大きくなると建築コストも高くなる傾向があるため、窓は大きくし過ぎないようにしましょう。また、外からの熱が入りやすく出ていきやすい箇所でもある窓は、大き過ぎると室内の冷暖房効率を下げる要因にもなり得ます。
吹き抜けの窓は費用面だけではなく、機能性の観点も含めて最適な大きさを検討してみてください。
吹き抜けのある住宅は見た目の魅力に加えて、住宅性能の高さも期待できます。
ここでは、吹き抜けの代表的なメリットを3つ解説します。
吹き抜けのあるインテリアはおしゃれな雰囲気になります。
吹き抜けの建材や柱、梁にもこだわると、よりおしゃれな空間に仕上げられるでしょう。また、吹き抜けは一望できる壁の範囲が広がるため、見せる収納棚を設置したり時計やアート作品を飾ったりして、自在にアレンジすることも可能です。
吹き抜け上部に設置する照明や間接照明の配置方法によっても雰囲気は一変します。
このように、設計の幅が広く自分のこだわりを反映させやすい点は、吹き抜けの大きなメリットだと言えるでしょう。
吹き抜けがあると、2階以上の高い部分に設置した窓から室内へ自然に光を届けられるため、明るい空間にできるでしょう。
特に、周辺に住宅が密集していて日光が入りにくい住宅や北向きの住宅、平屋や窓の少ない住宅では、吹き抜けによって採光を改善することができます。昼間でも照明が必要になるほどの暗い部屋でも、吹き抜けを通して採光できれば日中の照明が不要になるかもしれません。
また、風通しを良くできる点もメリットです。暖かい空気ほど上に昇るという特徴により、1階の空気が自然に2階の窓へ流れ、効率的な換気ができます。特に夏場の暑い時季には熱された空気を外へ逃がすことができ、熱中症対策にもなります。
天井を高くできる吹き抜けは、空間全体の開放感を高めるのに役立ちます。
狭小地で十分なLDKスペースや玄関ホールを確保できない住宅であっても、吹き抜けなら縦に広がった空間を使って、実際の広さよりも大きく見せることが可能です。そのため、空間演出のひとつとしてあえて吹き抜けを採用する住宅もあります。
また、吹き抜けとスキップフロアやスケルトン階段を組み合わせて縦の立体感を強調し、広い印象を与える手法もあります。
一方で、吹き抜けにもデメリットが存在します。
ただし、これから紹介する点を意識しながら設計することで、デメリットはカバーできます。
吹き抜けのデメリットによく挙げられるのが、音の響きやすさです。
1階と2階の間に天井を設けないため、1階の音が2階へ、また2階の音は1階へ届きやすくなります。たとえば、リビングのテレビ音が2階の寝室まで届いてしまったり、キッチンでの調理音や人の話し声も他の部屋へ聞こえてしまったりするかもしれません。静かに過ごしたい家族にとっては、吹き抜けを通じて聞こえる音がストレスになることもあります。
そのため、周囲からの音をなるべく拾いたくない個室には防音対策を施したドアや壁を設置するのが有効です。また、間取りにも配慮して、音が抜けにくいような設計にするのがよいでしょう。
音の広がりに加えて、ニオイが広がりやすい点も吹き抜けのデメリットです。
1階にあるキッチンの料理臭が2階まで届いてしまうため、香りが強い料理の場合は2階にいる家族が気になってしまうかもしれません。
対策としては、2階の個室へニオイが届かないよう、キッチンを個室タイプにしたり、窓や換気扇の設置位置にも配慮したりして、キッチンのニオイが拡散しないようにしましょう。
吹き抜けは高所に窓を設置するため、掃除やメンテナンスに苦労します。
特に、外側から掃除する場合は高いはしごに登っての作業となるため大変危険です。専門の業者へ依頼するにしてもコストがかかり、そう頻繁には利用できません。
また、窓だけでなく高い位置に設置した照明器具の電球交換時も高所作業となるため、メンテナンスするには手間がかかります。
そこでおすすめなのが、掃除のときに使える簡易通路の設置や、壁沿いに設置する照明の利用です。いずれも導入時にはコストがかかりますが、高いメンテナンス費用と比較すればこれらを導入したほうが安く抑えられることもあります。
最後に、吹き抜けを実際に設置した住宅の建築事例を紹介します。
設計時のこだわりも参考にしてみてください。
こちらは、LDK内に大きな吹き抜けを設置した事例です。モダンな雰囲気のインテリアに合わせて、落ち着いたトーンのスケルトン階段をアクセントとして設置しています。また、LDK内には大開口窓も設置し、採光性も抜群です。
大きな吹き抜け空間ではありますが、全館空調を採用して室内の温度調整に困らない設計にしました。
こちらは、リビング上にダイナミックな吹き抜けを設けた事例です。吹き抜けには窓を設置し、採光性を高めています。
リビングのダウンフロアが、縦の空間をより広く見せるアクセントになっています。窓の先には公園のような芝生の庭を設置し、室内にいても緑の豊かさを感じられます。
芝生の庭に面した吹き抜け窓から景色を楽しめる住宅の建築事例を見る
こちらは、1階の土間空間に吹き抜けを設けた事例です。2階に設けたLDKとの間を階段でゆるやかにつなぎ、モダンでシンプルな雰囲気に統一しています。また、1階の土間空間は玄関からひと続きになっており、子どもリビングとしても活用されています。
1階と2階で家族が思い思いの時間を過ごせる一方で、吹き抜けを通じてお互いの気配も感じられる居心地の良い空間に仕上がりました。
家族の気配を感じられる、子どもやペットと暮らす吹き抜け住宅の建築事例を見る
吹き抜けの費用は、設計する際のこだわりや施工会社の見積方法によって大きく変動します。
また、吹き抜けにはデザイン性の高さや開放感を得られるなどのメリットも多い一方で、生活音やニオイが拡散しやすくメンテナンスがしにくいといったデメリットもあるため、設計時にはこれらの弱点を補う対策が必要です。
本記事で紹介した注意すべきポイントや建築事例も参考に、満足のいく吹き抜けづくりを進めてみてください。