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木造と鉄骨造どちらの住宅にすべき?それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説

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【目次】

住宅の代表的な構造である「木造」と「鉄骨造」には、それぞれ異なる特徴や魅力があるため、家づくりの際にどちらで建てるべきか悩む人も多いでしょう。

そこで本記事では、木造住宅と鉄骨造住宅のメリット・デメリットや違いなどを詳しく解説します。

それぞれの構造が向いている人の特徴も紹介しますので、注文住宅の構造を決めかねている人は本記事をぜひ参考にしてください。

木造住宅の特徴

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壁や柱といった構造の大部分に木材が使用されている「木造住宅(W造)」は、総務省統計局の調査によると日本の一戸建て住宅の9割以上を占めています。

木造住宅にはさまざまな工法がありますが、一戸建て住宅で主に採用されているのは「木造軸組工法」と「木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)」の2種類です。いずれも構造や工法が一般に公開されているオープン工法であるため、リフォームやメンテナンスを依頼する際に建築会社の制限を受けにくいという特徴があります。

木造住宅(W造)については総務省統計局ホームページ「平成30年住宅・土地統計調査の解説」を参照ください。(2019年4月26日時点の情報)

木造軸組工法の特徴

柱と梁で骨組みを構成し、筋交いや合板で組み上げる工法を「木造軸組工法」といいます。

木造軸組工法は日本古来の伝統工法を現代的に簡略化した工法で、日本の一戸建て住宅に多く採用されています。柱や梁の間に空間があることから自由度の高い間取りを実現しやすい一方で、品質が施工の質に左右されやすい工法です。

ツーバイフォー工法(木造枠組壁構法)の特徴

「ツーバイフォー工法」は柱や梁などの線材ではなく、床や壁、天井といった面材で構成されているのが大きな特徴です。

パネル状になった2インチ×4インチの木材を組み立てて建てることが「ツーバイフォー(2×4)」の由来で、木造軸組工法に比べると間取りの自由度はやや低めです。1970年代に欧米から伝わった比較的新しい工法ですが、日本国内のシェアも徐々に伸びています。

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鉄骨造住宅の特徴

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「鉄骨造住宅(S造)」は柱や梁に鉄骨が使用されている住宅のことで、使用される鉄骨によって「重量鉄骨造」もしくは「軽量鉄骨造」と呼び分けられることもあります。

重量鉄骨造の建物には厚さ6mm以上、軽量鉄骨造には6mm未満の鉄骨が用いられるのが大きな違いです。

重量鉄骨ラーメン工法の特徴

ボルトで連結された部分を溶接して結合する工法のことを「重量鉄骨ラーメン工法」といいます。

「ラーメン」はドイツ語で「額縁」という意味があります。筋交いや耐震壁を必要としない額縁のような枠で建物が構成されていることから、自由度の高い建物を設計できるのが特徴です。

大きな開口部や広々とした空間を実現しやすく、強度が高いことからビルやマンションなどの大規模施設で採用されることが多い工法です。

軽量鉄骨ブレース工法の特徴

軽量鉄骨で構成された骨組みを筋交い(ブレース)で補強し、ボルトで連結して組み立てる工法のことを「軽量鉄骨ブレース工法」といいます。

柱や梁、筋交いなどの線材で構成されているため、木造軸組工法と同様に自由度の高い間取りを実現できるのが特徴です。

一戸建て住宅など個人で建てる鉄骨造住宅の多くは、軽量鉄骨ブレース工法が採用されています。

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木造住宅のメリット

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続いては、木造住宅の魅力を詳しく紹介します。

木造住宅にするとどのようなメリットが得られるのか、実際に生活する様子をイメージしながらご覧ください。

断熱性・調湿性が高い

木材は熱伝導率が低いため断熱性に優れており、天然素材ならではの調湿効果も期待できます。夏場は外気を遮断し、冬場は室内の熱が屋外に逃げるのを防ぐため、気候に左右されることなく居心地の良い環境で生活できるのが特徴です。

鉄骨造に比べて柱や壁の数が多いことから、高気密の住まいを設計しやすい点も大きなメリットです。すき間風の侵入を防いで、快適な室温を維持できるでしょう。

軽量で地震にも強い

地震による揺れの大きさは建物の高さや重さに比例しますが、木材には軽くてしなりやすいという性質があるため、万が一大きな地震が起こっても揺れを受け流して吸収します。軽量であることから地盤への負担も少なく、耐震面で安心できるのは木造住宅の大きな強みです。

鉄骨造と比べて費用を抑えやすい

鉄骨造住宅は部材を建築現場で加工することが難しく、工場での加工費用や建築現場までの輸送費用がかかります。また、鉄骨造住宅は重量があるため、木造住宅に比べて基礎や地盤補強のコストもかさむ傾向があります。

木造住宅は材料費が比較的安価な木材でできており、建築時に軽度の地盤補強あるいは地盤改良を必要としないケースが多いことから建築費用を抑えやすいでしょう。

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木造住宅のデメリット

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木造住宅のデメリットを理解しないまま家づくりを進めると、住み始めて後悔する可能性があります。

木造住宅の懸念点と対策を紹介しますので、設計時に工夫を凝らして快適に過ごせる住まいをプランニングしましょう。

シロアリ対策が必要

木造住宅の最大の懸念点は、湿った木材を好んで食べるシロアリや木材を腐らせる腐朽菌の発生リスクがあることです。ダメージを受けると建物の部材が傷み、住まいの耐久性が低下します。

木材の寿命を延ばして快適な暮らしを維持するために、日頃から通気性や通風性の確保に努めましょう。

業者によるメンテナンスを受けつつ、床下の状態をご自身でも定期的に確認することが重要です。シロアリや腐朽菌による被害を確認した際は、専門の業者へ連絡して早めに対処してください。

間取りの自由度が低い

木造住宅は耐震性を高める目的で多くの壁や柱を必要とするため、鉄骨造住宅に比べて間取りの自由度が低いという難点を抱えています。特に材料の規格がある程度決まっている木造壁式工法は、居室の広さや開口部の大きさ・位置など一部の間取りに制限が生じる可能性があります。

木造住宅で自由度の高い間取りを希望する場合は、木造軸組工法を採用するとよいでしょう。

品質が職人の腕に左右されやすい

木材は樹の種類や品質によって強度が異なるうえに、現場で加工する作業が多いことから職人の腕に住宅の品質が左右されやすい点も木造住宅のデメリットです。天然素材ならではの意匠性の高さを享受できる一方で、仕上がりにばらつきが生じやすいことを留意しておきましょう。

木造住宅の住宅性能や品質を確認する際は、耐震等級やUA値・Q値、C値などの客観的な数値に着目することが重要です。

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鉄骨造住宅のメリット

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鉄骨造住宅にも、鉄骨の性質や工法を活かした多くのメリットがあります。

鉄骨造住宅ならではの魅力を紹介しますので、木造住宅のメリットと照らし合わせながらご覧ください。

強度があり間取りの選択肢が多い

鉄骨造住宅は木造住宅に比べて、少ない柱や壁で建物の強度を維持できます。

材料の規格も比較的柔軟に対応できるため、間取りの選択肢が多いのは鉄骨造住宅の大きな魅力です。吹き抜けや大きな開口部のある、開放的で広々としたリビングを実現したい人には鉄骨造住宅が適しているでしょう。

品質が安定しやすい

大半の部材が工場で加工される鉄骨造住宅は、短い工期で安定した品質の住まいを建てることができます。

一部の組み立て作業は現場でおこなう必要がありますが、部材の加工や複雑な工程がないため職人の腕に品質が左右されにくいでしょう。

木造住宅は着工から完成までに3~6か月程度かかるのに対して、鉄骨造住宅は2~5か月で完成するため、職人の人件費にかかるコストを抑えられるという利点も持ち合わせています。

火災保険が安くなる

鉄骨造住宅は木造住宅に比べて、火災保険料が安いことも大きなメリットです。

耐火性については両者にそれほど大きな差がないものの、鉄骨造住宅は不燃構造であるため保険料を安く抑えることができます。契約する保険会社や加入期間によって異なりますが、場合によっては木造住宅の半分に近い保険料ですむでしょう。

これから何十年も支払い続けることを考慮すると、ランニングコストを安く抑えられるのは魅力的なポイントではないでしょうか。

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鉄骨造住宅のデメリット

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鉄骨造住宅にも、いくつかのデメリットがあります。

快適な住まいを実現するために、メリットとデメリットの両方を理解したうえで最適な構造を検討しましょう。

地盤補強が必要

鉄骨造住宅は木造住宅に比べて重量があるため、地盤の状態によっては建築時に地盤改良が必要です。大掛かりな補強工事が必要となった場合、工期が延びたり高額な費用がかかったりする可能性があることを理解しておきましょう。

建築コストが高くなる傾向がある

鉄骨造住宅は部材を工場で加工することによってコストダウンを図っていますが、主な材料である鉄骨の調達に高額な費用がかかります。地盤補強にかかる費用も考慮すると、結果的に木造住宅よりも建築費用が高くなる可能性が高いでしょう。

施工できる建築会社が限られる

鉄骨は木材に比べて加工が複雑であるため、建築会社は鉄骨造住宅を手掛ける知識やノウハウを得たうえで専用の加工場を整備しなければなりません。そのため、鉄骨造住宅は小さな工務店などで取り扱うことが難しく、施工が全国展開している大手ハウスメーカーなどに限られます。

間取りやデザインにこだわりがあり、施工を依頼したい建築会社が決まっている人には大きなデメリットとなるでしょう。

また、鉄骨造住宅は構造や工法が一般公開されていないクローズド工法であるため、原則として他社でリフォームができない点にも注意が必要です。

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木造住宅と鉄骨造住宅どちらが良い?

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最後に、木造住宅と鉄骨造住宅が向いている人の特徴をそれぞれ解説します。

ご自身が理想とする住まいや暮らし方をイメージしつつ、最適な構造を選択する際のヒントにしてください。

木造住宅が向いている人

木造住宅は家づくりの予算が限られている人や、環境に配慮された住まいを建てたい人に向いています。

材料や地盤補強にかかる費用を抑えつつ、自然素材特有のぬくもりや雰囲気を感じられる家づくりができるのは木造住宅の大きな強みです。

鉄骨造住宅に比べて資材の製造・加工時の消費エネルギーが少ないため、CO2排出量を大幅に削減した環境にやさしい住まいを実現できるという魅力もあります。

また、木造住宅の建築は多くの住宅会社が手掛けておりリフォームも依頼しやすいため、施工を依頼したい工務店・ハウスメーカーにこだわりがある人や長く住み続けたい人にもおすすめです。

鉄骨造住宅が向いている人

頑丈な住まいを建てたい人には、構造計算の義務化によって一定の強度が担保されている鉄骨造住宅がおすすめです。耐震性や耐久性に優れているため、3階建て以上の住まいを希望している人にも適しているでしょう。

また、木造住宅では構造上難しい大空間や一面の開口部なども、鉄骨造住宅であれば実現できる場合があります。

予算にゆとりがあり、デザイン性の高い頑丈な住まいを建てたい人は鉄骨造住宅を検討してはいかがでしょうか。

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構造ごとの特徴を理解して家づくりを検討しよう

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木造住宅と鉄骨造住宅は材料や組み立て方などに違いがあり、メリット・デメリットも大きく異なります。

家づくりで後悔しないためには、それぞれの特徴を理解したうえで理想の暮らしを実現できる構造を選択することが重要です。たとえば予算や環境に配慮したい場合は木造住宅、頑丈でデザイン性の高い住まいにしたい場合は鉄骨造住宅がおすすめです。

メリットだけでなくデメリットにも着目しつつ、設計に工夫を凝らして憧れの注文住宅を手に入れましょう。

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木造と鉄骨の違いに関するよくある質問

木造と鉄骨のどちらがいいですか?

木造と鉄骨のどちらがいいかは、建物の用途や予算、デザインの好みなどにより異なります。木造は、自然素材の温かみや調湿効果があり、比較的コストが抑えられることが特徴です。また、木造は設計の自由度が高く、地震に対しても柔軟性があります。一方、鉄骨は耐久性や耐火性に優れ、大空間を作りやすいことがメリットです。高層建築や商業施設などには鉄骨が選ばれることが多いです。最終的には、建築する場所や目的、予算に応じてどちらが適しているかを判断することが重要です。

木造と鉄骨造のメリット・デメリットは?

木造のメリットには、温かみのある自然な風合い、施工が比較的容易であること、断熱性が高いことなどが挙げられます。また、木材は加工しやすく、設計の自由度が高いという利点もあります。一方、デメリットとしては、耐久性が鉄骨造に比べて劣ることや、火災に弱いこと、湿気による劣化のリスクがあることが挙げられます。鉄骨造のメリットには、耐久性が高く、地震や火災に強いこと、長いスパンを取れるため広い空間を作りやすいことなどがあります。また、構造がしっかりしているため、増改築がしやすいという利点もあります。しかし、デメリットとしては、施工費用が木造に比べて高くなることや、断熱性が低いため、断熱材の工夫が必要になることが挙げられます。

木造と鉄骨造のどちらが暖かいですか?

一般的に、木造の方が鉄骨造よりも断熱性が高く、暖かいとされています。木材は熱を伝えにくい性質を持っており、自然の断熱材として機能します。そのため、木造住宅は冬場でも室内の温度を保ちやすく、暖かく感じることが多いです。一方、鉄骨造は構造的に強度が高いですが、熱を伝えやすいため、断熱対策が必要になります。断熱材の選定や施工方法によっても暖かさは変わるため、どちらの構造を選ぶにしても、適切な断熱対策を施すことが重要です。

木造と鉄骨どちらが地震に強いですか?

木造住宅と鉄骨住宅のどちらが地震に強いかは、一概には言えません。木造住宅は、軽量で柔軟性があるため、地震の揺れを吸収しやすいという利点があります。一方、鉄骨住宅は、強度が高く、耐震性に優れているため、大きな地震にも耐えられる構造を持っています。最終的には、設計や施工の質、使用する材料、建物の形状などによって耐震性能が決まります。どちらの構造も、適切な耐震設計が施されていれば地震に強い住宅を建てることができます。

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