【注文住宅】3階建ての価格はどのくらいかかる？メリット・デメリットや注意する点も紹介

【目次】

3階建て注文住宅は、さまざまな理由から特に都市部での人気が高まっています。3階建て住宅を建てたいと考えてはいるものの、予算が足りるのか分からず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、3階建て注文住宅の価格相場と割高になる理由について解説します。3階建て注文住宅のメリット・デメリットや、価格を抑えるポイントについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

3階建て住宅のメリットとデメリット

3階建て住宅には、2階建てでは実現できないメリットがあります。一方で、デメリットも存在するため注意が必要です。

本章では、3階建てのメリットとデメリットを解説します。

3階建て住宅のメリット

土地が高い都市部では、十分な広さの敷地を確保できない場合もあるでしょう。同じ土地の広さであっても3階建てにすれば、２階建てより多くの部屋を確保しやすくなります。シアタールームや書斎、楽器演奏のための防音室、セカンドリビングなど、趣味を楽しむプライベートスペースを検討することも可能です。

また、都市の住宅密集地であっても、眺望が確保しやすいといったメリットがあります。3階建てであれば近隣の2階建てよりも高いため、周りがマンションなどでない限り眺望の良さが期待できます。

そのほか、災害対策の面でも有利です。近年発生している津波や河川の氾濫などに対しても、1階をガレージにして2〜3階を居住空間にすることで、床上浸水を免れる可能性が高まります。

3階建て住宅のデメリット

3階建て住宅のデメリットとして、上下階の移動が大変、温度差が生じやすい、地震で揺れやすいなどが挙げられます。

3階建て住宅は上下階の移動が大変なだけでなく、スムーズな動線がつくりにくいといったデメリットがあります。

敷地が狭い場合、１フロアの面積が狭くなるので、思い通りの部屋数を確保できず、複数のフロアに分散せざるを得ないケースもあるでしょう。たとえば、洗濯室が１階、干し場が３階、収納が２階になると、毎日の家事が大変です。

上下階の移動が多いと、老後は足腰への負担が大きく生活しにくくなる可能性もあるため注意が必要です。

また、暖かい空気は上に上る性質があるので、夏は３階が暑く、冬は１階が寒くなる傾向があります。特に吹き抜けなどを設置すると、冷暖房効率が悪くなる可能性があります。

階ごとの温度差を解消するには、高気密、高断熱の住宅を検討するほか、全館空調の採用などの対策が考えられます。

そのほか懸念されるのが耐震性です。階層が増えれば触れるほど、地震などの揺れの影響が高まります。特に1階をビルトインガレージにする場合、十分な強度を確保できる構造を選択することが大切です。

3階建てのメリットやデメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

3階建ての間取り実例｜メリット・デメリットも紹介

3階建て住宅で後悔しやすいこととは？事前に知っておきたいポイントを紹介！

3階建て注文住宅の価格の目安

3階建て注文住宅の価格相場は、ローコスト住宅か大手ハウスメーカーかによっても異なります。30坪の住宅であれば、ローコストハウスメーカーで1,200万〜1,800万円、大手ハウスメーカーで2,100万〜3,000万円が一般的な相場です。

本章では3階建ての注文住宅を建てるうえで、割高になる理由と加算された場合の費用について解説します。

構造計算が必要な理由とその費用

3階建て住宅を建築する際は、建築申請時に構造計算書を添付するよう建築基準法で定められています。そのため3階建て住宅を建築する際は構造計算の費用が上乗せになります。

構造計算とは、積雪や家財、建物自体の重さなど、鉛直荷重を想定して建物の安全性を計算し確認することです。ハウスメーカーによって異なりますが、構造計算には20万〜50万円前後の費用がかかります。

2階建て以下なら構造計算は必要ありませんが、3階建てになると構造計算に沿ったつくりにしなければならないため、柱や梁が多くなる傾向があります。柱や梁などの建材が多くなれば、構造計算の費用だけでなく建築費も高くなります。

地盤調査や改良費用が加わる可能性

3階建て住宅は、2階建てや平屋の住宅に比べ建材を多く使用するため、建物の重量が増加します。建物が重くなれば、建物を支える地盤も強固なものでなくてはなりません。

地盤調査の結果により地盤改良が必要となれば、その分の費用が上乗せされます。

地盤調査は階数に関わらず必要な調査で、約5万〜30万程度必要です。調査の結果、地盤が軟弱だと分かれば地盤改良が必要になります。

地盤改良は地盤の軟弱度に合わせて「表層改良工法」「柱状改良工法」「鋼管杭工法」のいずれかを実施します。一般的な費用の目安は20万〜150万円程度です。

新しく土地を購入する場合、一般的に購入後でないと地盤調査ができないため、地盤改良費は多めに見積もっておくべきでしょう。

3階建て注文住宅の価格を抑えるポイント

3階建て住宅は、構造計算に伴い建材が多く使用されたり地盤改良が必要になったりする可能性があるため、コストが高くなる傾向があります。予算内で3階建て注文住宅を建てるためには、価格を抑える方法を知っておくと役に立ちます。

本章では、3階建て注文住宅の価格を抑える3つのポイントを紹介します。

間取りをシンプルにする

部屋数を多くせず、間取りをシンプルにすればその分価格を抑えられます。部屋数を少なくすると、建具や壁紙などの内装費用を削減できるためです。

たとえば子ども部屋を大きなひとつの部屋としてつくり、間仕切りで仕切ることで2つの部屋として利用できます。

ただし、費用削減のために暮らしやすさが犠牲にならないよう、プライバシーの確保や、使いやすさも含めてよく検討しましょう。

水回りをまとめる

コストを削減するためにも、水回りをまとめましょう。

水回りをまとめると、その分給排水管も短くなり配管工事のコスト削減が可能です。また水回りをまとめると家事動線もつくりやすくなり、不具合が起きたときのメンテナンス費も抑えられるといったメリットもあります。

特にトイレは階を分けて2つ設置しやすいですが、ワンフロアにまとめることでコストダウンを実現できます。

そのほか、間取りのポイントについて知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

おしゃれな3階建てを建てるには？間取りのポイントや実例を紹介

老後に後悔したくない！3階建てに長く住むための5つの注意点

地盤が安定した土地を選ぶ

地盤改良費を抑えるためには、地盤が安定した土地を選ぶのも重要です。

土地を購入する前に地盤調査を行うのは難しいので、できる限りインターネットなどで調べておくと安心です。

ハザードマップや国土地理院などを活用すると、以前どのような土地だったのか、地形分類などが把握できます。地形分類によって地盤が安定している地域なのか確認できるため、土地選びの際に活用しましょう。

予算内に抑えるために間取りや設計を工夫して検討しよう

30坪3階建て注文住宅の価格相場は、ローコストハウスメーカーで1,200万〜1,800万円、大手ハウスメーカーで2,100万〜3,000万円ほどです。

3階建て注文住宅が割高になる理由としては、構造計算が必要な点と地盤改良が必要になるケースが高いことが挙げられます。

予算内に抑えるには間取りをシンプルにし、水回りをまとめることが大切です。また土地を購入する際は、事前に地盤が安定した土地なのかを確認しておくとコストダウンを図れます。

本章で紹介した価格を抑えるポイントを参考に、マイホーム計画を進めていきましょう。