住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
近年、日本各地で台風や地震、大雨による停電が頻発しています。停電すると、照明や冷蔵庫、暖房・冷房などが使えなくなるほか、スマートフォンの充電もできなくなり、情報収集や家族との連絡手段が絶たれるなど、生活に大きな支障が出ます。特に広範囲に及ぶ停電は復旧までに時間がかかり、生活に大きな影響を及ぼします。そのため、事前に非常時に電気を確保する方法を知り、家庭で備えておくことが重要です。
本記事では、停電時に電気を確保する具体的な方法や、備えておきたい防災グッズについて詳しく解説します。
停電の原因はさまざまですが、その多くを占めるのが、以下のような自然災害によるものです。
強風で電柱が倒れたり電線が切れたりするほか、飛来物や倒木が電線を損傷させることで停電が発生します。
地震発生時は、家屋の倒壊や地盤の変動などにより電柱や電線、地中のケーブルが損傷し、停電の原因になります。特に変電所や送電設備が被害を受けた場合、広範囲で停電が発生するケースが少なくありません。
電線に積もった雪が風で揺れることで電線同士が接触しショートを起こすことがあり、これにより停電が発生します。また、寒波による電力需要の急増で供給が追いつかなくなることも、停電の原因です。
電線や変圧器への落雷により、設備が損傷すると停電につながります。また、火災時には電線や送電設備の焼失のほか、安全な消火活動のために消防の指示で緊急停電となる場合もあります。
計画停電は、電力供給が不足した際に地域ごとに意図的に電気を止める措置です。東日本大震災の後のように、大規模災害や発電設備の故障・燃料不足などにより、電力の安定供給を維持するために行われます。
停電の復旧時間は原因によって異なり、短時間で解消されることもあれば、数日から1週間以上続くこともあります。特に地震や台風による被害が大きい場合は復旧に時間がかかるため、事前に電力を確保する準備をしておくことが重要です。
停電が発生すると、電力に依存した生活のあらゆる部分が機能しなくなり、日常生活に大きな影響を及ぼします。
スマホやWi-Fiルーターが充電できなくなると、災害情報の収集や家族との連絡が困難になり、適切な避難行動がとれなくなる可能性があります。
停電が4時間以上続くと、冷蔵庫内の食品が傷み始めます。冷凍食品も一度溶けてしまうと再冷凍が難しく安全性が損なわれるため、廃棄せざるを得ないケースが多くなります。
夏は熱中症、冬は低体温症のリスクが高まり、特に高齢者や乳幼児にとっては命に関わる危険な状況です。
暗闇では避難時の移動が困難になり、足元が見えず転倒やケガのリスクが高まります。
在宅酸素療法、人工呼吸器、電動ベッドなどを使用している人は、電源が確保できないと、生命の維持に関わる重大な影響を及ぼす可能性があります。
停電は単に「電気が使えない」問題にとどまらず、生活の安全や健康を脅かします。特に夏や冬の停電では、気温の変化による健康リスクが高まるため、あらかじめ電気を確保する対策を講じておくことが重要です。
自然災害時に停電が発生すると、確保できる電力の量によって避難生活の快適さや安全性が大きく変わります。まず必要なのが、最新の災害情報を得たり、家族と連絡を取ったりする通信手段の確保です。
さらに、夜間の照明や冷蔵庫を利用できるだけの最低限の電力があれば、平常時と同じとまではいかなくても、最低限の生活機能は維持できるでしょう。停電はいつ発生するかわかりません。長期化した場合に備えて、蓄電池や発電機があると安心です。
災害時の停電に備えて、家庭で最低限確保したい電力の優先順位は以下の通りです。
1.通信手段(スマホ、Wi-Fi、ラジオ)
災害情報の収集や家族との連絡手段を確保するため、最優先で電力を確保しましょう。
2.照明(LEDランタン、懐中電灯)
夜間移動時における安全確保のために必要です。
3.冷蔵庫(短時間のみでも可)
食品を守り、食中毒を防ぐために、短時間でも電力を供給できる対策を考えておきましょう。
4.暖房・冷房(電気毛布、扇風機)
特に高齢者や乳幼児の健康維持のため、気温対策が欠かせません。
災害の規模や使用する家電によっても異なりますが、目安としては1,000Wh以上のポータブル電源があると安心です。ちなみに、使用する機器の種類や使用頻度にもよりますが、1,000Whのポータブル電源であれば、約1〜3日間の最低限の電力供給が可能とされています。
普段の生活で急に停電が起きた際は、以下の手順で冷静に原因を確認し、適切な対応を取りましょう。
家の一部に電気がついている場合は、一部の安全ブレーカーが落ちている可能性があります。家全体が停電しており、近隣の家も同様に停電している場合は、地域全体の停電の可能性が高いです。
ブレーカーが落ちている場合は、契約アンペアを超える電力を使用した可能性があります。不要な電化製品をオフにし、ブレーカーを戻しましょう。漏電ブレーカーが落ちている場合は、漏電の可能性があるため、早急に電気工事業者などの専門業者に連絡しなければなりません。ブレーカーが正常なのに電気がつかない場合は、電力会社のホームページやSNSなどで停電情報を確認しましょう。
電力会社の公式サイトやSNS、アプリなどで、現在の停電エリアや復旧の見通しを確認しましょう。
停電時は、食品の保存や火災予防、寒暖対策を意識することが大切です。
・冷蔵庫のドアは極力開けない(4時間以内なら庫内の食品は安全)
・冷凍庫は満杯の場合は約48時間、半分程度でも約24時間は保冷可能(ドアを閉めたままにすることで温度を維持)
・停電が長引く場合は、クーラーボックスを活用(保冷剤や氷を使用)
・停電時の火災リスクを防ぐために、電化製品のスイッチをオフにし、コンセントを抜く
・特に電気ストーブ、アイロン、オーブントースター、電子レンジなどの発熱系家電は火災の原因になるため注意
・カイロの使用や厚着で体温を維持
・カセットコンロでお湯を沸かし、温かい飲み物を作る
・カセットコンロを使用する際は、必ず換気を行い、火気の近くに可燃物を置かないように注意
・こまめな水分補給で熱中症を防ぐ
・日中は直射日光を避け、風通しの良い場所で過ごす
これらの対策をしっかりと行い、万が一の停電時にも落ち着いて、安全に乗り切りましょう。
災害時の電気確保には、「事前に充電・蓄電しておく方法」と「停電時に発電する方法」の2種類があります。ここでは、それぞれの方法について具体的に紹介します。
ポータブル電源は、リチウムイオンバッテリーを内蔵した充電式の大容量バッテリーです。USBポートやACコンセントを搭載し、スマホやノートPCの充電、小型家電(扇風機・電気毛布など)を稼働させられます。災害時の備えとしてだけでなく、アウトドアやコンセントが届かない場所でも活用できるため、持っておくと便利です。
家庭用蓄電池は、普段から家庭の電気を蓄え、停電時に電力を供給できるシステムです。ポータブル電源と比べて蓄電容量が大きく、長期間の停電にも対応できる電力を確保できます。太陽光発電(ソーラーパネル)と連携すれば、光熱費の削減にも役立ちます。ただし、導入には高額な費用がかかるため、補助金制度の活用なども検討が必要です。
発電機は、ガソリンやカセットボンベを燃料にして発電する機械で、燃料があれば何度でも使用できるのが最大の特徴です。安定した電力供給が可能で、小型タイプなら持ち運びしやすく、停電時の非常用電源として頼れる存在です。
ただし、ガソリンを使用するタイプは、燃料の劣化や引火のリスクを避けるため、使用後に燃料を抜いて保管する必要があります。また、稼働音が大きいものもあるため、使用環境や近隣への配慮を考慮して選びましょう。
ここからは、停電時でも最低限の生活を維持するために、事前に備えておくべき防災グッズを紹介します。
ポータブル電源用ソーラーパネルは、太陽光を利用して電気を確保できるエコな発電手段です。停電時でも太陽光さえあれば充電可能で、燃料不要のため繰り返し使用でき、長期間の停電時にも安心です。ただし、曇りや雨の日は発電量が落ちるため、晴れた日にポータブル電源などにしっかり充電しておく必要があります。
乾電池は懐中電灯やラジオの電源に、モバイルバッテリーはスマホやUSB機器の充電に欠かせません。非常時の連絡手段や照明の確保、情報収集に役立つため、普段から充電や買い置きをしておき、停電時にすぐ使えるよう準備しておきましょう。
災害時の停電対策として、LEDランタンと懐中電灯は必需品です。LEDランタンは室内全体を均一に照らし、夜間でも明るさを確保できます。一方、懐中電灯はピンポイントで照らせるため、避難時や屋内外の移動時に便利です。乾電池式や充電式、ソーラータイプなどさまざまな種類があるので、用途に応じて選ぶとよいでしょう。乾電池+ソーラーなど複数の電源方式に対応したモデルを選ぶのがおすすめです。
カセットコンロは、災害時にも温かい食事を作れる必須アイテムです。ガスボンベさえあれば電気を使わず調理できるため、非常用のレトルト食品やカップ麺を温められます。また、冬場にはお湯を沸かして暖を取ることも可能です。カセットコンロの使用時間や調理内容にもよりますが、1日に約1本のガスボンベを使用する可能性があるため、できれば3本以上備蓄しておくことをおすすめします。
AM/FMラジオ機能付きの手回し式ラジオは、最新の災害情報や避難指示を得るのに必要です。手回しで充電できるため、停電が長期間続いても情報収集に困りません。ただし、手回しは体力を消耗するため、乾電池やソーラーなど他の充電方法にも対応したタイプを選ぶとよいでしょう。スマホ充電機能付きの手回し式ラジオもありますが、万が一に備えて、専用のモバイルバッテリーなどスマホ用の充電器も別途準備しておくと安心です。
災害時に備えた電力確保は、家庭環境や予算に応じて、短時間(数時間)または長期間(数日以上)の停電対策を考える必要があります。特にスマホの充電や照明、温かい食事を確保できるかどうかは生活の質を左右するため、事前準備をしておきましょう。まずはスマホの充電器やLEDランタンなど手軽なアイテムを揃え、余裕があればポータブル電源やソーラーパネルを導入すると、万一の際にも落ち着いて行動することができます。
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