住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
子どもの頃、何もないところから建物が建っていくという絵本を読んだことがあり、何もないところから何かができるというのが面白くて。それが仕事として設計をやりたいと思ったきっかけです。住宅の設計は、私にとっては一番面白く、興味が尽きない仕事ですね。新しい住まいでお客さまの服装や雰囲気が変わるのを何度も目の当たりにして、住まいにはその人の生活や人生を変える力があるんだなと思いますし、設計士として携われるのはやりがいを感じます。
住まいづくりで大切にしているのは、たくさんのご要望に応えるよりも、たった一つでもいいのでお客さまのお気に入りをつくってもらえるようにと意識しています。何十年も住むものですから、その人が愛着を持ち大事にしていただけるように、一つでも100点のお気に入りがある住まいをご提案したいと考えています。お客さまにはどんな暮らしがしたいのか、何をしている時が楽しいのかを少しでも多く聞き出すことで、住まいに求める本音を引き出すように心がけています。
私は建築物に限らず、身の回りのデザインされたものが好きで、いろいろなものに興味を持つようにしています。気になる場所や物は見に行きますし、自分が身を置く空間はついつい観察してしまいます（笑）。自分の中では、デザインはゼロからするわけじゃなく、いろいろなところで見たことや触ったことがあるもので組み上げていくしかない。“見る、触る、体験する”ことは大事で、それをアイディアとしてどう生かせるかだと思っています。
長年住宅設計に関わっていますが、一邸一邸ですべてが違いますので、これからもお客さまと住まいづくりを楽しんでいきたいですね。お客さまが新しい住まいで生活されて実感された言葉は、嬉しくて励みになりますし、意欲的に取り組んでいきたいと思っています。図面で描いたことが現場で収まったら楽しいですし。後輩たちにも、お客さまがこう言うからこうするじゃなく、設計士としてこういう住まいをご提案したいという意思を持ち、楽しんで設計してほしいですね。
