住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
リフォーム 001
カフェラウンジをイメージしたメインリビング。定期的な料理教室も開催。
空室化が進んでいた会社の独身寮で「建物も老朽化しているので改装リニューアルして使いたい」とのご相談を受けました。琵琶湖に臨む築54年、120室の寮で、個室は隣室の声が聞こえる、寒いとの声が多いと聞いたので、ここに居たくなるような寮にしたいと考えました。既存の建物には上手く活用されていないスペースも見受けられたので、寮生さんのコミュニケーションが広がり、日々の生活を楽しくする仕掛けをつくりながら、愛着を持っていただける設えを目指しました。コロナ禍で人との繋がりが途絶え、建物内に繋がりができる場を提供することで社員のエンゲージメントを高めることもポイントでした。
今回のプランでは、広くてオープンなキッチンや団らんスペース、スーパー銭湯をイメージした大浴場、仲間と鍛えられるジムスペースなど、広大な建物の中に街をつくる感覚でご提案。エントランスは間接照明やR型の壁を採用し、カーペットの貼り分けで琵琶湖の波や光をイメージしたインテリアに仕上げています。また、室内窓を設けてリビングの中が見えるように工夫し、色々な集まりが楽しめるよう色や形が異なる家具の配置も考慮するなど、コミュニケーションを促すようにしています。
この寮は法人さまの建物で、月に一度定例会を開き、出来上がりのイメージを社内で共有いただけるようにパース案を何案か作成したうえで協議いただきました。これだけの規模のリフォームは初めてでしたが、営業担当や各種メーカーさまとも検討を重ねて計画をまとめ、現場監督にも常駐で職人さんをまとめてもらって当初のご相談から1年半ぐらいで完成しました。4月から満室になると伺っていますが、個別のスペースを小さく抑えて、その分社員同士のコミュニケーションを図る仕掛けを組み込んだ点が大きく評価されているようで嬉しく思います。