住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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「CRE」とはCorporate Real Estateの略称で、
企業が事業活動のために所有または賃借しているすべての不動産を指します。
本社ビルや工場、店舗、物流倉庫、さらには社宅や遊休地など、企業が持つ不動産は多岐にわたります。
経営目標を達成するためには、これらの資産価値を十分に活かし、
戦略的に活用していく視点が欠かせません。
本記事では、CRE戦略が今求められている背景や、今後の展望について詳しく解説します。
2022年以降、日本は長く続いたデフレからインフレの局面に移行しました。デフレ下ではなるべくお金を使わず、土地は保有しているだけで良しとされてきましたが、利益を生まない遊休地や生産性の低い工場はROA(総資産利益率)が低下。投資家から「経営効率が悪い」と評価されてしまう時代へと変わってきました。働き方の多様化にそぐわない老朽化したままの本社ビルや社宅・社員寮の保有も企業評価にプラスとはなりません。リスク管理(災害・老朽化)やBCP(事業継続計画)の観点からも、企業は利益を内部留保するのではなく、不動産を積極的に活用し、インフレ率を上回る付加価値を創出することが求められます。こうした背景から、いま改めて注目されているのが「CRE(企業不動産)戦略」です。
国土交通省は2008年、「CRE戦略実践のためのガイドライン」を策定しました(※2010年改訂)。ガイドラインではCRE戦略について「企業価値向上の観点から、経営戦略的視点に立って企業不動産の見直しを行い、不動産投資の効率性を最大限向上させていこうという考え方」と定義しています。これをきっかけにCREの考え方が国内に浸透し始めたとされています。
企業不動産を単なる「土地」「施設」ではなく、戦略的な「資源」として捉え直し、『経営を加速させるツール』として使いこなさなければ生き残れない時代になったことが最大の背景です。

日銀による段階的な政策金利の引き上げに伴い、金融環境は大きな転換点を迎えています。金利の上昇は不動産の採算性・収益性に大きく影響します。収益性の低い物件は魅力が薄れ、保有するメリットも低下しますので、活用方法を再検討するなどの対策が必要です。
また、建築物省エネ法の改正により省エネ基準適合が義務付けされたことで、対応コストの増加と同時に、建築費の高騰が新築・修繕計画に与える影響も小さくありません。公示地価の上昇に伴い固定資産税・都市計画税といった保有コストも増加傾向にあります。
さらに企業を突き動かす大きな要因となっているのが、2027年4月以降に適用が開始される「新リース会計基準」です。これは、原則としてすべての賃借コストが「負債」として貸借対照表に計上されるという、大きなルール変更です。これまではオフバランス(簿外)処理できていた賃貸物件などのリース資産がオンバランス化されるため、自己資本比率やROA(総資産利益率)といった重要な財務指標が押し下げられ、対外的な財務の見え方が一変します。そのため企業は、今ある不動産について以下のような決断を迫られることになります。
このルール変更が適用されてから動いたのでは手遅れになります。企業不動産の取り扱いをどうするかは、経営陣が今まさに、早急に向き合うべき重要な課題となっています。
企業経営における不動産は、本業に不可欠なものかどうか、所有か賃貸か、キャッシュを生むか生まないかによって、位置づけが変わります。
手元にある不動産の状況を見直し、より良い活用策を実行に移すことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。財務の健全化に資することはもちろんですが、例えば散在する拠点を集約することで業務の効率化を高め、本業の営業力を強化する、また従業員エンゲージメントを高める施設整備やオフィス環境の刷新は福利厚生面の魅力を高め、人材確保する上でも強力な武器になります。本社ビルの建て替え時にテナントや、賃貸住宅・ホテルなどを併用することで、資産に収益性が生まれます。
企業のCSR(社会的責任)の観点では、建物をZEH/ZEB化して脱炭素化に取り組み、また防災拠点や介護施設など地域社会に貢献する用途とすることで、ESG(環境・社会・ガバナンス)への姿勢を社会に示す手段となります。


