プランニングの基礎となる最初のポイントが敷地配置=ゾーニングです。土地の形状や周辺環境、道路付け、隣地やまわりの将来変化予測などをトータルに検討して、建物の大きさ・形状やアプローチ・駐車場・コモンスペースを計画。光と風の流れ、人や車の時間帯ごとの動きも見究め、その土地を最も生かせる方法を導き出します。歩車分離の動線を設計する際には、路面の仕上げ材をそれぞれ変えることで、デザインからさりげなく誘導する工夫も取り入れます。また法規上必要とされる避難路や消防活動用の通路は、採光スペースや車道と兼用するなどムダを省いた建物配置設計を丁寧に考え、敷地を有効活用します。

道行く人の目に留まり、その存在感が印象に残るのは、品格ある外構計画があってこそ。シャープなゲートが入居者さまへのお出迎え感を演出します。侵入者には心理的な結界を示すことになり、また建物外観を立体的に魅せる手法としても効果的です。自然石を敷き詰めた木陰の小路はゆったりカーブを描き、ゆとり感を醸成。アプローチの両サイドに植栽を配置することで季節感が楽しめ、子どもの道路への飛び出し防止にも効果的です。建物の下部は低木植栽で引き締め、自転車置き場やエアコン室外機など、生活感が露出しないよう、目隠しや配色を効果的に使ってデザインノイズを低減できるよう工夫します。

外構計画と同時に注力したのがライティング。効果的に配された照明により、グリシーヌは夜景の美しさも格別です。植栽を浮かび上がらせる柔らかな光や、建物のシルエットを幻想的に魅せる間接照明で演出。防犯面の効果はもちろん、アプローチやエントランスまわりの灯りは夜間の通行の助けとなり、我が家に帰ってきた安心感も深まります。

外観デザインは、マンショングレードの風格を醸し出す、フレームデザインを採用。無開口外壁のオーバーハングとバルコニー部分をコーナーでつなぎ、立体的でスタイリッシュな印象に。コントラストを効かせた2色のキラテックタイルを大胆に張り分け、エントランスはセットバックさせて、かつ垂直・水平ラインを強調することでグレード感をアップ。庇を深く確保し、ゆとりと品格にあふれたエントランスを完成させました。
1階風除室や共用部は、素材感やカラーコーディネートにもこだわりをプラス。廊下はあえてブラック基調のインテリアを採用し、ピンスポットのようなダウンライトや間接照明をライン配置することで、高級感を演出しました。細部の仕様にまで手を加えて、グレードが感じられる出来栄えです。屋内共用タイプとすることで、マンションのような気品と格調を保ちながら、屋外の共用部と比べて風雨や紫外線など、気象の影響による劣化を抑え、メンテナンスを軽減できる効果も見込めます。

モデルルームのプランは子育てファミリーを想定。廊下は最小限に抑えて、リビング・ダイニングを中心にアクセスできるよう、スムーズな家事動線に配慮。キッチンの換気ダクトを活用した部分天井下げに間接照明を配置したり、壁一面を堀り込んで奥行きをもたせ、タイルのアクセントウォールにするなど、空間をランクアップ。さらにフラットな対面キッチンやパーティションで室内を広く使えるようにLDKを工夫。在宅勤務に対応できるワーキングコーナーなど、今どきの暮らしに合った生活提案が盛り込まれています。