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擁壁解体にはいくらかかる?費用相場とコストダウンのポイントを解説

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【目次】

擁壁解体にかかる費用相場の目安

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擁壁の種類による費用感目安

主な擁壁の種類は、鉄筋コンクリート造(RC造)・ブロック造・石造りの3種類で、擁壁の種類により、解体方法や費用が異なります。

特に、鉄筋コンクリート造(RC造)の擁壁はもっとも一般的で強度が高く、解体作業には大型重機やカッター切断が不可欠です。鉄筋の密度が高いほど廃棄処分に時間とコストがかかることもあり、他の素材よりも高額になる傾向があります。

ブロック造の擁壁は壊しやすく、比較的安価な傾向です。

石造りの擁壁も比較的安価ですが、構造や設置方法に費用が左右されがちです。具体的には石の重量と、背面の「裏込めコンクリート」の有無で値段が変わります。

㎡単価における費用相場の目安

擁壁の解体工事費用は、通常「1平方メートルあたりいくら」という単位で算出されます。

地域や現場条件により大きく変動するものの、

鉄筋コンクリート造(RC造)は17,000円~50,000円程度

ブロック造は14,000円~40,000円程度、

石造は1平方メートルあたり10,000円~30,000円程度です。

ただし、この単価はあくまで解体作業の基本的な費用の目安であり、実際の工事費用は現場状況によって大きく変わります。例えば、擁壁の高さが高い場合や厚みがある場合は解体作業が難しくなるため費用が上がりやすく、また重機が搬入できない狭小地では手作業による解体が必要となり、工事費が高くなる傾向があります。

さらに、解体後に発生するコンクリートガラや石材などの廃材処分費、残土処理費、重機搬入費、養生費、交通誘導員の配置費などが別途必要になるケースも多いため、最終的な総額は単純な㎡単価より高くなることも少なくありません。
そのため、擁壁解体の費用を正確に把握するには、現地調査を行ったうえで施工業者から詳細な見積もりを取得することが重要です。

立地条件による変動要素は?

先述の通り、解体費用は通常「1平方メートルあたりいくら」で算出されるため、擁壁の規模が大きくなれば、全体の金額も高くなります。

擁壁の高さについて、安全性や耐久性を確保するために鉄筋コンクリート造(RC造)が採用されることも多く、高さがあるほど解体作業が難しくなり、費用も高くなります。厚みのある擁壁も同様です。

また、擁壁を解体する場合、安全基準を満たすために、自治体に事前の申請や許可が必要な場合もあります。それに付随する費用も念頭に置いて考えなければなりません。 

擁壁解体で100万円を超えるケースとは?

擁壁解体の費用は、現場の状況に左右されます。特に、本体解体以外にかかる付帯的な費用は見落とされがちです。そのため、㎡単価だけで計算するよりも、下記シミュレーションのように総額で計算した方が、より費用感を掴みやすくなります。

  • 早速、以下の条件で、「諸経費」「重機回送費」なども含めた総額をシミュレーションしてみます。

・面積:20平方メートル(高さ2メートル×長さ10メートル)

・構造:鉄筋コンクリート造(RC造)

①擁壁解体費:40,000円×20平方メートル=800,000円

②重機回送費:50,000円

③廃材処分費:150,000円

④諸経費・養生費:150,000円

合計(税抜):1,150,000円

合計(税込):1,265,000円

  • 次に、上記条件はそのままに、構造を「ブロック造」に変更してシミュレーションします。構造がブロック造になるだけで、3分の2程度まで費用を抑えられる計算になります。

①擁壁解体費:30,000円×20平方メートル=600,000円

②重機回送費:50,000円

③廃材処分費:80,000円

④諸経費・養生費:50,000円

合計(税抜):780,000円

合計(税込):858,000円 

  • 今度は、最初と同じ鉄筋コンクリート造(RC造)でも、面積を広げた場合のシミュレーションです。

・面積:45平方メートル(高さ3メートル×長さ15メートル)

・構造:鉄筋コンクリート造(RC造)

①擁壁解体費:40,000円×45平方メートル=1,800,000円

②重機回送費:80,000円

③廃材処分費:450,000円

④諸経費・養生費:420,000円

合計(税抜):2,750,000円

合計(税込):3,025,000円

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擁壁の解体費用が高くなる要因は?

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重機の搬入が難しい狭小地や傾斜地

擁壁の解体費用は、擁壁の素材や大きさだけでなく、施工現場の状況にも左右されます。

特に、解体現場の前面道路を含め、周辺道路が狭い場合、擁壁工事に必要なトラックや大型重機が侵入できない場合があります。資材の搬出入を小型車両と人力で複数回行う必要があり、全体の人件費や工期が膨らむ可能性があります。

また、交通量の多いエリアや見通しが悪い場所では、安全対策のために警備員の配置が求められることもあります。

高低差がある場所や傾斜地であれば特別な工法が必要になる場合があり、その分の費用がかさみます。

高さが2メートルを超える擁壁

擁壁の高さが2メートルを超えると、通常の解体よりも難易度が上がり、追加コストが発生しやすくなります。

例えば、高さ3メートルの擁壁を壊す際には、破片が遠くまで飛散するリスクがあります。安全かつスムーズに解体を行うために、高層用の足場と防音シートが必要で、諸経費を押し上げる原因となります。
また、2メートル程度であれば小型重機でも届きますが、3メートルの天端(擁壁の最上部分)を安全に壊すには大きめの重機が必要です。その他、擁壁は高くなればなるほど土圧が増すため、下部に厚みを持たせています。体積が増えることで、処分費が跳ね上がる傾向にあります。

廃材処分費用

擁壁の解体費用には、「重機回送費」「廃材処分費(1立方メートルあたりいくら)」が別途加算されるのが一般的です。

解体後に発生するコンクリートやブロック、石といった廃棄物の量が多い、特殊な処分方法が必要な場合は、追加費用が発生する可能性があります。 

隣地や道路に影響を与える場合の養生・補強工事

擁壁解体工事は騒音や振動を伴うことが多く、近隣住民への配慮が欠かせません。隣接する家屋の基礎や塀、敷地に影響が出ないよう、安全対策を徹底します。具体的には、必要に応じて低振動工法を採用する、事前に隣家の状態を記録する「家屋調査」を実施する、防音シートで現場を囲うといった方法が挙げられます。

また、地盤調査の結果、土地が建物の重さに耐えられない軟弱地盤であることが判明した場合は「杭打ち」「表層改良」といった地盤改良工事が必要です。地下水が多く含まれている地盤の場合は、通常の土留めに加え「排水路」「浸透桝」など地下水を抜くための特別な排水設備を設置してから作業を進めます。

高さ2mを超える擁壁の注意点

擁壁の解体を行う場合、安全基準に適合するための手続きを求められることがあります。

特に現行の建築基準法において、高さ2メートルを超える擁壁は「工作物」の扱いになり、新設や再築の場合は建築確認申請が必要です。つくり直す際は構造計算を行い、必要書類を窓口に提出し、審査が下りてから着工しなければなりません。

解体工事にはこの手続き費用に加え、安全かつスムーズに解体を行うための足場と養生の設置・解体費用を追加する必要があります。

擁壁解体に建築確認は必要?

2メートルを超える擁壁については上述の通りです。「宅地造成工事規制区域」において、2メートルを超える擁壁を解体する場合は、事前に関連した届出が必要です。

対して、高さが2メートル以下の擁壁であれば、基本的に確認申請は不要です。

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擁壁解体費用を抑えるために必要な工夫は?補助金制度も活用しよう

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複数業者からの相見積もり

擁壁工事は専門性の高い工事であり、業者選びが施工品質や費用に大きく影響します。信頼できる業者を選ぶために、少なくとも2~3社の見積もりを取りましょう。複数社から見積もりを取り、比較することで、適正な価格帯を把握できます。 

また、相見積もりをとって比較する際は、安さだけではなく、費用の内訳も確認します。明確に記載されていない場合、後から追加費用が発生する可能性があるからです。

具体的には、作業費用(人件費)、重機使用料(ユンボやクレーンなど)、廃棄物処理費用、諸経費(申請費用や交通費など)が含まれているか確認することが重要です。

解体・新設工事を同じ業者に依頼

擁壁の解体後に、再構築工事や土留めを実施する必要がある際は、同じ業者に相談することをおすすめします。工事が長期化する可能性があるため、費用だけでなくスケジュールの調整もしやすくなります。

  • 複数業者と個別に打ち合わせや契約を行う必要がない

解体から新設まで一気通貫で任せられるため、施主の手間を省くことができます。また、複数業者の手が入らない分、工事品質を担保しつつ費用を抑えられる場合があります。具体的には、足場の設置や重機の回送、現場管理にかかる諸費用など解体・新設に共通する経費を大幅に削減し、トータルでの工事費用を安く抑えられる可能性が高まります。 

  • 業者間の連携ミスを抑えられる

無駄な待機時間がなくなり、全体の工期も短縮されます。

  • 行政への届出を一括して、計画的に行える

専門知識が必要な開発許可申請や、建築確認申請をスムーズに進められます。

なお、業者を選ぶ際は、土木(擁壁)に精通している、かつ十分な安全管理体制と実績があるか、慎重に見極めてください。また、解体は「解体工事業」、擁壁設置は「土木工事業」や「建築工事業」の許可・登録が必要な場合があり、両方の許可(または登録)を持つ業者を選ぶことが重要です。

擁壁解体に地方自治体の補助金・助成制度を活用

一部の自治体では、「がけ崩れ防災対策事業」等の名称で、古い擁壁の解体・撤去費用に対する補助金や助成制度を設けています。

こうした「補助金」と、いわゆる「がけ条例」との関係ですが、「がけ条例」は「崩れる恐れのある崖」の上下に建物を建てる際、「安全が確認されない限り、そこに建ててはいけない」」という制限をかけるものです。
一方の「補助金・助成制度」は、「がけ条例」等の基準を満たしていない「不適格な壁」を放置せず、自主的な改修を促すための後押しとして機能しています。

特に、傾斜地、がけ地の多い自治体では支援が手厚い傾向にあり、その一つである横浜市では「ブロック塀等改善事業」として、一定の条件のもとブロック塀などの除去や、軽量なフェンス等の新設工事にかかる費用を補助しています。

なお、補助金の申請は「工事着工前」を必須とします。また、補助の対象となる擁壁の基準は、自治体により異なります。擁壁の解体工事を検討される際は、事前に各自治体の公式サイトや窓口で確認、相談してください。

補助金制度を扱う自治体を検索する際は、「(自治体名)がけ地 防災 補助金」というキーワードで検索することをお勧めします。

税制優遇との組み合わせ

耐震改修による固定資産税の減額措置は、家屋(建物)本体に対する措置であり、擁壁単体の解体に適用されるケースは稀です。ただし、擁壁の解体・つくり替えが「家屋の耐震性を確保するために不可欠な付帯工事」とみなされる場合は、その費用を耐震改修費用に含められる可能性があります。

その他、宅地に対する擁壁等の傾斜地の割合により、評価額が調整される仕組みも活用できます。具体的には、土地の広さは擁壁部分も含めて表示されるため、実際に住宅を建てられない擁壁部分にも固定資産税がかかります。割高感がありますが、傾斜地の割合「がけ値率」により固定資産税の評価額減(補正)が適用され、結果、固定資産額が減額されることがあります。

具体的な補正率は自治体の評価基準により異なりますが、

たとえば、200平方メートルの総敷地の評価額が100,000円/平方メートルであったケースを考えてみましょう。

がけ値率が20%だった場合、減価(補正)率は10%で、

「10万円×200=2000万円」の評価額が「1800万円」に補正されるというものです。

※具体的な計算や適用可否については、自治体や税理士へご相談ください。

擁壁がある土地で賃貸住宅を建てる場合の注意点

傾斜地でも、擁壁を設けることで土砂崩れや不同沈下、住宅の傾きといったリスクを低減し、賃貸住宅経営ができるようになります。

  • 擁壁解体費が利回りに与える影響

擁壁の造成・改修は、家賃と連動しない「コスト」に該当します。

擁壁がある土地での賃貸住宅建築においては、工事費が利回りを圧迫する可能性があり、安全性と費用対効果の慎重な調査が重要です。

  • 造成費込みでの総事業費の考え方

擁壁がある土地で賃貸住宅を建てる際の総事業費は、主に建物本体工事費、付帯工事費(造成・インフラ整備)、地盤調査費、その他(設計料・税金)で構成されます。

このうち、「造成」とは、土地を有効活用するために、目的や用途に合わせて形状や区画を変更し、平坦に整える工事を言います。樹々の伐採や土砂の除去、盛り土、土留め、砂利敷きなどがあり、賃貸経営の初期段階で大きなコストになります。また、一般的には総事業費の1割~2割程度を占めるものですが、傾斜地ではそれ以上に費用が跳ね上がる可能性があります。

また、傾斜地は崩落リスクに備えるため、高額な施工・補強費用が発生しやすいです。崖や擁壁は火災保険の対象外であり、例えば水災で崩れても、修理費用の補填はありません。擁壁が崩壊した際の損害賠償責任も、その土地の所有者が負うことになります。別途「施設賠償責任保険」等への加入が必須です。

  • 金融機関評価への影響

高さ2メートルを超える擁壁がある物件の融資において、金融機関が融資の可否を判断する材料に、「建築確認済証」と「検査済証」があります。

そのうち、「検査済証」は建築工事完了後に受ける「完了検査」に合格した際に交付されるもので、建築基準法等の法令と計画通りに施工されたことを公的に証明するものです。

すなわち、検査済証が無い場合は「違法建築物」と見なされるため、融資審査に通りにくくなってしまいます。また、検査済証を紛失した場合の再発行は認められておらず、役所で「台帳記載事項証明書」を取得する必要があります。

まとめ

擁壁の解体や維持管理は安全のために不可欠です。しかし、その費用は擁壁の高さと構造、立地条件で大きく変わり、総額で100万~200万円超になるケースも珍しくありません。

大きな負担となりますが、自治体によっては解体・撤去費用の補助金・助成制度を設けています。注意点として、金融機関の融資審査では、その擁壁が「適格」であることを示す「建築確認済証」や「検査済証」が求められます。

補助対象となるには、「がけ条例」等の基準を満たす設計が必要となります。解体と造成を単体で考えず、賃貸住宅の建築計画とセットで検討することが得策です。

まずは専門家と相談し、補助金や税制優遇を賢く活用しながら、安全かつ適切な土地活用を目指しましょう。

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