住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】

地盤改良工事の費用は土地の地質や工法などによって金額が左右されますが、20~200万円程度が相場とされています。一般的な規模の木造アパート建築を検討している土地の場合、40~100万円程度がひとつの目安といえるでしょう。
ただし、支持層を深くすればするほど工事の規模も大きくなり費用も高額になるため、建物の重量や軟弱地盤の深さによっては200万円を超える可能性もあります。
建物を建築する際には、基礎となる土台がどのような地盤の種類によって構成されているのかを把握することが非常に重要です。日本の平野部では、主に「洪積層」と「沖積層」が分布しており、平野や低地の河川沿いには水分を多く含む軟弱な「沖積層」が分布しています。
このような軟弱な地層や地形は関東平野や大阪など多くの都市部に存在しており、所有している土地が軟弱地盤だった、というのは珍しいことではありません。
またこれとは別に、もともと池などの水場だった場所を人工的に埋め立てた土地や盛り土によって人工的に整地された土地においても、軟弱地盤の特徴のひとつとして数えられています。
もしもこのような特徴のある地形や地盤に建物をそのまま建設してしまうと、地盤沈下や液状化現象など、建築物の損壊や倒壊につながる非常に危険なリスクがともないます。
建物そのものの耐震性や耐久性を高めたとしても、軟弱地盤の対策を実施しなければ地盤沈下や液状化を防ぐことはできません。これに加え、仮に建物の損壊や倒壊などに至らなかったとしても、壁にヒビが入ったり、少しずつ建物が傾くことで体調不良を感じるケースもあるといわれています。
では、土地が軟弱地盤かそうでないかを判断するには、どのような方法で調査を行うのでしょうか。
まず本格的な装置を使用する調査を行う前に、軟弱地盤かどうかをある程度推定する方法を紹介します。先ほど触れたとおり、軟弱な地盤である「沖積層」は平野や低地かつ近くに河川沿いなどに多くあります。
標高が低い平地は、周囲から水が集まりやすい特徴があるためです。そのため、海抜の低い平地や河川、池などの水場の近く、水田として利用していた土地などは軟弱地盤である可能性が高いといえるでしょう。また、自然災害の発生が想定される区域や避難場所を記載したハザードマップを確認することでも、災害リスクの情報をもとに軟弱地盤かどうかの目途をつけることが可能です。
続いて、実際に地盤調査を実施する場合、建築予定の建物や土地の規模などによって複数の方法が用いられています。戸建住宅の場合は「スクリューウエイト貫入試験(SWS)」や「表面波探査法」、マンションなどの規模の大きな建築物には「ボーリング調査」などを実施することが多いようです。
地面に大きな鉄の棒をねじ込ませ、どの程度の抵抗の力が返ってくるのかを機械で測定する方法です。一か所だけでは正確な調査が難しいため、土地の四隅と中央部など、複数箇所で調査することが一般的です。コストは比較的抑えられるものの、地中にがれきや大きな岩石などの障害物がある場合は調査ができない可能性も考えられるでしょう。
振動機を用いて人工的に振動を起こし、受信機までに伝わる揺れの速さや伝わり方によって地盤の強度を測定する方法です。こちらも調査方法としてはコストは安価なものの、調査範囲内にすでに建物などの構造物が存在する場合、調査結果に誤差が生じる可能性があります。
地盤に穴を掘り進めながら土を採取し、その強度や性質について調査をする方法です。途中で固い層に当たったとしても調査が可能で、一般的に1mごとに測定を実施するため、信頼性の高い調査方法といえるでしょう。一方で、調査を実施するにはある程度広いスペースが必要になるため、先に触れたとおり比較的大きな建築物を建築する際の土地における調査方法として有効です。
地盤調査が実施された土地の結果は結果報告書にまとめられ、地盤改良の工事が必要かどうかの判断が行われることになります。地盤の硬軟は、「N値」や「地耐力」などが示す数値によって判断が可能です。
「N値」とは、地盤の強度を示す値を指します。N値が高いほどその土の強度が高いとされ、重い建築物にも耐えられる地盤であることを示しています。一般的にはN値が一定以上であれば戸建住宅の建築が可能と判断されることが多いものの、盛り土などで造成された土地など条件によってはより高いN値でなければ安全と判断されない可能性もあります。
次に「地耐力」は、地盤が建物の重みにどれだけ耐えられるかどうかを示したものになります。圧力の単位として、キロニュートンを使用して判断し、この数値が小さいほど軟弱な地盤であることを示しています。「建築基準法」という法律では地盤の種類によって地耐力の目安が定められており、地耐力の大きさによって建物の基礎を支える構造の様式が決まります。
このようにN値や地耐力によって一定の強度が担保された土地の場合、地盤改良の必要がなくただちに基礎工事に着手できるケースもあります。
このほか、標高の高い土地や台地なども一般的に頑丈な土地の条件として挙げられ、地盤改良を必要としない土地が多く存在します。標高の高い土地は土地の形成がより古く、浸水や水害などの影響を受けないため、水分が少ない頑丈な土地を形成しやすくなるためです。
また、同じ条件の土地であっても建物の自重を小さくすることで支持層を深く掘り下げる必要がなくなり、結果として地盤改良を行わなくてもよいと判断されるケースもあります。例えば、建築物の規模を小さくする、鉄骨造から木造に変える、などの方法があります。


地盤改良工事は、もともとの地盤の種類や地盤調査を実施した報告書の結果などさまざまな要件を踏まえて、工法や内容を決定します。地盤改良工事は、代表的な種類としては「表層改良工法」「柱状改良工法」「鋼管杭工法」の3種類があります。
地表から2m付近までの深さまで土を掘り、空いた部分にセメント系の固化剤を入れることで地盤を固める方法です。比較的コストを抑えやすく、地中にコンクリートや岩石などが混入していても施工が可能で、工期も短いというのが大きな特徴です。ただし、軟弱な地盤が地中深くにある場合は、他の工法でなければ適用できないケースもあります。
「表層改良工法」での工事が難しい場合、「柱状改良工法」を検討します。柱状改良工法は軟弱地盤がおおよそ8m程度までの土地に有効な方法で、地盤を固めるための円柱状の地盤を固い地盤の地点まで掘り下げ、人工的に固い地盤を形成するというものです。円柱状の地盤はセメントを固化させて形成されますが、地盤の種類によってはセメントが固化しづらいために施工が難しいケースがあります。
軟弱地盤がさらに深い地点まで及んでいる場合や比較的規模の大きいマンションなどを建築する場合は、「鋼管杭工法」という工法が用いられることが多いようです。これまでの工法ともっとも大きな点は、セメントの固化剤ではなく「鋼管」によって地盤の強度を上げている点です。地中に固い支持層があれば規模の大きな重量のある建築物にも対応でき、より強度の高い地盤形成を叶えることができます。一方で鋼管杭工法は、3工法の中で最も高額になりやすい工法です。施工の際には騒音や振動が大きくなる点も考慮しなければいけません。
冒頭では「土地の地質や工法などによって金額が左右される」と解説しましたが、ここからはより具体的な施工事例のシミュレーションを3パターン紹介します。
「30坪の土地に木造2階建アパートを建築予定」で、軟弱地盤の深さが2m以下だったため「表層改良工法」を選択した場合、坪単価は「1~2万円程度」で施工費用は「約40万円」です。
※1坪(約3.3㎡)
同じく「30坪の土地に木造2階建アパートを建築予定」だったものの、軟弱地盤の深さが5m程度だったことから「柱状改良工法」を選択しました。この場合、坪単価は「2~3万円程度」で施工費用は「約70万円程度」になりました。
「30坪の土地に重量鉄骨アパートを建築予定」の場合、建物の重量も増えより深い地点まで支持層が必要となることから、「鋼管杭工法」を選択しました。坪単価は「5~7万円程度」で、施工費用は「約150~200万円」となりました。
このように、土地の条件や建築予定の建物の条件などによって費用感は大きく異なるため、地盤改良工事の施工業者を選ぶ際には複数の業者へ見積もりを依頼したうえで検討することをおすすめします。
また、見積もり依頼の際にはなぜその金額を提示しているのかが明確にするため、内訳を明確に提示している業者を選ぶとより安心です。


傾斜地は平地と比較して土地の購入費用も安い傾向にあり、高台にある場合は眺望や日当たり、風通しの良さを生かした土地活用が可能になるメリットがあります。一方で、盛り土などの造成がされている場合は建物の建築時に地盤改良工事が必要になることも多く、合わせて崖の崩落のリスクを抑えるために擁壁の建築工事を検討するケースも少なくありません。
これにより、土地自体の費用は抑えられたとしても、宅地造成や擁壁工事への出費が思いのほかかかってしまったということにならないように、事前の見積もりは入念に行う必要があるでしょう。
地盤改良、宅地造成、擁壁工事とそれぞれ別々に工事を実施すると、工期も長くなり費用もそれだけかかります。
コストを抑えたい場合、擁壁と基礎が一体型になった建築物の工法を選ぶ方法もあります。基礎工事のコストそのものは高額ですが、擁壁や地盤改良などの造成費用がかからないため、結果的に建物を建築する合計のコストは抑えられる可能性があります。また、土地の高低差を利用することで、基礎部分に物置や地下室などを配置することができるケースもあります。
「アパート」や「平屋」などの住宅を建築する場合は、前述の傾斜地の高台のように、一見土地活用が難しい条件として捉えられがちな場所でも、日当たりや眺望の良さが大きなアピールポイントとなるケースも十分にあります。
賃貸住宅を建築して土地活用を行う場合、大規模なアパートになるほど収益性を高められる可能性は高まりますが、建築する建物の規模が大きくなるにつれて造成や地盤改良の工事の規模やコストも増大する点には注意しましょう。
コストや土地活用としての難易度を考えると、駐車場は建物の建築が必要ない分コストも安価で、建物の建築が難しい狭小地や変形地でも運用できるという意味では、土地活用の一歩として始めやすい方法の一つといえるでしょう。
とはいっても、土地活用の用途を考慮する際には、土地のある周辺環境や地域のニーズとの兼ね合いを考えることも非常に重要です。
地盤改良費は、不動産投資における「初期費用」の増加の要因にもなるため、実質利回りが低下する影響が考えられます。先に触れたとおり200万円以上のコストが想定されるケースもあるため、土地購入後に地盤改良工事の必要性が発覚した場合は投資額の回収に大幅なズレが生じ、収益性の低下を招きます。そのため、地盤調査の依頼は土地の購入前に実施しておき、地盤改良が必要な土地かどうかを見極めることが重要です。
また、地盤改良費は「土地の造成・整地工事」として住宅ローンに組み込むことが可能です。ただし、借入額が増加することで金利が上昇する可能性もあるため、無理なく返済できる額なのかを事前にシミュレーションすると良いでしょう。場合によっては、改良費の見積書や調査結果などを売主側に提出し、値引きを交渉するというのもひとつの方法です。
まずは、地盤改良を行うための調査は入念かつ適切な工法で実施することが重要です。例えば、調査の精度があいまいな場合「実際に施工に入った際に想定以上に軟弱地盤であったがために、追加で造成費用が発生してしまった」というケースも考えられます。
そのため、地盤調査の精度の高さは重要な要素といえるでしょう。
このため、過去に同じ土地において地盤調査を実施した履歴を確認できるのであれば、過去の情報を流用するというのもひとつの方法です。過去の調査結果の情報と照らし合わせることで、より精細な調査結果の抽出ができるためです。
これに加えて、自治体によっては地盤改良工事を実施した際に補助金が利用できるケースもあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。Web上で調べる場合は、「自治体名 地盤改良 補助金」などのキーワードで検索すると、詳しい情報が自治体のWebサイトに掲載されています。例として、軟弱地盤の特徴のある土地が多いとされる東京都葛飾区では、自治体が補助金の助成制度を設けています。
原則として、補助金の申請は工事の着工前のタイミングで行う必要があり、すでに工事が完了している状態では給付対象外となるため注意しましょう。また、助成金額や制度を利用するにあたっての条件は各自治体によって異なり、対象条件が限定的であることも少なくないという点に留意しましょう。

本文にて解説したとおり、地盤改良費は工法や土地の支持層深度などの条件で大きく変わり、必要となるコストも数十万円から200万円以上と非常に幅があることがわかります。もし事業計画の段階でこれらの造成費を含めたコストを加味しなかった場合、当初の予定より予算がオーバーしてしまう懸念が考えられます。土地活用を検討している場合、事業計画を立てる際には余裕をもった予算計画を進めることが重要です。
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