住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
オーナーさま専用サイト
お役立ちコラム
【目次】
2階にリビングを設ける間取りには多くのメリットがありますが、採用して後悔したという意見も聞かれます。
今回は、2階リビングで問題になりやすい点と、その対策のポイントを紹介します。2階リビングのマイホームを計画している方は、ぜひ参考にしてください。
2階リビングとは、2階にリビングを配置する間取りのことです。都市部をはじめ住宅が密集している地域では、1階にリビングを設けると周囲の視線が気になって落ち着かなかったり、自然光が不足して暗い空間になる場合があります。しかし2階リビングにすると、採光はもちろん風通しも良くなり、プライバシーも確保しやすいといったメリットがあるのです。
ひと昔前は1階リビングが主流でしたが、都市部を中心に2階リビングの間取りが増え、郊外でも採用されるケースが増えています。
2階リビングで老後は大丈夫?安心して暮らすための工夫・対策を解説について詳しくはこちら
2階リビングの魅力的な間取りと暮らしに必要なポイントについて詳しくはこちら
2階リビングは前述のようなメリットがある一方、デメリットも存在します。ここでは2階リビングのデメリットを3つ紹介します。
デメリットを理解しておけば、設計の工夫で改善できる場合もあるので参考にしてください。
2階リビングで最も問題になるのは、階段の上り下りが増えることです。
マイホームを建てたばかりの若いときであれば問題ありませんが、年齢を重ねるにつれて負担が大きくなり、最悪上り下りできなくなる可能性もあります。消費者庁の調査では、65歳以上の不慮の事故による死亡数の1位は転倒・転落・墜落で、交通事故の約4倍にあたります。
高齢者にとって階段の上り下りは苦痛なだけでなく、事故のリスクが高まるということを認識しておく必要があります。
また、ある程度の広さを確保しておかないと、家具や大型家電を搬入できないケースも考えられます。
将来のためにも、階段を緩やかにしたりリフォームしやすい間取りにしたりすることが大切でしょう。
なお、不慮の事故に関する詳細は「消費者庁 高齢者の不慮の事故」をご参照ください。(2023年5月時点の情報)
老後でも大丈夫?スキップフロアの特徴やメリット・デメリットを解説について詳しくはこちら
老後に後悔したくない!3階建てに長く住むための5つの注意点について詳しくはこちら
2階リビングで老後は大丈夫?安心して暮らすための工夫・対策を解説について詳しくはこちら
2階リビングの場合、採光が良い半面、暑くなりやすい点にも注意が必要です。窓からの直射日光だけでなく、屋根から伝わってくる熱も無視できません。また、暖かい空気は上に上がっていくので、2階に溜まりやすくなります。特に、ペットを飼っている家庭や小さいお子さんがいる家庭は対策が必要です。
暑さを緩和するために、以下6つを検討するとよいでしょう。
外からの熱の侵入を抑え、室内の換気をよくするのがポイントです。暑さ対策をしっかり行って、快適な2階リビングを叶えてください。
2階リビングにすると、1階に寝室や子ども部屋を配置する間取りが多くなります。そうすると玄関からそのまま自分の部屋に入れるため、例えば子どもの帰宅に気付かなかったり、コミュニケーションの機会が少なくなる懸念もあります。
できれば子ども部屋は2階に配置するのが理想ですが、難しい場合は洗面室や浴室など、家族が必ず使う共有スペースをリビングに隣接させることで、コミュニケーションがとりやすくなります。
また、玄関や下の様子が分かりにくいので、防犯の面でも配慮が必要です。外構に音の鳴る砂利を敷いたり、物の動きに反応するライトを設置するなど、対策を考えましょう。
2階リビングは、家族構成や暮らし方に合わせて設計することで、より快適で暮らしやすい空間になります。よりよい2階リビングを実現するためのポイントをご紹介します。
これは2階リビングに限ったことではありませんが、2階の水回りスペースの配置には注意が必要です。たとえば1階の寝室や子ども部屋など居室の上にキッチンや浴室を配置すると、就寝時に排水音が気になるかもしれません。居室ではなく玄関やトイレの上に配置することで、この問題を回避することができます。
またキッチンや浴室などの水回りを2階にすると、1階と2階の間に給排水管をとおす場所が必要です。居室の上に給排水管を通すとなると、天井高は確保したいので、階高を上げる必要がでてきます。玄関や廊下であれば、天井高を少し低くすることで、階高を上げずに排水管を通すことができます。
【家事動線の良い間取り】ママに人気な最強間取り2024年最新版について詳しくはこちら
ランドリールームで家事動線を短く!間取りを考えるポイントは?について詳しくはこちら
家事動線が良い間取りにするためには?家事別のポイントや実例を詳しく紹介について詳しくはこちら
前述のとおり、2階リビングでは家族が顔を合わせる機会が減る可能性があるので、コミュニケーションを増やすための工夫が必要です。
たとえばリビングを広めにとって、間仕切りで簡易的な子ども部屋をつくったり、スタディスペースを設けたりして、子どもがリビングで過ごす時間を増やすことでコミュケーションがとりやすくなります。また、浴室などの共有スペースに行く際に必ずリビングを通るように、リビング階段にするのも一つの方法です。
最後に、2階リビングがある間取りの実例を紹介します。間取りの特徴や暮らしやすさをチェックしていきましょう。
テラスとつながる広々とした開放的な2階リビングを実現した邸宅です。
テラスに面したリビングでは、ゆったりとした時間を楽しめます。個室を最小限にし、洗面室や家事スペースにはあえて扉を設けず、常に家族とのつながりを感じながら過ごせる空間になっています。
続いて、グレージュのニュアンスカラーで統一されたスタイリッシュな2階リビングの建築実例です。
2階リビングのメリットを生かした、2.7mの高い勾配天井が開放的な空間を実現しています。
またリビングとキッチンともに開口を大きく採り、勾配天井の上にも高窓を設けているため、採光も良く明るいリビングです。リビングに面したテラスは、リゾートホテルを思わせる贅沢な空間です。
見晴らしのいい高台に立つ「リラックスできるホテルライクな家」をコンセプトに家づくりをスタートされた2階リビングの建築実例です。立地を生かして大開口から眺望を楽しめるように計画し、バルコニーにもつながって、開放感あふれる間取りとなりました。景色を見ながら、ソファでゆったりとくつろぐのがご家族のお気に入りです。
また、眺望を思う存分楽しめるように、ハイサッシをL型に廃しています。高台の2階リビングなので人目を気にせずに済み、ロールスクリーンを上げたまま開放的に過ごされています。
閑静な住宅街で、ホワイトのタイルがひときわ目を引くスタイリッシュな2階リビングの建築実例です。室内は1階、2階ともホワイトの石目柄のフロアタイルを選ばれ、建具や壁クロスもホワイトです。「家族がゆっくり過ごすリビングは、明るく広い空間にしたい」というご要望で、日当たりのいい2階にLDKをプランニングしました。グレーの石タイルの壁や木目柄の下がり天井、ボルドーのソファなどを合わせてアクセントを効かせ、大人っぽいセンスの空間へと仕上げました。オープンな対面キッチンから、LDにいるご家族とのおしゃべりも弾みます。
採光やプライバシーの確保に有利な2階リビングは、都心だけでなく郊外でも人気です。一方、老後の階段の上り下りやコミュニケーションの取りにくさに不安を感じる方もいるでしょう。
こうした不安は家族の構成や暮らし方に合わせた設計の工夫で解消することができます。
2階リビングを採用する際は、あとから後悔しないよう家族みんなで話し合って、専門家の意見も取り入れながら理想の間取りを検討してみましょう。
リビングを1階に設けるか2階に設けるかは、家族のライフスタイルや土地の条件によって異なります。1階にリビングを設ける場合、庭とのつながりが良く、バリアフリーで移動がしやすいという利点があります。一方、2階にリビングを設けると、プライバシーが確保しやすく、日当たりや眺望が良くなることが多いです。土地が狭い場合や、周囲の視線が気になる場合は、2階リビングを選ぶ家庭も増えています。どちらが良いかは、家族の優先順位や生活スタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
リビングを2階にする理由はいくつかあります。まず、2階にリビングを配置することで、外からの視線を遮り、プライバシーを確保しやすくなります。また、2階にリビングを設けることで、日当たりや風通しが良くなり、明るく快適な空間を作ることができます。さらに、眺望の良い土地では、2階リビングからの景色を楽しむことができるというメリットもあります。これらの理由から、都市部や密集地でのプライバシー確保や、自然環境を活かした住まいを求める方に人気のある間取りです。
2階リビングの耐震性は、設計や施工の質に大きく依存します。一般的に、建物の重心が高くなると揺れやすくなるため、2階リビングは1階リビングに比べて揺れを感じやすい可能性があります。しかし、耐震設計や構造補強をしっかり行うことで、地震に対する強度を高めることができます。耐震等級や免震・制震技術を取り入れることで、地震に強い2階リビングを実現することが可能です。設計段階で専門家と相談し、適切な対策を講じることが重要です。
部分二階のデメリットは、建築コストが高くなる可能性があることです。部分二階は構造が複雑になりがちで、設計や施工に手間がかかるため、通常の二階建てや平屋に比べて費用が増すことがあります。また、部分二階の設計によっては、生活動線が複雑になり、使い勝手が悪くなることもあります。さらに、部分二階を設けることで、階段の設置が必要になり、その分のスペースが取られるため、全体の居住スペースが狭く感じられることもあります。最後に、部分二階の配置によっては、日当たりや風通しが悪くなる場合があるため、設計段階での慎重な検討が必要です。