住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
オーナーさま専用サイト
お役立ちコラム
【目次】
1階と2階をつなぎ、おしゃれで開放的な空間を演出する吹き抜け。家族が違うフロアにいてもお互いの存在を身近に感じられ、コミュニケーションがとりやすくなるのも魅力です。一方で、快適な吹き抜けをつくるには、気をつけるべきポイントもあります。
ここでは吹き抜けのメリット・デメリットや注意点について解説します。さらに、30坪〜60坪の2階建ての間取りの実例もあわせて紹介します。吹き抜けのある2階建てを検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
2階建てに吹き抜けをつくると室内が明るく開放感のある空間になり、風通しも良くなります。吹き抜けのメリットについて詳しく見ていきましょう。
吹き抜けの2階部分に高窓や天窓を設置できるので採光しやすく、明るい室内にできるのが特徴です。上からの自然光を1階部分まで取り込めるため、日中は照明に頼らなくても明るさがあり、電気代の削減も期待できます。
都市部や住宅街の家が密集している場所や狭小地でも、吹き抜けの間取りにすれば明るさを確保できます。また、一般的に採光が難しい北向きの部屋でも吹き抜けをつくって、上部に窓を設けたり天窓を取り付けたりすれば日当たりを補えます。
吹き抜けは1階と2階を仕切らず1つの大きな空間にできるため、縦に視界が広がります。天井が高くなるので開放的な空間を演出できる点が大きなメリットです。
また、吹き抜けはシーリングファンやスケルトン階段などと相性が良いため、デザイン性の高い空間を演出できます。たとえば、リビングを吹き抜けにし、2階へスケルトン階段を設ければ、1階と2階の繋がりが広がりさらに大きな空間になります。
吹き抜けを住まいの顔である玄関につくることもできます。おしゃれな照明を取り付ければ、玄関が広々としてスタイリッシュな印象になるでしょう。
吹き抜けがあると風通しが良くなります。空気は低い位置から高い位置へ流れるため、吹き抜けがあると1階から2階に向けて空気が循環します。換気が促進されるため室内はいつも新鮮な空気になります。
家の中の風通しが良くなると、室内の湿気が抜けるようになり、カビの発生を抑制する効果も期待できるでしょう。高齢者や赤ちゃんがいる家庭では、風通しを良くすることでアレルギーや病気のリクス低減が期待できます。
また、夏の暑い時季でも吹き抜けがあれば熱がこもりにくくなります。
吹き抜けにすると家族とのコミュニケーションがとりやすくなります。たとえば、1階のリビングを通らず廊下にある階段で2階に行ける場合、家族が出かけたり帰ってきたりしても顔を合わさないことは少なくありません。
しかし、吹き抜けなら1階と2階の隔たりが繋がることで、上下別のフロアにいても会話がしやすくコミュニケーションが増えます。吹き抜けをリビング階段とセットで取り入れれば、家族の出入りも把握しやすくなるでしょう。
小さな子どもや年配の家族と一緒に暮らす家庭なら、別のフロアにいても家族の気配を感じながら見守ることができます。
吹き抜けは室内を明るく風通しの良い空間にできますが、一方でデメリットもあります。吹き抜けのデメリットを把握したうえで、間取りを検討するとよいでしょう。
吹き抜けをつくると光熱費が高くなることがあります。1階と2階を仕切らず大きな空間にすれば、縦に空間が広がり開放的な雰囲気になります。しかし、上下の温度差や空間が広い分、部屋全体の温度を一定に保つのが難しくなり、光熱費が高くなる可能性があります。
また、吹き抜け部分に多くの窓や大きな窓を設けると、夏は日当たりが良くなりすぎて暑くなる可能性があります。一方温かい空気は上昇し冷たい空気は下に留まる性質から、冬は1階は寒く感じるかもしれません。
断熱性の高い建材を使う、気密性の高い家作りをするなどの工夫が必要です。吹き抜けと一緒に全館空調システムの導入を検討するのもよいでしょう。
吹き抜けをつくると2階の床面積が減ります。2階の間取りの自由度が減ったり、希望の部屋数が確保できなくなるかもしれません。
部屋数や収納スペースは確保したまま吹き抜けもつくりたい場合は、理想の間取りになる十分な広さの土地を購入するか、吹き抜け部分の面積を減らして部屋数や収納に充てるなどの工夫が必要です。
上下階をつなぐ吹き抜けは、音やニオイ、煙などが筒抜けになるデメリットもあります。
リビングに吹き抜けを設ける場合、リビングのテレビの音や会話が2階にも響きやすく、子どもが勉強するときや家族の睡眠の邪魔になる可能性があります。
また、キッチンで調理したときのニオイや煙が上の階に伝わりやすいので、住み心地が悪いと感じるかもしれません。
防音性の高い壁材や防臭効果のある壁紙を採用する、寝室は吹き抜けから離した間取りにする、キッチンは個室にするなどの対策を取る必要があるでしょう。
吹き抜けのメンテナンスに手間とコストがかかります。吹き抜けの高い場所に窓や照明、シーリングファンを取り付けるケースが多く見られます。
しかし、高い場所にある窓やシーリングファンの掃除や照明の交換などのメンテナンスは難しく、無理に自分で行おうとすると2階から転落する危険性もあります。
吹き抜けの窓やファンを掃除するための高所専用の掃除グッズを用意したり、専門業者に依頼したりするコストや手間が発生します。
吹き抜けのある間取りにするなら、断熱性や気密性の高い建材を導入する、防音対策や照明についても考える必要があります。注意すべき点を詳しく解説していきます。
吹き抜けは1階と2階をつなげ広い空間をつくるため、冷暖房の効率が悪くなる場合があります。そのため、建物の断熱性や気密性を高める必要があるでしょう。天井や窓、壁、床などから熱が逃げないよう樹脂製のサッシを取り入れたり、採光のための高窓や天窓は開閉できないFIX窓を採用したりするなどの対策を取りましょう。断熱性のあるカーテンに取り替えるのもおすすめです。
ハウスメーカーの担当者に相談して、断熱性や気密性を高める方法を提案してもらいましょう。
吹き抜けをつくるときに間取りを工夫することで、音対策やスペースの有効活用ができます。
音の対策としては、吹き抜けから離れた場所に勉強部屋や書斎、寝室を配置しましょう。
また、吹き抜けをつくっても2階の部屋数や収納スペースをなるべく確保したいなら、スキップフロアの導入も検討してみてください。高さの異なるフロアを設けて床面積を増やせるスキップフロアなら、子どもが遊んだり収納したりする簡易なスペースを効率的に追加できます。
また、吹き抜けの面積を広くしすぎないよう設計したり、デッドスペースになりがちな階段の下のスペースを有効活用して収納をつくることも可能です。
吹き抜けのメリットを最大限活かせるよう、照明や空調なども考えましょう。
吹き抜けは縦に広い空間なので、吹き抜けの天井部分の照明だけでは明るさが十分ではありません。天井のダウンライトまたは天井からのペンダントライトのほか、吹き抜けの壁の中間の高さにブラケットライトやスポットライトを取り付けることで、1階部分もしっかり明るさを確保できます。高い位置の照明は、頻繁にメンテナンスしなくてよいLED電球を選びましょう。
また、冷暖房効率を高めるため、シーリングファンを取り付けて空気を攪拌したり、エアコンの取り付け位置を低くするなどの工夫もできます。全館空調システムを取り入れると快適性はあがりますが、月々の電気代がいくらになるかは事前に試算しておくといいでしょう。
吹き抜けのある住まいをつくる場合、2階の一部の床を抜いて室内の空間を広く取るため、耐震性の面では不利になります。そのため、耐震構造を高めた建物を建てなければいけません。また、断熱性や気密性、音やニオイなど、その他の吹き抜けのデメリットも考慮した間取りや設計も必要です。
おしゃれな印象だけではなく、快適に暮らせる住まいにするためには、吹き抜けについて詳しい知識があり、実績も豊富なハウスメーカーに相談するのがおすすめです。
2階建てに吹き抜けを取り入れたおしゃれな間取りのアイディアをいくつか紹介します。
リビングを吹き抜けにすれば、家族全員が集まる家の中心を明るく開放的な雰囲気にできます。リビングの天井が高いと縦に視線が伸びるため空間を広く感じられ、家族の人数が多くても快適に過ごせます。
吹き抜けのあるリビングには、背の高いおしゃれな家具や照明、大きめの観葉植物などが合うのでおすすめです。煙突管のある薪ストーブをリビングに設置すれば、放熱効果によってリビングだけではなく2階も温められます。
また吹き抜けは上下階をゆるやかにつなげ、他のフロアにいても家族の気配を程よく感じられるため、自然と家族のコミュニケーションも円滑になるでしょう。
玄関を吹き抜けにすると、室内に入った瞬間から明るくおしゃれでスタイリッシュな印象を演出できます。
窓を取り付けることが少ない玄関は暗くなりがちですが、吹き抜けにすれば明るく開放的な雰囲気になります。来客があった際も、家に入った時点で家全体の良い印象を与えられるでしょう。
また、玄関は風通しが悪いため、空気が溜まりやすく靴のニオイが気になる場合があります。吹き抜けに高窓を取り付けて自然換気ができるようにすれば、ニオイやカビの発生を抑えられます。
吹き抜けもつくりたいけれど、部屋数や収納も確保したいという方にはスキップフロアがおすすめです。1.5階にスキップフロアを設けることで、吹き抜けによって削られた2階の床面積を補えます。
たとえば、階段の途中につくったスキップフロアは、収納だけではなくワークスペースや書斎、子どもの遊び場やスタディコーナーなどに利用することも可能です。
また、スキップフロアを取り入れれば一般的な家とは異なる間取りになり、おしゃれな空間を実現できます。
30坪、40坪、50坪、60坪ごとに吹き抜けのある2階建ての間取りの実例をいくつか見ていきましょう。
延床面積、敷地面積共に30坪台の吹き抜けのあるお住まいです。1階と2階の間に大きなスキップフロアを設けました。スキップフロア下はウォークインクローゼットになっており、空間を有効活用しています。
スキップフロアはキッズスペースにしました。「おもちゃが散らかっていてもリビングからは見えないから、お客さまが来られた時にも気がラクです」と奥さまはおっしゃいます。また、キッチンからLDやスキップフロアを見渡せるのでお子さまを見守れて安心して家事ができるそうです。
吹き抜けを取り入れても、しっかり床面積を確保しつつ、開放的でおしゃれな空間のある住まいが実現しました。
延床面積30坪台、敷地面積が40坪台の2階建て住宅です。吹き抜けを設けたときに懸念される上下の温度差を解消するため、家中を年間通して適温に保ち心地よく暮らせる全館空調を取り入れました。夏は涼しく冬は暖かく快適な暮らしができています。また、1階と2階とつなげたリビングの吹き抜けにより、「いつも家族の気配を感じられる」とご夫婦でご満足のご様子です。
さらに、リビング階段を取り入れ、アイアンの手すりと透明パネルがより広々とした空間を演出している間取りです。
延床面積が約40坪、敷地面積は約60坪のお住まいです。生活感をできるだけなくし、デザインにこだわったスタイリッシュな空間をご希望されました。大きな吹き抜けにアイアンの手摺を合わせておしゃれな印象に仕上げています。
2階のホールには絵画を飾ってギャラリーコーナーにしました。「2階の吹き抜けから、1階で過ごしている子どもたちと妻を見ると幸せな気持ちになります」とご主人はおっしゃっています。
延床面積が約50坪、敷地面積60坪台の玄関に吹き抜けのあるお住まいです。ダイナミックな吹き抜けを玄関に採用し、上部には採光窓を設けています。オーナー様は独自の鉄骨構造による耐震性能に信頼感を深めて、パナソニック ホームズを選ばれました。
天井まで届く大きな窓をLDKに設け、自然の光がたっぷり入るようにしています。「明るさや暖かさが以前の住まいとまったく違います。明るいリビングや落ち着ける書斎、寝室など、すべてが希望通り。」とご主人はおっしゃっています。
吹き抜けのある住まいは、開放的でおしゃれな印象になります。風通しがよく家族とのコミュニケーションも取りやすいメリットがあります。一方、冷暖房効率が悪くなったり、ニオイや煙が2階に流れてしまったり、2階部分の部屋数や収納が狭くなったりするなどのデメリットもあります。
今回ご紹介した注意点や実例も踏まえて吹き抜けのある快適な2階建てを実現しましょう。