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【目次】
全館空調は、季節に関係なく家全体を快適な状態に保てる空調システムとして人気のシステムです。しかし、基本的に常時連続運転のため「通常のエアコンを使った空調に比べて電気代が高いのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
そこで本記事では、全館空調の電気代の目安や節約のコツ、エアコンとの比較について詳しく解説します。導入前に知っておきたい全館空調のメリット・デメリットも紹介するので、今後家づくりを検討している方はぜひ参考にしてください。

まずは、全館空調の仕組みや種類、混同されがちな24時間換気との関係など、全館空調についての基礎知識をわかりやすく解説します。
全館空調とは、1台もしくは数台の空調機で冷暖房を一括管理するシステムをいいます。天井裏などに張り巡らせたダクトと各部屋の吹き出し口を通じて、均一な温度の空気を送り込むことにより、温度差の少ない快適な空間を実現する仕組みです。
空調の操作はリモコンやコントローラーで集中管理できるうえ、エアコンの室内機がないので、すっきりとした見た目になる点も魅力です。
全館空調には、大きく分けて次の4種類があります。
(1)天井吹き出し型
天井や小屋裏に設置した専用エアコンから、ダクトを通して各部屋へ送風するタイプ
(2)床下冷暖房型
断熱した床下に冷暖気を蓄え、そこからダクトなどを通して家全体を適温に保つタイプ
(3)壁掛けエアコン型
1台もしくは複数の壁掛けエアコンを設置し、その冷暖気をダクトなどを通して各部屋へ届けるタイプ
(4)輻射式
室外機で生成した冷温水を使って冷やしたり温めたりしたパネルの輻射熱を利用して、家全体を適温に保つタイプ
種類ごとに特徴や初期費用が異なりますが、ハウスメーカーの場合、会社ごとに選択できる全館空調の種類が決まっている場合もあります。ハウスメーカーに依頼して建築するときは、あらかじめ全館空調の扱いについても確認しておきましょう。
全館空調とともに、家づくりにおいてよく出てくるのが「24時間換気システム」と「熱交換器(全熱交換器)」です。
2003年以降、すべての新築住宅に、連続して室内を換気する「24時間換気システム」の設置が義務付けられています。これにより、新鮮な外気を取り込みつつ、室内の汚れた空気を排出しています。
参照:国土交通省「快適で健康的な住宅で暮らすためにシックハウス対策のための規制導入
しかし、室内外の気温差が大きい夏場や冬場は、単に外気を取り込むだけでは、室温を一定に保つことができません。
そこで、多くの全館空調システムは「熱交換器」を備えています。熱交換器は、排出する空気の熱を利用して、外気を室温に近づけたうえで取り込む機器です。換気によって室温が上下するのを防ぐため、冷暖房効率を下げずに換気が可能となります。
3つのシステムはそれぞれ目的が異なるものの、併用することで互いに補完し合い、効率的な空調と換気を実現するのです。
全館空調の仕組みがわかったところで、本題の電気代についてみていきましょう。
ここでは、全館空調の月額や年間の電気代の目安、通常のエアコンとの比較、地域や季節による差、費用を左右する要因について詳しく解説します。
全館空調にかかる電気代の目安は月額で1万〜3万円程度、地域や使用状況によっては年間10万〜40万円程度です。この費用には、冷暖房だけでなく、換気などの空調全体の運転コストが含まれています。
なお、最近では省エネ性能の高いシステムを導入したり、ZEH(ゼッチ)と組み合わせたりすることで、目安より低コストに抑えられるケースも増えています。
全館空調は連続運転が基本のため、エアコンを使った個別空調に比べ、電気代が一見高く見えがちです。ただし、以下のような違いがあるため「全館空調は電気代が高い」とは一概にいえません。
項目 | 一般的なエアコン | 全館空調 |
管理する範囲 | 部屋単位 | 家全体 |
快適性 | 部屋ごとに温度差が出やすい | 部屋ごとの温度差が少ない |
電気代 | 部分的には安く感じる | 全体管理で効率化しやすい |
操作の手間 | 複数台の操作が必要 | 一括制御でラク |
短期的に見ると、エアコンによる個別空調のほうが安く済むケースもあります。一方で、快適性やメンテナンスの手間、省エネ性などを含めたトータルコストで考えると、全館空調に軍配が上がるケースもあります。
ただし、全館空調は初期費用が高くなりやすいことを頭に置いておきましょう。
全館空調の電気代は、住んでいる地域の気候や季節によっても大きく変動します。
たとえば、寒冷地に住んでいる場合、冬場は暖房運転が長時間必要になるため、電気代が月額4万円前後になるケースもあります。反対に夏の暑さが厳しい地域は、夏場の冷房負荷が高まるため、通常の約1.2〜1.5倍にあたる、月額2万円程度の電気代を見込まなければなりません。
一方、静岡県などの比較的温暖な地域や、春・秋などの気候の良い季節であれば、月額8,000円〜1万2,000円程度で済むケースもあります。
同じ地域でも季節によって冷暖房の使用時間が異なりますが、一般的に暖房期の消費電力が大きくなりやすく、電気代も「夏<冬」の傾向にあります。よって、先述のとおり、特に寒冷地で電気代が高額になる傾向にあります。
全館空調の電気代は、気候や季節だけでなく、住宅性能や使い方にも大きく左右されます。主な変動要因と特徴についてみてみましょう。
変動要因 | 電気代の傾向 |
建物の広さ | 建物が広いほど空調の範囲が増え、電気代も高くなる |
断熱性・気密性 | 性能が高いほど外気の影響を受けにくくなり、電気代を抑えやすくなる |
生活スタイル | 日中の在宅時間が長い家庭ほど、電気代は高くなる |
設定温度・利用時間 | 低温・高温設定で長時間使うと、電気代が高くなる |
太陽光発電の有無 | 太陽光発電による自家消費分を利用することで、電気代負担を大幅に節約できる可能性がある |
上記の要素を踏まえたうえで、ライフスタイルに合った使い方をすることが、全館空調にかかる電気代の最適化につながります。
全館空調には多くのメリットがある反面、気をつけるべきデメリットも存在します。メリット・デメリット両面を比較したうえで、自分たちの家に合うかどうか見極めることが大切です。
全館空調のメリットとして挙げられるのは次のような点です。
一方、全館空調には次のようなデメリットもあるので、慎重に検討する必要があります。特に、家づくりにかかる初期費用がアップする点や、故障時の影響が大きい点などに注意しなければいけません。
全館空調にかかる電気代を抑えつつ快適な室内環境を保つには、次の5つのポイントを踏まえた設計・運用を心がけましょう。
全館空調は、家全体を一体的な空間として空調する仕組みのため、外気の影響を受けにくい構造にすることが大切です。
気密性や断熱性が低いと、室内外の熱の出入りが大きくなり、冷暖房効率が落ちてしまいます。高性能な断熱材や高断熱窓サッシを採用し、外気や熱の入りにくい高気密・高断熱の家にすることで、全館空調による効果を最大化でき、電気代の節約にもつながるでしょう。
冷暖気をダクトで各部屋へ送るタイプの全館空調では、空気の流れをスムーズにする配管設計も、電気代節約につながる重要なポイントです。
ダクトが長すぎたり曲がりくねっていたりすると、送風時に余計なエネルギーが必要となり、冷暖房効率が下がってしまいます。ダクトの経路がなるべく効率的になるよう設計し、空気抵抗を小さくすれば、電気代を抑えつつ快適性を実現することが可能です。
近年の全館空調システムは、外気温や室温をセンサーで感知し、自動で最適な風量を調整する機能を備えたものが多くなっています。風量を常に「強」や「弱」に設定するのではなく、こうした最新機能を上手に活用することで、電力のムダな消費を防ぐことができます。
特に、日中や外出時などは「自動運転モード」に切り替えることで、電気代を効果的に抑えられるでしょう。
全館空調は連続運転が基本とされますが、必要に応じて運転を停止したり、部分コントロールを利用したりするのも電気代節約のコツです。
また、温度調整とあわせて湿度を管理することも電気代節約のポイントです。湿度が高ければ同じ室温でも暑く感じ、逆に湿度が低ければ寒く感じやすくなります。
冬場は加湿器を併用すれば、設定温度を高くしなくても暖かく感じられるでしょう。夏場は除湿器を活用することで、冷房の設定温度を下げずに快適さを維持できます。
こうした湿度コントロールを取り入れることで、快適さを損なわずに電気代を抑えることが可能です。
電力会社によっては、電力需要の小さい夜間の電気代が安くなる「時間帯別プラン」を提供しているところもあります。
全館空調を導入する場合、深夜に稼働を増やして日中の室温を安定させるような使い方であれば、時間帯別プランによって大きな節約効果が見込めるでしょう。
さらに、太陽光発電システムと蓄電池を設置すれば、日中は自家発電分を空調に利用し、夜間は割安な電気料金で運転することも可能です。
最後に、全館空調に関してよく寄せられる質問について、わかりやすくお答えしましょう。
どちらを選ぶべきかは、家の間取りや性能、ご家族のライフスタイルによって異なります。
エアコンによる個別空調は、初期費用が安く、部屋ごとの温度管理がしやすいというメリットがあります。一方、全館空調は、家全体の室内環境が快適になり、温度差が小さくなるほか、見た目がすっきりとする点がメリットです。
高気密・高断熱な新築住宅であれば、全館空調が有力な選択肢となります。一方、中古住宅に後付けするケースや、新築でも部屋ごとの温度調整を重視するケースなどでは、個別空調のほうが適しているかもしれません。
快適性と省エネ性を両立できる、全館空調の設定温度の目安は次のとおりです。
ただし、湿度によっても体感温度は変わります。湿度を夏は50〜60%、冬は40〜50%程度になるよう管理することで、必要以上に設定温度を上げ下げすることなく使えるでしょう。
外出時や就寝時は、スケジュール運転を活用するのがおすすめです。設定温度は冷房で28℃程度、暖房で18〜20℃を目安にしましょう。
設置する機種や運用年数によって費用は異なるものの、おおむねの目安は以下のとおりです。
全館空調は、天井裏や小屋裏などの見えない場所に設置されるケースが多いため、定期点検で不具合を早期発見することが重要です。長く経済的に使い続けるためには、保証やサポート体制の整っているメーカーを選ぶとよいでしょう。

全館空調は「電気代が高い」と思われがちですが、実際には、住宅性能や空調の使い方次第でコストは大きく変わります。冷暖房効率の上がる設計や設備選びを行うとともに、ライフスタイルに合わせた適切な運用を心がければ、快適な環境を保ちながら、電気代を低く抑えることは十分可能です。
特に意識したいのが、高気密・高断熱の家づくりとセットで導入することです。今後家づくりやリフォームを考えている方は、住宅性能との相性やライフスタイルとのバランスも踏まえて、全館空調を導入するかどうかを検討しましょう。
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