つくる
調達・生産・
建築現場での活動

パナソニック ホームズでは、設計から施工までの一連の流れにおいてあらゆるムダを省き、生産現場を革新するための取り組み「Advanced-Nextセル活動」を推進しています。生産・物流・調達部門を起点とし、日々の改善や最新技術を活用して整流化・効率化を図ることで、サプライチェーン全体の経営体質強化を目指しています。この活動を通じて、省エネ・省資源化に徹底的に取り組むことで、CO2排出量も削減できる仕組みとなっています。

生産

廃棄物の削減

生産拠点である工場では、徹底した分別を通じて廃棄物削減に取り組んでいます。これにより、湖東・つくばの両工場では廃棄物の埋め立て処理がゼロになる「ゼロエミッション化」を達成しています。
※廃棄物を燃やす際に発生する熱エネルギーを回収して利用する「サーマルリサイクル」後の残渣(ざんさ)を除く

工場内の写真
工場内は整理整頓を徹底
分別された産業廃棄物の写真
産業廃棄物は細かく分別して保管

機械設備の改善

工業化住宅の主要部材を生産する工場では、さまざまな機械が日々、稼働しています。たとえば、住まいの骨格となる鉄骨の劣化を防ぎ、耐久性を上げるために粉体塗装を施す工程では、鉄骨部材の生産段階で付着した油やゴミなどを効率的に除去するため、洗浄から乾燥までの工程が機械化されています。それらの機械設備のうち、洗浄後に発生する処理水を加熱して蒸発させる蒸発装置では、蒸発効率を高めるために使用するパンチングメタルの孔数を工夫することでムラなく水蒸気を発生できるようにしたり、装置自体の断熱性能をアップさせるなどの改善により、液体天然ガス(LNG)の消費量を削減しています。この結果、CO2排出量の抑制にも貢献しています。

鉄骨部材の写真
蒸発装置へ入る鉄骨部材
パンチングメタルの写真
鉄骨洗浄後の乾燥工程において効率的な水蒸気発生のために工夫されたパンチングメタル
蒸発装置のイラスト

再生可能エネルギーの利用に向けて

湖東(滋賀県)とつくば(茨城県)の両工場では、太陽光発電システムを自社で設置もしくはPPA(第三者所有モデル)を採用することで、省エネだけでなく再生可能エネルギーを利用した生産活動に向けて計画を進めています。湖東工場では生産拠点の再編により2023年度中のスタートを、つくば工場では工場建屋の耐震補強を行い2024年度のスタートを目指しています。

太陽光発電システムが設置された工場のイラスト

調達

取引先との連携による
廃棄物削減

建設資材の調達プロセスにおいては、仕入れ先となるサプライヤー(取引会社)との連携を深め、建築施工現場における廃棄物の削減に取り組んでいます。たとえば、これまでダンボールで梱包していた窓シャッターに着目し、シャッター自体の品質を維持しながら、建築施工現場での作業の効率化もできないか検討を進め、梱包材を一切使用せずに輸送ができる当社独自の治具を開発しました。以降、この治具を活用することで建築施工現場でのダンボール開梱に伴う作業負荷が大幅に軽減されただけでなく、廃棄されるダンボール量を1棟あたり平均5kg削減することができました。

シャッターの輸送治具を導入する前と後の写真
開梱作業の負荷が大きく、梱包用段ボールは開梱後は廃棄物として処理
専用の輸送治具を開発し、運搬に利用。部材の取り出しが簡単に行えるようになり開梱作業の負荷も軽減

廃プラスチックのリサイクル推進

プラスチックを使った物資の調達時は、リサイクルのしやすさも考慮しています。たとえば、建築施工現場で使うブルーシートには、風などでシートがめくれないよう紐を通して縛るための金属のハトメがついており、従来は混合廃棄物として外部委託し廃棄処分していました。現在は、ブルーシートをレンタルするスキームに変更。レンタルから回収、リサイクルまで一気通貫で対応可能なサプライヤーの協力のもと、使用済みのブルーシートはプラスチック原料としてリサイクルされ、床の養生材として再利用されています。

ブルーシートのリサイクルスキーム
金属のハトメがあるため、混合廃棄物として処分していた
ブルーシートも、現在のレンタルスキームなら床の養生材として
リサイクル可能

取引先からの環境貢献に対する
提案を表彰

部材を購入している取引先と協業し、原材料からモノづくり・納品までのサプライチェーンにおけるCO2の削減を呼びかけ提案を募り、高い効果が期待できる内容については当社の生産・調達・物流部門による事業活動において積極的に採用をしています。また、ご提案いただいた取り組みは毎年一度、当社独自の評価基準に照らし合わせて審査し、特に環境貢献やコストの合理化、商品力強化への効果が高い提案に対して表彰を行うなどの取り組みを実施しています。

物流

配送車両の大型化と
ヘッドの入れ替え

工場間の輸送便においては、積載量の効率を上げ、トータルの走行距離とドライバーの走行時間を短縮することを目的に、これまで使用していた大型トラックから、車体と荷台が分離できるトレーラー車両による輸送に変更しました。つくば工場と湖東工場の中間にあたる静岡の拠点でそれぞれの荷台についたヘッドを入れ替え、ドライバーがUターンする工夫により、運転にかかる拘束時間が抑制され負担が軽減されたほか、CO2排出量もこれまでより月間9.32t削減することができました。

トレーラー車両導入前と後の変化を示した図

部門連携による廃棄物の
徹底したリサイクル

当社では建設・生産・物流部門が連携し、建築施工現場で分別された廃棄物を部材配送の帰り便を利用して回収。全国8拠点のECOセンター(回収拠点)で用途別に分別し、徹底してリユース(再利用)やマテリアルリサイクル(再生利用)につなげています。※環境省「広域認定制度」を活用

部門連携のリサイクルスキーム

建設

工場との連携による廃棄物削減

設計・建設推進担当者が建築施工現場と工場との橋渡し役になり、「三現主義」の思想のもと、現場の状況を目で見て確かめ、課題や要望を具体的にフィードバックすることで日々の細やかな改善につなげています。たとえば、部材の無駄を出さないためにプレカットをして省資源化を図ることで、建築施工現場の作業負担の軽減につなげ、コストカットにも貢献しています。また、隣の建物との距離が近く、足場を組めない外壁へのタイル貼りも、タイルの貼り付けをあらかじめ工場で機械化する取り組みによって実現。現地で足場を組んで施工する必要がない分、狭小地を有効に活用でき、廃棄物の削減にもつながっています。

工場で貼り付けされた外壁タイルの写真
機械で貼り付けた外壁タイル。隣接する建物に面した外壁に活用

建設現場の整理整頓

建設現場の整理整頓は、お客さま第一を考える上では当然の心がけですが、省資源の推進においても重要な取り組みです。現場が常に片付いていることによって、安全な作業環境を叶えるだけでなく、現場での不要な調達の抑制にも貢献しています。また、地域によって異なる廃棄物の回収ルールに対応し、慌ただしい建築施工現場において徹底した分別を行うために、設計・建設推進担当者が定期的に建築施工現場に赴いて分別過程の管理・見届けを行っています。このような取り組みにより、売却や再利用が可能な廃棄物を選別し、有価物化によるコスト削減や資源を生かした最適なリサイクルにつなげています。

整理整頓された建設現場の写真
建設現場では、整理整頓・分別を徹底

サプライチェーン全体を視野に入れた
生産革新「Advanced-Nextセル活動」の
詳細は、
当社が発信する
「PR TIMES STORY」に
掲載の記事をご覧ください

社内外を巻き込んだ持続可能な家づくり~
サプライチェーンに好循環を生み出す工場へ~
「創業60周年、感謝と挑戦を胸に」工場編(4)