住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
もし10人のお客さまがいらっしゃれば、ご要望もお好みも10通りです。設計には、快適な暮らしのために守るべきセオリーやスタンダードがありますが、それを踏襲しながらも、お客さまらしさを表現したいといつも考えています。そのためには、まずしっかりお話を聞くこと。「話し上手」であることより「聞き上手」であることが大切だと思っています。
新しい住まいでご家族はどんな毎日を過ごされるのか、賃貸併用住宅や集合住宅の場合なら、どんな企画にするのか――設計を進めていくうえで大切なのはその「コンセプト」です。そこがお客さまと私の間でしっかりと共有できていれば、設計の一部を変更しても、当初の想いを貫いていくことができます。詳細な設計を進める段階においても、常にコンセプトに立ち返り、それを確認しながら進めるように留意しています。
個人住宅でも集合住宅でも、新しい一棟の建物を建てるということは、街並みに新しい風景を加えることです。その1棟がきっかけになって、街並みがさらに豊かなものになれば、設計者としてこれほどうれしいことはありません。それはお客さまにとっても、誇らしいことだと思います。周囲の環境との調和を意識しながら、さらに街並みを引き立てるような外観デザインを心がけています。
私は個人住宅の設計だけでなく、賃貸併用住宅や集合住宅の設計も数多く手がけています。5階建、6階建といったアパートやマンションは「ゼネコン」と呼ばれる建設会社が設計することも多いのですが、私は個人住宅を設計する者として、その経験や人が暮らす空間に対する思いを積極的に設計に注ぎたいと思っています。集合住宅であっても、住む人の心が通い合うような空間を、オーナーさまと一緒につくりあげたいと思います。