住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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料理家今井真実さん
気の置けない人たちが久しぶりに集まる、心弾む日。その一番の喜びは、会話ではないでしょうか。変わらない笑顔を前にすれば、会えなかった月日の長さを飛び越えて、まるで昨日も一緒にいたように心が近づきます。軽やかな話題に笑ったり、しみじみと語り合ったり。
「持ち寄りパーティー」にすれば、集いの時間はいっそう豊かになることでしょう。ホストが台所に立つこともなく、全員がテーブルを囲んで、心ゆくまでおしゃべりを楽しめるから。
「うちは、よく友達と集まってごはんを食べます。ゲストの皆さんが持ってきてくれるおかずが楽しみなんですよ」と言うのは、料理家の今井真実さん。身近な食材と新鮮な組み合わせでつくる今井さんの家庭料理は、幅広い世代に支持されています。
「持ち寄りだと、何をつくるか悩む方もいらっしゃいますよね。でも、張り切ってつくり慣れない料理で失敗してしまうより、いつもの家庭料理がいいんです。つくった人にとっては『当たり前』かもしれないけれど、他の人にとっては特別な味。よその家の普段の料理って食べないし、その家にしかない味や工夫が必ずあって、新鮮なんです」
みんなの「いつもの」が集まった、あたたかいテーブル。「どうやって味付けしたの?」「簡単よ。あのね……」と、料理をきっかけに会話が生まれ、しかもレシピもお持ち帰り。家に帰ってからもうれしい時間が続くのです。
ピッチャーに、お気に入りのお茶をたっぷりと。
人数分の箸やカトラリーをテーブルに。
花を飾って、季節のおもてなし。
たれで味変を楽しむ洋風おでん。レモンを利かせてパルメザンチーズを振った、冬のマリネ。魚と肉、両方のうまみを楽しめるカルパッチョ風サラダ。今井さんの料理は、ちょっとした工夫が新しいおいしさにつながっています。
家庭料理を持ち寄る時には、どんなことに気を付けたらよいでしょう。
「ふた付きのほうろうバットに入れていくと、テーブルにそのまま出せます。洗い物がないので、ホストの手を煩わせずに済みますよ」と、今井さん。
「味付けはおのおので」も、大切だそうです。味の好みは千差万別。仕上げの味付けをお好みにすれば、誰もがおいしく楽しめます。例えば、おにぎりは、あえての塩おにぎり。具は瓶詰めを並べて、好きなようにのせてもらいます。洋風おでんも、ベースがシンプルな塩味なら、調味料を加えて新しい味を見つけて教え合う楽しみが生まれます。ピリ辛たれを混ぜたり、じゃがいもにバターをのせて「じゃがバター」を楽しんだり。そんな風に誰もが幸せな気持ちでくつろげる持ち寄りパーティーはいかがですか。
「お皿や食材の色をそろえると、おしゃれになりますよ」と、今井さん。
「レタスと山芋の浅漬け風」は、漬け込み用のバットごと持っていき、そのままテーブルの上に出しても自然です。
ひと口サイズのまるおにぎりは、小腹が空いた時にうれしい主食。おのおの好きな味付けを。
●大根 1/2本 500g ●スペアリブ 600g ●じゃがいも 300g ●結び昆布 7個 ●マッシュルーム 7個〈A〉●水 2ℓ ●酒 200㏄ ●しょうゆ 50㏄ ●塩 小さじ2 ●にんにく 皮ごと4片
❶大根は皮をむき3cmの厚さに切ってから4等分にする。じゃがいもも皮をむき4等分に切る。❷スペアリブと大根をそれぞれ下ゆでする。スペアリブを大鍋に入れ、水をひたひたに注ぎ(分量外)、中火にかけて沸かし、肉が全体的に白くなり、茶色いアクがぶくぶく浮いたら取り出し、一度湯を捨てる。スペアリブのアクをぬるま湯で洗い流す。鍋をきれいに洗い、スペアリブを戻す。別の鍋で大根もひたひたの湯(分量外)でやわらかくなるまでゆでる。❸スペアリブが入った大鍋に〈A〉とじゃがいも、結び昆布、マッシュルームを入れて1時間ほど弱火で煮込む。やわらかくなった大根をスペアリブの鍋に移し一緒に煮込む。❹マスタード、コチュジャン、酢辛子しょうゆ、生姜しょうゆ、万能ネギ+しょうゆ+ごま油(1:1)のたれなどを添える。
●米 2合 ●酒 大さじ2 ●塩 小さじ1
❶米を炊く際に酒と塩を入れる。❷炊きあがった米を30gずつラップに包んで、まるおにぎりをつくり、重箱に詰める。❸いくら、山椒の佃煮などを用意して、食べる前におにぎりにかける。
●鯛 刺身 100g ●生ハム 20g(大2枚) ●ルッコラ 1わ ●バルサミコビネガー 大さじ1 ●オリーブオイル 大さじ1と½ ●塩 小さじ1
❶ルッコラをちぎって皿に盛り付け、バルサミコビネガー、塩、オリーブオイル大さじ1をかける。❷①の上に鯛の刺身、細かくちぎった生ハムをのせ、残りのオリーブオイルをかける。
●長ネギ 2本 ●れんこん 150g ●水 700cc ●塩 大さじ½ ●米酢 大さじ1 ●オリーブオイル 大さじ1 ●パルメザンチーズ 30g ●レモンスライス 5枚 ●黒こしょう 適量
❶長ネギは5cmの長さに切り、れんこんはスライサーなどで薄切りにする。❷鍋に水と塩を入れて沸かし、①を入れる。れんこんはしんなりしたらザルにあけ、長ネギは箸で押した時にやわらかくなるまでゆで、バットに箸でつまんで入れる。❸バットに米酢とレモンスライス、れんこんを入れる。食べる直前にオリーブオイル、パルメザンチーズ、黒こしょうをかける。
●レタス 150g ●山芋 150g〈A〉 ●しょうゆ 50cc ●酢 15cc ●砂糖 大さじ1と½ ●すりごま 小さじ1
❶レタスはちぎり、山芋は皮をむき、5cmの拍子木切りにする。❷①と〈A〉をすべてあえたら、ビニール袋やほうろうのふた付き容器に入れる。時間が経つと、山芋のとろみがレタスに絡んで味わいが増す。
神戸市出身。noteやX(旧Twitter)でのレシピ発信が幅広い層の胃袋をつかむ。つくった人がうれしくなるような「毎日のあたらしい家庭料理」を、さまざまな媒体で発表。著書に『毎日のあたらしい料理 いつもの食材に「驚き」をひとさじ』(KADOKAWA)、『いい日だった、と眠れるように 私のための私のごはん』(左右社)、『フライパンファンタジア 毎日がちょっと変わる60のレシピ』(家の光協会)など。●インスタグラム @mamiimai