住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
オーナーさま専用サイト
お役立ちコラム
【目次】
住まいづくりは、どのような間取りにするかや、建物の階数や部屋の数、外観などを1つ1つイメージしながら決めていく必要があります。日本の住宅で多いタイプが2階建てや3階建て、平屋などですが、土地の大きさによってそれぞれ適した建物の形が異なります。
土地を有効に活用する間取りとして人気なのがスキップフロアです。この記事では、スキップフロアとはどのような間取りなのか、スキップフロアのメリット・デメリット、またスキップフロアを取り入れる際の成功のポイントについて解説していきます。
スキップフロアとは、フロアの一部の高さを1階分ではなく半階ずらすことで作られる部屋や空間を言います。一般的な住宅の場合は、1階、2階、3階、地下などを階段によって区切っていますが、スキップフロアの場合は、区切った階層ごとに半地下、中2階、中3階、半地下などとも呼びます。
スキップフロアの家にするメリットについて見ていきましょう。2階建てや3階建て、地下のある家などとも違い、さまざまなメリットがあります。
スキップフロアにすると、土地を有効活用できます。1階分の半分の高さをずらすため、普通の1フロア分の廊下や階段を作るときに必要なスペースがなくなります。通常では床面積に含まれないルーフバルコニーや床下収納、屋根裏収納などの空間も活用できるので、空間を有効に活用できます。
狭い土地や、傾斜があって十分な広さを確保しにくい土地などにもスキップフロアは適しているため、都心部や住宅が密集している地域などで住居を建てるときにも向いているでしょう。
例えば、2階以上の高さの建物が建てられない土地でもスキップフロアにすれば床面積を3層分にできます。
一般的な階層の住宅で部屋を区切るためには、部屋の数だけ壁を作らなければいけません。しかし、スキップフロアなら、通常の階段の半分の数段で部屋を区切れるので、壁を作る必要がありません。そのため、壁を作ってしまうと日当たりが悪くなる部屋でも、スキップフロアにすれば採光しやすく明るい雰囲気を作れます。
各階とスキップフロアが一続きになっている点も、仕切りがなく広々とした開放感のある印象を与えられます。また、半階下や半階上の空間が目に入るため、家族のいる気配を感じられ、コミュニケーションが取りやすくなります。
スキップフロアは、一般的な住宅よりもデザイン性が高く個性的な印象を与えます。2階や地下ではなく、スキップフロアにすることで間取りにこだわったおしゃれな空間を演出できるでしょう。
「人とは違う個性的な間取りにしたい」、「マイホームはこだわりが詰まった家にしたい」と考える人にもおすすめです。
土地を有効活用でき、おしゃれな空間にできるスキップフロアにもデメリットがあります。住み始めてから後悔しないためにも、スキップフロアのデメリットをしっかり理解した上で、取り入れるかどうか専門家と相談しながら決める必要があるでしょう。
スキップフロアを取り入れると、壁や仕切りを作らずにひとつながりの空間になるスペースが多くなります。そのため、冷暖房をつけたときに上下の階の室温に差が生じやすくなり、冷暖房効率が悪くなることが少なくありません。
スキップフロアを作るときには、断熱性の高い素材を使えば各部屋の室温の差は気にならないレベルになるでしょう。
スキップフロアにして冷暖房効率が悪くなってしまうと、以前住んでいた家よりも光熱費が高くなる可能性があります。
また、一般的な住宅を建てる場合は、減税対策として長期優良住宅の申請が可能です。長期優良住宅とは、快適に長く暮らせる家としての基準を満たした建物を指し、長期優良住宅を建てる場合は減税の対象となります。 しかしスキップフロアの住宅は、長期優良住宅のための条件を満たすことが難しいく、減税対象とならない場合があります。
スキップフロアにすると、一般の2階建てや3階建てに比べてフロア数を多く確保できますが、その分階段での行き来が面倒に感じる場合もあるでしょう。以前に住んでいた家よりも家事動線が長くなり、大変になったと思うこともあるかもしれません。
また長く住み続けて老後のことを考えた場合は、半階の移動でも負担が大きく感じるため、将来的にどこまでスキップフロアの家をバリアフリー化できるかをあらかじめ考えておく方がよいでしょう。
スキップフロアを取り入れる際のポイントをお伝えします。後悔せず満足できる住まいづくりのためにしっかり抑えておきましょう。
スキップフロアを検討しているなら、まずスキップフロアの家でどのような暮らしがしたいかイメージしましょう。「床面積が狭いけれど収納を多くしたい」、「ルーフバルコニーを作ってアウトドアリビングとして楽しみたい」などスキップフロアを活用した理想の暮らしを考えてみてください。
スキップフロアの広さは、家に住む人数によって決めるとよいでしょう。ひとり暮らしなら1フロア3畳ほどの大きさでも十分活用できます。2人で1フロアを使う場合は、4.5畳ほどの広さを確保した方がよいでしょう。
一般的な天井高は2.4mなので半階ずつ約1.4~1.5mずつずらしてフロアを設置するイメージですが、土地の形状や周辺の環境によっても変わります。
スキップフロアでの採光は、それぞれの立地条件や周囲の環境によっても変わります。どこからどのように光を取り込むのか、専門家と相談しながら決めましょう。屋根から半階下にルーフバルコニーを作り、その光をさらに半階下の部屋へ取り込む形なら自然に部屋全体を明るくできます。
スキップフロアだからこそ作れる収納スペースを有効活用しましょう。例えば、スキップフロアの家では広めの小屋裏収納や床下収納が作りやすくなります。これらの収納スペースを有効活用することで、ほかのスペースを居室にできるでしょう。
また吹抜け部分にスキップフロアを作って、収納スペースにしたり子どもたちの勉強部屋にしたりすることも可能です。
スキップフロアを取り入れた間取りの事例を紹介します。
1階と2階の間に子どもの遊び場として大きなスキップフロアを作りました。その下にウォークインクローゼットを設けてスペースを無駄なく活用しています。スキップフロアのキッズスペースがあるのでリビングが雑然とすることなく、お子さんも思い切りおもちゃを散らかして遊べます。
平屋建てですが、人とは違う住まいにしたいというオーナー様の希望で中二階にスキップフロアのリビングを作りました。床下部分には大容量の収納スペース、お気に入りの家具に囲まれて、家族の気配を感じながらくつろげる空間になっています。
スキップフロアは、半階分高さをずらして作るスペースで、狭い土地を有効活用できるおしゃれな間取りです。壁を作る必要がないため、開放感があり収納スペースも一緒に確保できるメリットがあります。
しかし、理想の生活をイメージできていないと暖房効率の悪さや上下の移動が負担に感じてしまうこともあります。スキップフロアを取り入れてどのような生活がしたいのか、専門家と相談しながら具体的にイメージするとよいでしょう。