住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
中庭とは、建物や壁に囲まれている庭をいいます。外からは見えないけれど、家の中からは出入りができる空間です。小さい場合は坪庭と呼ぶこともあります。日本だけではなく、世界の建築でもよく見られるもので、洋風スタイルの場合はパティオと呼ばれることもあります。
また、京都の町家によくある坪庭や母屋と離れの建物の間の空間、屋内の土間を中庭と呼ぶケースもあります。
ここでは、中庭のある間取りのメリット・デメリット、中庭を作るときの注意点についてお伝えします。
中庭のある代表的な家の作りを紹介します。
コの字型の家は、上から見るとコの字に見える形で、庭を三方向から住宅で囲むようなデザインです。三方で外から中庭を覆い、近隣の視線を遮ることができます。しかし一方は開いているので、閉塞感を感じることはありません。
コの字型の中庭の場合は、家の中からだけではなく外から出入りもできます。
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ロの字型の中庭は、四方を住宅が囲むようにして作られた形です。外とつながる場所がなく、完全にプライバシーを確保できます。外から中庭には出入りできないので、中庭を挟んだ向かい側の部屋に行くためには、ぐるっと迂回するか、庭や渡り廊下を通って移動します。
コスト的には、中庭に面している建物の数が多いほど費用がかかるので、ロの字型の方が建築コストが高くなります。
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中庭がある家のメリットについて詳しく見ていきましょう。
中庭は建物で囲われているため、完全にプライバシーを確保できます。一般的な庭の場合は通りに面しているため人の目が気になることもありますが、中庭なら外からの視線を気にすることなくリラックスして過ごせます。
家の中からも見守りやすく、子どもが安全に遊べる場所としても最適でしょう。またリビングのカーテンを開けて、中庭の自然を楽しむこともできます。天気のいい日に中庭で朝食を食べたり、夜は星を見上げながら中庭でビールを飲んだり、家族でバーベキューをしたり、外からの視線を気にすることなくリラックスして過ごせるプライベートな空間です。
防犯性の高さも中庭の大きなメリットです。広い開口部を中庭に作れば、外側や隣の家に面したところを小さい窓だけにしても、十分に明るさと通風を確保できるでしょう。また、庭で遊ぶ子どもが夢中になって道路に飛び出したり、一瞬目を離したすきに外へ出ていってしまうなどの心配がありません。
L字型で中庭を作るデザインの場合は、一度外部から侵入されると中が見えにくくなってしまいます。庭の様子が分かるよう、一部壁に穴を開けるデザインや、スリット、デザインブロックなどを取り入れると防犯効果が高まるでしょう。
中庭を作ると家の南側の面積が増えて開口部を設けやすくなります。自然光が部屋の中まで入り、家の中が明るくなる点も中庭の大きなメリットでしょう。
一般的に日本の住宅は日当たりを考えて南側に大きな窓を作ることが多いですが、奥まった位置は日差しが届かない部分もあります。しかし建物で中庭を囲む間取りなら、中庭に面した部屋にはまんべんなく光が入るので方位をあまり気にせず採光できます。
周辺の家との距離が近くて思うように採光ができなかったり、家の向きがあまり良くなかったりした場合でも、中庭があれば十分に明るい家を作れます。中庭なら外の目は届かないため、カーテンやブラインドを常に閉めておく必要はありません。
中庭に面したところに窓を設置すれば風通しが良くなります。普通の庭のように、人の目が気になることがないので、いつも窓を開けておいても安心です。自然の心地良い風が家の中を通り、部屋の中もカラッとして快適に過ごせるでしょう。
中庭があると、庭に面した部屋が多くなります。家の中と外が近くなり、自然を身近に感じられるのもメリットです。
家の床と中庭の高さを一緒にしたり、床を中庭に合わせたデザインにしたりすると室内と外がゆるやかにつながる印象になり、ひと続きの空間を演出できます。中庭をセカンドリビングやアウトドアリビングに使うなど自然と触れ合える家になるでしょう。
来客があったときのおもてなしのスペースとしても重宝します。
中庭のデメリットも見ていきましょう。メリット・デメリットを理解した上で、どのような間取りにするか決めると、住んでからの失敗が少なくなります。
中庭を作る場合、その分のスペースを確保する必要があります。また、一般的な家よりも建築コストが高くなります。コの字型やロの字型の家は壁の表面積が広くなる分、窓も増えるので外壁やサッシにかかる費用が上乗せされます。
どのようなタイプの中庭を作るかによってもコストは変わります。L字型が1番安く、次にコの字型、ロの字型の順に建築コストが高くなります。予算で考えると家が狭くなり、広さを優先すると建築コストが高くなるため、専門家と相談しながら最適な建物の形を決めるとよいでしょう。
中庭がある間取りは、日当たりと風通しが良いというメリットがありますが、開口部が広く窓が多い分、冷暖房の効率は悪くなります。断熱性が落ちるため、以前の家よりも光熱費が上がる可能性が高くなるでしょう。
建物の内側に中庭を作ると生活動線が長くなります。中庭を通れば反対側の部屋までの距離が短くなりますが、雨の日や真夏の日中、真冬などは家の中をぐるっと移動して向かい側の部屋に行く必要があります。
中庭を作ることで生活動線が長くなることを考慮した間取りにしないと、以前よりも家事や移動が大変になり、住みにくさを感じてしまうこともあるでしょう。
専門家と相談しながら、生活動線や家事動線を考えた間取りを決めてください。
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ここでは、中庭のある家の実例を紹介します。
こちらのお宅の特徴は、プライベート性の高い中庭空間。周囲の視線を気にせず、家族だけの時間を楽しめるレイアウトです。窓を大きく設けることで、どの部屋にもやさしい光と開放感を届け、内と外が心地よくつながります。外観のシックなタイルも上質感あふれる佇まいを演出しています。
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こちらのお宅の特徴は、中庭を中心に広がる開放的な空間設計。大きな窓とスケルトン階段が、自然光をたっぷり取り込み、どこにいても視線が外へ抜ける心地よさを演出します。キッチンから庭を望む眺めは、日常に癒しと豊かさをもたらします。
こちらのお宅の特徴は、東京スカイツリーを間近に望む特別なロケーション。中庭を囲む設計により、都市の中心にいながらも、光と緑に包まれた静寂なプライベート空間を実現しました。贅沢な眺望と心地よい開放感を両立した住まいです。
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こちらのお宅の特徴は、窓の向こうに広がる中庭の癒しの景色。室内にいながら自然を感じられる設計で、心地よい光と風を取り込みます。ウッド調の床と観葉植物が調和し、上質で落ち着いたリビング空間を演出しています。
こちらのお宅の特徴は、四季のうつろいを感じられる本格的な和の中庭。枝ぶりの美しい樹木や自然石、下草の彩りが織りなす景観が、住まいに深い安らぎをもたらします。室内のどこからでも眺められる贅沢な庭は、心を整えるひとときを日常に。
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中庭を作るときに注意したいポイントをお伝えします。
中庭は壁で囲まれているため、空気が停滞しやすくなっています。とくに奥の方は日当たりも悪くなる傾向があるため、気温の高い時季は湿気や熱がこもりやすくなります。対策としては外壁の一部に隙間を作ることで、湿気や熱がこもるのを防ぐなどがあります。
また水はけも悪くなるので、雨水を下水に流す集水マスを増やしたり、勾配をつけたりする工夫が必要です。水たまりができてしまうと、湿度が上がりやすくなり蚊など害虫が発生しやすくなるため、しっかりと対策を取りましょう。
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中庭を作りたい場合、一般の住宅よりも広さが必要になります。住まいを建てるときには、どのエリアに住むか考え予算に見合った土地を購入します。しかし手に入れた土地が狭いと、居室を優先するか部屋数を減らして中庭を作るかという選択を迫られることもあるでしょう。
狭い土地でも必要な部屋数を確保し、さらに中庭も作りたい場合は、1つずつの部屋や中庭を小さくする方法もあります。理想を実現するために、専門家とよく相談しながら決めていくとよいでしょう。
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中庭はプライバシーを確保してくつろげる空間で、人気の間取りの1つです。外からの目を気にしなくてよいので、部屋の窓を思い切り開けたり、中庭で子ども達を遊ばせたり、自然を感じられるセカンドリビングとして使ったりといろいろな楽しみ方ができるでしょう。
しかし、一般の住宅よりも建築コストが高くなり、冷暖房効率も悪くなるデメリットもあります。中庭を設置するなら、広さと予算、生活動線などを考えながら間取りを決めていく必要があります。専門家のアドバイスを聞きながら快適なマイホームを作りましょう。
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中庭そのものに直接かかる税金はありませんが、中庭を含む土地や建物全体の固定資産税に影響を与える可能性があります。固定資産税は土地や建物の評価額に基づいて計算されるため、中庭の設計や規模が評価額に影響を与えることがあります。具体的な税額は自治体の評価基準や土地の場所、面積、建物の構造などによって異なるため、詳細は地元の税務署や自治体に確認することをお勧めします。
中庭のある家は建築費が高くなる可能性があります。中庭を設けることで、建物の形状が複雑になり、施工の手間が増えることが原因です。また、中庭を囲むための壁や窓の設置、排水設備の追加なども必要となるため、これらが建築費用に影響を与えます。しかし、中庭を設けることで自然光を取り入れやすくなり、プライバシーを確保しつつ開放感を得られるなどのメリットもあります。最終的な費用は、設計の複雑さや使用する材料、施工業者の選定によっても変わりますので、具体的な見積もりを取ることをお勧めします。
中庭がある家も固定資産税の対象となります。固定資産税は、土地や建物の評価額に基づいて課税されるため、中庭があるかどうかに関わらず、家全体の評価額が税額に影響します。ただし、中庭自体が土地の評価額にどのように影響するかは、自治体の評価基準や中庭の設計、面積によって異なる場合があります。具体的な評価については、地元の税務署や市町村役場に確認することをお勧めします。
中庭のある家は、外部からの視線を遮ることができるため、プライバシーの確保に優れていますが、防犯性に関しては一概に高いとは言えません。中庭の設計によっては、外部からの侵入経路が増える可能性もあります。そのため、防犯性を高めるためには、適切な施錠やセキュリティシステムの導入、外部からの視線を遮る工夫を施すことが重要です。また、周囲の環境や立地条件に応じた防犯対策を検討することも大切です。
中庭にウッドデッキを設けるデメリットとしては、まずメンテナンスの手間が挙げられます。ウッドデッキは木材を使用することが多いため、定期的な塗装や防腐処理が必要です。また、湿気や雨にさらされることで腐食や変色が進む可能性があります。さらに、ウッドデッキは滑りやすくなることがあるため、安全面での配慮も必要です。加えて、設置費用が高くなる場合もあり、予算に影響を及ぼすことがあります。これらのデメリットを考慮し、適切な素材選びやメンテナンス計画を立てることが重要です。