住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
コートハウスとは中庭を中心に設計された住宅のことで、狭小地や都市部でもプライバシーの保たれた屋外空間を手に入れられるため、近年注目が高まっています。
本記事では、コートハウスのメリット・デメリットや特徴を解説しつつ、建築実例も紹介します。
コートハウスは、家の中心に内庭がある住宅のことです。
都市部では住宅や建物が密集していることが多く、プライバシーが確保された庭を持つことは難しい場合がほとんどですが、コートハウスなら、外からの視線が気にならないプライベートな屋外空間を手に入れることができます。
さらに、中庭を囲むように部屋が配置されるため、どの部屋からも気軽に外に出ることができるのも魅力のひとつでしょう。
中庭をつくるメリットや注意点などについては、以下の記事も参考にしてください。
【実例紹介あり】中庭(ロッジア)がある注文住宅の間取り|メリットや後悔しないためのコツを紹介
【建築実例付き】パティオとは?メリット・デメリットやおすすめ間取り
コートハウスのメリットについて、具体的に説明していきます。
中庭を中心とした間取りがコートハウスの特徴です。中庭から採光と通風を確保できるので、周囲と接する外側の面の窓を少なくすることができます。それにより、外からの視線が気にならないプライバシーを高めた空間設計が可能になります。
中庭に面する窓やドアを通じて十分な自然光が入るため、空間が明るく開放的になる点もメリットです。明るい室内から中庭の美しい眺めが常に楽しめることも、魅力のひとつでしょう。
中庭を囲むように部屋が配置されているコートハウスは、室内にたっぷり光を取り込むことができるので明るい室内を実現できます。さらに、通風性も良くなるというメリットもあります。
採光や通風が良くなることで、照明や空調機器の利用が少なくなれば、電気代の削減も期待できます。
家の中心に位置する中庭は、家族のコミュニケーションの場としてはもちろん、四季を通じてさまざまな楽しみ方ができます。
家庭菜園やガーデニングを楽しんだり、ホームパーティを開いてバーベキューを楽しんだり、ライフスタイルに合わせてさまざまな使い方ができます。また、ハロウィンやクリスマスなど季節のイベントに合わせて装飾を変えることで、室内から中庭を鑑賞するのもアイデアのひとつです。
コートハウスは、各世帯が独立した生活を送りながらも家族との絆を保ちやすく、二世帯住宅としてもおすすめです。
たとえば、中庭を挟んでそれぞれの世帯の生活空間を区切れば、各世帯のプライバシーを守りつつ必要に応じて交流できる快適な暮らしが実現できます。
また、コートハウスは構造上、外部からの視線が遮られます。そのため、近隣住人との交流がしにくいという側面もありますが、親族が近くに住むことで、日常的な支援や助け合いがしやすくなる点もメリットです。
コートハウスは、侵入経路を制限することができるため防犯の面でも有利です。
具体的には、外側の窓を少なくして侵入経路を玄関や勝手口に制限することで、侵入しにくい構造にすることが可能です。さらに侵入経路に監視カメラなどを設置すれば、さらに防犯性を高めることができます。
コートハウスは、音の面でもメリットがあります。道路側の窓を小さくすることで、外から入ってくる騒音を抑えることができます。さらに、中庭で遊ぶ場合も外に声が聞こえにくいため、近隣への迷惑を気にせずに楽しめる点もメリットでしょう。
加えて、コートハウスの建築デザインは、風や直射日光が直接建物内に影響を与えるのを抑制します。中庭に樹木を植えれば、さらに直射日光などの影響を受けにくくなり、一年を通して快適な屋外空間を手に入れられます。
コートハウスは一般的な住宅に比べ、間取りが複雑になる傾向にあります。また構造上、中庭に面する窓が大きくなるため、耐久性や断熱性などの面で設計に工夫が必要です。そのため、費用が高くなりがちなので注意が必要です。
また、中庭を設けることで居住スペースが狭くなる可能性があります。特に狭小地にコートハウスを建てる場合は、中庭を広くし過ぎて居住スペースが狭くなってしまわないよう注意が必要です。
コートハウスのデメリットについては、以下の記事で詳しく紹介しています。あわせてご確認ください。
コートハウスのメリット・デメリットとは?後悔しないためのポイントも紹介
コートハウスには大きく3つの種類があり、それぞれ特徴があります。また、コートハウスを建てるのに適した敷地の条件についてもこの章で紹介します。
コートハウスは形状の違いから、ロの字、コの字、L字の3種類に大別されます。
ロの字は中庭に面した四方が全て居住空間で、中庭が外部から完全に閉ざされたタイプです。この間取りは外部から中庭が全く見えないのが特徴で、プライバシーを重視したい方におすすめです。
コの字は文字通り、中庭に面した一部分が外部に開放されているタイプです。開放する面が道路に接している場合は、外部からも中庭に入れる間取りになります。
L字は、中庭に対しL字で住宅が建てられているタイプで、中庭に面した二面が外部と接している構造です。他のタイプよりも外部と接する面が広いため、最もプライベート性が低くなります。
一般的にコートハウスを建てるには、ある程度広い敷地が必要だと言われています。中心に設けた中庭から光を採り入れる設計にする場合が多く、そのためには比較的広い中庭をつくる必要があるためです。室内に十分な光を届けるためには、おおよそ4帖半以上は中庭にスペースを割く必要があるとされています。
一方で、中庭以外からも光を採り入れる工夫をすれば、十分なスペースを確保できない狭小地でもコートハウスを実現できます。たとえば、高窓や天窓など高い位置に採光用の窓を設置するのもひとつのアイデアです。
このような工夫をすることで、広い土地が手に入りにくい都心部でもコートハウスを建てられます。
ここからは、コートハウスの建築実例を紹介します。コートハウスを検討している方は参考にしてください。
ご要望されたのは、家族やご友人との集いを快適に楽しめるLDKです。のびやかな勾配天井や、大開口からつながるテラスや庭が開放感を高めています。
オープンなキッチンからLDやテラスを見渡せ、いつも家族の気配を感じることができます。壁や床はホワイトとグレーでまとめてシンプルにすることで、飾られた絵やグリーンが際立ち、ご家族らしさのある空間をつくっています。
テラスや庭へとつながる開放感が気持ちいいコートハウスの建築実例を見る
都心から移住し、自然に囲まれた別荘地でご新居を計画されたこちらのお宅は、暮らしと自然が心地良くつながり、豊かな時間を過ごせる空間を実現しています。
約50帖もの大空間に、リビング、ダイニング、キッチンをそれぞれ独立させてゆったりと配置しました。リビングには庭に面した大開口とダイナミックな勾配天井を設けて、のびのびと開放的に過ごせるように工夫されています。庭に向かって配置したソファで、景色を眺めながらくつろげます。
LDKからテラスや庭へとつながる開放感が魅力のお宅です。「ソファでくつろぎながら庭を眺めるのが気持ち良いですね」と、ご主人のお気に入りです。
「毎朝、芝生の水やりをしている家族を、キッチンから眺めながら朝食をつくっています」と奥さまもご満足の様子。庭とつながる暮らしを満喫しながら、快適な毎日をお過ごしです。
コートハウスはプライベートが保たれた中庭を中心に設計された住宅で、外から見えにくい屋外空間を楽しめることで近年人気が高まっています。
コートハウスは自然光を屋内空間に採り入れやすかったり、外からの視線を気にせず中庭での趣味を楽しめたりするなど多くのメリットがあります。一方で複雑な建築構造になるため、コストが一般的な住宅より高くなる点には注意が必要です。
狭小地でコートハウスを建てたい場合は、メリットやデメリットを把握したうえで、土地の広さなども考慮しながら快適な住まいを実現できるよう、建築実例などを参考に間取りを考えるとよいでしょう。